長期金利一時1.38%に上昇、昨年11月以来の水準-米雇用統計を警戒

債券市場で、長期金利は一時、昨年 11月以来の高水準となる1.38%に上昇(価格は下落)した。5日に発 表される1月の米雇用統計が強い内容になるとの観測が強まり、前日 の米長期金利が約2週間ぶり高水準に達したことを受けて、円債市場 も売りが優勢となった。

HSBC証券の白石誠司チーフエコノミストは、「昨日の米経済指 標を見ても、あすの米雇用統計がプラスになる可能性があるので、様 子見気分が強い。株価は下げたが、米雇用者増加に対する警戒感が強 く、ポジション(持ち高)調整の動きとなった」と述べた。

長期金利の指標とされる新発10年物の305回債利回りは、前日比 1ベーシスポイント(bp)高い1.365%で始まった後、いったんは

1.36%に戻した。しかしその後は徐々に水準を切り上げ、午後に入る と2.5bp高い1.38%に上昇し、新発10年債利回りとしては2009年11 月12日以来の高水準をつけた。午後4時13分現在では2bp高い

1.375%で推移している。

3日の米債相場が下落したことが、円債市場で売り材料となった。 米国債市場では、民間部門雇用者数の減少幅が予想を下回り、労働省 が5日に発表する非農業部門雇用者数が増加するとの観測が広がった。 米10年債利回りは6bp高い3.71%程度と1月19日以来の水準に上昇 した。

ブルームバーグ・ニュースの調査によると、1月の米雇用統計で 非農業部門雇用者数は前月比1万5000人増加が予想されている。昨年 12月は同8万5000人減少だった。HSBC証の白石氏は、「米利上げ 観測が強まる可能性があるが、実際に利上げをするとは見ていない。 かなり先になるのではないか」と予想している。

来週9日に30年利付国債の入札を控えて、超長期債も軟調。新発 30年債利回りは一時1bp高い2.325%、新発20年債利回りは1bp高 い2.165%に上昇した。

先物は6日続落

東京先物市場の中心限月3月物は6営業日続落。前日比10銭安の 138円97銭と1月21日以来の139円割れで始まった。その後、日経 平均株価が下げに転じたことを受けて下げ幅を縮め、2銭安い139円 5銭まで戻した。しかし再び売りが優勢となると、一時は38銭安の 138円69銭まで下落し、1月8日以来の安値をつけた。結局は27銭 安の138円80銭で終えた。

大和住銀投信投資顧問債券運用部の横山英士ファンドマネジャー は、「先物主導で勢いがついて値を下げた。もっとも水準的には買いの 水準なので、先物が落ち着いたところでは買いが入ると思う。10年債 も利回り1.3%台後半なら買いの目線だ」と説明した。

株式市場で日経平均株価は反落。前日比48円35銭安の1万355 円98銭で引けた。大規模リコール(回収・無償修理)問題で揺れるト ヨタ自動車が大幅続落した。

中村日銀審議委員が講演

日本銀行の中村清次審議委員は4日、福岡市内で講演し、日銀が 2001年から06年にかけて行った量的緩和政策は「効果は小さかった ように思う」とした上で、デフレを脱却するためには「生産性向上を 反映した中長期的な所得増加期待を高めていくことが肝要」と発言し た。ただ債券相場への影響は限定的となった。

みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストによると、 「市場が材料視するような目新しい話は見当たらなかった」という。

一方、欧州中央銀行(ECB)、英イングランド銀行(BOE)は 4日、金融政策決定内容を発表する。ブルームバーグ・ニュースの調 査ではいずれも政策金利の据え置きが予想されている。クレディ・ス イス証券の河野研郎債券調査部長は、「ECBからは新しい情報は期待 されていない。BOEは資産購入について、いったん停止することを 宣言すると見られる」と予想している。

--取材協力:日高正裕  Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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