日本株は反落、リコール問題で揺れトヨタ大幅安-投資家心理に打撃

日本株相場は反落。大規模リコール (回収・無償修理)問題で揺れるトヨタ自動車が売買を伴って大幅続 落。フタバ産業やトヨタ紡織など、トヨタに関連する部品メーカーは 東証1部の下落率上位に並んだ。三菱UFJフィナンシャル・グルー プや野村ホールディングスなど金融株の下げも目立った。

日経平均株価終値は前日比48円35銭(0.5%)安の1万355円 98銭。TOPIXは同4.59ポイント(0.5%)安の911.09。

岡三アセットマネジメントの伊藤嘉洋上席ストラテジストは、「ト ヨタの急落が投資家心理を一気に冷やした。外国人投資家などがファ ンドから外している動きだ」と指摘。トヨタのリコール問題が「日本 の製造業に与える影響や、どれくらい続くのかなど不透明要因が多い」 と話している。

この日の東京市場は上昇して始まったものの、徐々に下値を切り 下げ、午後の取引で日経平均は一時100円以上下げた。ギリシャの財 政問題を抱えた欧州中央銀行(ECB)の会合、米雇用統計の発表な ど、世界の投資マネーの動きに影響を与えそうな重要日程を控えて様 子見気分が広がる中、トヨタとその関連銘柄の急落が相場全般に打撃 を与えた。トヨタの売買代金は1836億円と東証1部全体の11%を占 め、売り圧力の集中ぶりがうかがえる。

トヨタの「窓」開け見たことない

「これだけ『窓』を開けて急落するなんて、トヨタの動きであま り見たことがない」と、岡三アセットの伊藤氏は振り返る。トヨタは 前日比6%安の3195円まで下げ、昨年4月1日以来の安値を更新。一 時競合のホンダの株価に逆転を許した。チャートを見ると、前日の安 値(3400円)と、きょうの高値(3295円)の間に105円程度の「窓」 を開けた。「窓」は大きな値動きがあった時に形成され、下に開けると 投資家が弱気であることを示す。

トヨタは指数寄与度が高く、TOPIXと相対的なパフォーマン スを競う機関投資家を中心に保有する投資家は多い。ブルームバー ク・データによると、トヨタのTOPIXの指数寄与度は3.7%とト ップ。三菱UFJフィナンシャル・グループ(2.9%)、ホンダ(2.3%)、 キヤノン(1.9%)が続く。トヨタの急落で機関投資家がファンドから 同社株を外しているとの思惑が広がり、先行き不安が広がった。

アクセルペダルを巡る大規模リコール問題に加え、新たにハイブ リッド車「プリウス」のブレーキ不具合に関する苦情件数の拡大懸念 も浮上した。ゴールドマン・サックス証券は4日、トヨタのリコール 関連費用(1000億円)の発生などを考慮し、10年3月期の連結営業損 益は1500億円の赤字になると予想、投資判断については「買い」から 「中立」に引き下げた。トヨタは、きょうの取引終了後に第3四半期 の決算発表を行った。

トヨタ車需要の今後の落ち込みを警戒する格好で、東証1部の値 下がり率上位にはフタバ産業、トヨタ紡織、関東自動車工業、ジェイ テクト、NOK、小糸製作所、デンソーなどトヨタ関連の自動車部品 メーカーが入った。

このほか、野村ホールディングスなど証券株、三菱UFJフィナ ンシャル・グループなど銀行株といった金融株も下落。岡三アセット の伊藤氏は、銀行株について「米新金融規制案が消化し切れていない」 と話していた。09年10-12月期決算がアナリスト予想を下回ったシ ャープを中心に電機株も下げ、商社や非鉄金属など資源関連業種も終 日軟調に推移した。

邦チタや船井電急落、ディフェンシブ堅調

東証1部の業種別33指数は18業種が下落、15が上昇。東証1部 の騰落状況は値下がり銘柄数が710、値上がりは816。

個別では、金属チタン需要の低迷などで、09年4-12月期の連結 営業損益が赤字だった東邦チタニウムが3日ぶりに急反落。JPモル ガン証券が4日付で、投資判断を「オーバーウエート」から「中立」 に下げた船井電機、保守工事の減少で10年3月期の業績予想を減額し た新興ブランテックが大幅安。09年10-12月期の連結売上高が前年 同期比8.6%減となったOKI、10年3月期の業績予想を増額修正し たが想定の範囲内だったイビデンも売られた。

半面、電気・ガス、食品といった景気変動の影響を受けにくいデ ィフェンシブ株、不動産や小売株が買われ、相場を下支えした。コス ト削減効果や、想定為替レートを円安に見直し、10年3月期の連結純 利益予想を従来予想から71%上方修正したホンダが3連騰。メリルリ ンチ日本証券が投資判断を上げた信越ポリマーが4カ月ぶり高値。野 村証券が強気の判断を示した新神戸電機、前期利益が上振れたもよう の大和冷機工業、09年10-12月期が5期ぶりに営業黒字化した東京 応化工業も高い。

新興3市場はまちまち

国内の新興3市場は高安まちまち。ジャスダック指数は前日比 1%安の50.92、東証マザーズ指数は同1.4%安の407.26。一方、大 証ヘラクレス指数は同0.1%高の571.58と小反発した。

個別では、グリー、サイバーエージェント、ミクシィ、ACCE SSなど時価総額の大きいインターネット関連株が下落。ハイブリッ ド車向けの電池材料メーカーである田中化学研究所も、トヨタ問題を 警戒する格好で大きく下げた。

半面、09年7-12月期の連結最終損益が黒字転換したもよう、と 前日発表したインテリジェントウェイブは3日続伸。午前の取引終了 後に通期業績を増額した事業用不動産の賃貸サービス企業のエリアク エストも急伸。篠崎屋、フルヤ金属、決算発表を控えたジー・モード が高かった。

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