ニプロの米社買収、「安価大量生産」の哲学に沿う-野村証・甲谷氏

医療機器大手のニプロが3日、血糖 値測定器に強みを持つ米ホーム・ダイアグノスティックスを約200億円 で買収すると発表したことについて、野村証券の甲谷宗也アナリストは ニプロの経営哲学に沿った動き、と評価している。

甲谷アナリストは4日付の投資家向けリポートで、ホーム社につい て「個人用血糖計の安価作戦で、非凡な戦略を持つ企業との印象だ」と 指摘した。大手4社が9割強のシェアを握る米血糖計市場で、ブランド 品より単価を40%低く設定、大手薬局チェーンや小売り企業の店頭で 一定の棚スペースを確保するホーム社の企業姿勢を評価。その上で同氏 は「ニプロの安価大量生産の哲学に沿った買収」と結論付けた。

また甲谷氏は、財務面でのニプロへの影響について、今回の買収で 約100億円ののれんが生じると試算。「20年のれん償却を仮定すると、 年間のれん償却額5-6億円に対し、営業利益11億円が上乗せされる ため、短期的に大きな影響を及ぼすとは考えない」との認識を示した。

ニプロは3日、米ナスダック市場上場のホーム社を株式公開買い付 け(TOB)で完全子会社化すると発表。TOB価格は1株当たり

11.5ドルで、ホーム株の2日終値より90%高かった。ニプロ企画管理 課の中森久雄氏はブルームバーグ・ニュースの取材に、「血糖値測定器 で自社製品を持っていなかった当社が実際に商品を持ち、新製品の開発 をも手掛けるホーム社を買収するのに必要な額と判断した。血糖計領域 に本格参入するとの決意を示す意味もあった」と説明した。

発表資料によると、ホーム社の08年末の純資産は1億1200万ドル。 08年12月期の連結売上高は前期比7%増の1億2358万ドルで、営業 利益は同0.8%減の1115万ドルだった。09年末の従業員数は571人。

糖尿病領域は新成長の柱、自社製品でアジアへ

ニプロの中森氏は、糖尿病領域を新しい成長の柱と位置付けている と話し、自社製血糖計でアジアなどの世界市場へ展開する方針を示唆し た。野村証の甲谷氏はこの点について、「アジアでは安価ローカルメー カーがひしめいている上、血糖計を販売するのは病院であるため、米国 とは異なった戦略が必要」と指摘、成否の判断は時機尚早と見る。

4日のニプロ株は、糖尿病関連領域での海外展開の加速を見込む格 好で、一時前日比1.2%高の1913円と反発。過去半年のチャートは、 昨年11月27日の1805円を底に下値を切り上げる展開となっている。

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