2月3日の海外株式・債券・為替・商品市場(Update1)

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルが円とユーロに対して上昇。 この日発表された米民間部門の雇用者数純減幅は市場予想とほぼ一致。 2日後に発表の米雇用統計では純増幅が過去2年間で最大になると予 想されていることから、景気回復への期待が高まった。

ドルは主要16通貨中の14通貨に対して上昇した。ユーロは円 に対して値上がり。欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員 会のアルムニア委員(経済・通貨担当)が、EUはギリシャの計画を 支持すると表明したことが背景。

みずほコーポレート銀行の通貨セールス担当責任者、ファビア ン・エリアソン氏(ニューヨーク在勤)は「失業率の低下を示すいか なる兆しも景気回復説を裏付ける」と指摘。「こうしたポジティブな ニュースはドルにとって好材料だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時11分現在、ドルは対円で前日比

0.7%高の1ドル=90円98銭(前日は同90円38銭)。ドルは 対ユーロで0.5%高の1ユーロ=1.3899ドル(前日は同1.3965 ドル)。ユーロは対円で0.2%高の1ユーロ=126円43銭。

給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッ シング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが発表した給与名簿に 基づく集計調査によると、1月の米民間部門の雇用者数は前月比2万 2000人減少した。ブルームバーグがまとめたアナリスト37人の予 想平均は3万人減だった。

ブルームバーグの調査によると、5日発表の米雇用統計で非農業 部門の雇用者数は1万5000人の増加が見込まれている。

ウェルズ・ファーゴの為替ストラテジスト、ヴァシーリ・セレブ リアコフ氏(ニューヨーク在勤)は「成長トレンドの違いが為替相場 を動かしている」と指摘。「米経済指標で明るい内容が続けば、ドル は上昇するだろう」と述べた。

赤字削減

ユーロはドルに対して、1ユーロ=1.4026ドルに達した後に 下落。BNPパリバのテクニカルアナリスト、アンドルー・シャベリ ア氏(ニューヨーク在勤)は同水準がフィボナッチ分析に基づく節目 に相当したとして、「今週初め以降みられた小幅な上昇局面の調整だ」 と指摘。「1ユーロ=1.39ドルよりユーロ高になる不安を取り除い ている」と述べた。

ユーロが対ドルで下落した背景には、欧州委員会がギリシャの財 政赤字削減計画に支持を表明したこともある。アルムニア委員はギリ シャが財政危機に対処する上で国外の支援を求める必要はないと述べ た。ギリシャのパパンドレウ首相は前日、財政赤字削減に向け公務員 給与の部分的凍結を含む追加計画を発表していた。

「信頼性ある緊縮財政計画」

ルービニ・グローバル・エコノミクスを創業した経済学者のヌリ エル・ルービニ氏は、ルービニ・グローバルのアルナブ・ダス氏とと もに英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)に寄稿し、ギリシャは 「信頼性ある緊縮財政計画」を打ち出し、国際通貨基金(IMF)の 大型プログラムによる支援を得ることが理想的だとの認識を示した。

欧州中央銀行(ECB)は4日、金融政策委員会を開く。ブルー ムバーグがまとめたエコノミスト調査によると、55人全員が政策金 利を1%に据え置くと予想した。

◎米株式市場

米株式相場は反落。午前に発表された米サービス業活動が予想ほ ど拡大しなかったほか、製薬会社ファイザーの四半期利益が予想を下 回ったのが嫌気された。

家庭用品小売りのホーム・デポと通信大手ベライゾン・コミュニ ケーションズが安い。米供給管理協会(ISM)の発表した1月の非 製造業総合景況指数が予想に届かなかったことが売りを誘った。ファ イザーも下落。同社の四半期利益はワイスの買収費用がかさみ圧迫さ れた。

一方、メディア大手のニューズ・コープは上昇。新作映画「アバ ター」効果で利益が押し上げられた。

S&P500種株価指数は前日比0.6%安い1097.28。ダウ工 業株30種平均は26.30ドル(0.3%)下げて10270.55ドル。

ウエストウッド・マネジメントのファンドマネジャー、マーク・ フリーマン氏は、「サービス部門で力強い回復がみられず、市場は失 望している。サービス部門の回復度合いは製造業部門に比べてはるか に弱い」と語った。

サービス業指数、ADP雇用統計

1月の非製造業総合景況指数は50.5と、サービス業活動の拡 大と縮小の境目を示す50を小幅ながら上回った。ブルームバーグが まとめたエコノミスト予想の中央値では51への上昇が見込まれてい た。ISMが1日発表した1月の製造業景況指数では2004年8月 以来で最大の伸びを示した。

給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッ シング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが発表した給与名簿に 基づく集計調査によると、1月の米民間部門の雇用者数は前月比2万 2000人減少した。ADPは事業会社からサンプル抽出して調査。民 間企業のみを対象としたもので、政府機関による雇用は含まれない。

今週5日には米労働省が1月の雇用統計を発表するが、雇用者数 は増加が見込まれている。

ハリス・プライベート・バンク(シカゴ)のジャック・アブリン 最高投資責任者(CIO)は、「市場参加者は雇用統計の発表を待っ ている。景気が難局を乗り越え、雇用の喪失ではなく創出が示される ことを期待している。雇用統計で雇用増が発表されれば投資家の不安 も緩和されるだろう」と述べた。

米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は、2期目の FRB議長就任宣誓で「あまりに多くの国民が失業している」と述べ た。

ファイザー、メットライフ

ファイザーは下落。S&P500種ヘルスケア関連株は1.1%下 落と、産業別10指数のうち値下がり率2位だった。ファイザーの 2009年10-12月(第4四半期)決算は、一部項目を除いた1株 当たり利益がアナリスト予想を下回った。

生保大手メットライフは4.3%安。同社の昨年末の1株当たり 純資産は12月時点での予想を下回った。

「チャップス」や「クラブモナコ」などのブランドを展開するア パレルのポロ・ラルフ・ローレンは8.4%安。同社の2009年10- 12月(第3四半期)決算は売上高がアナリスト予想を下回った。デ パートへの出荷減少が影響した。

◎米国債市場

米国債相場は下落。米民間部門雇用者数の減少幅が市場予想を下 回ったことから、労働省の非農業部門雇用者数の増加を示唆している との観測が広がった。

10年債利回りは2週間ぶり高水準に上昇。給与明細書作成代行 会社のオートマティック・データ・プロセッシング(ADP)エンプ ロイヤー・サービシズが3日発表した給与名簿に基づく集計調査によ ると、1月の米民間部門の雇用者数は前月比2万2000人減少とな った。労働省は5日に1月の雇用統計を発表する。

米財務省は、来週実施する四半期入札で中長期債を過去最大に並 ぶ総額810億ドル発行すると発表した上で、これ以上入札規模を拡 大する必要はないとの認識を示した。

モルガン・キーガンの債券セールス・トレーディング・調査責任 者のケビン・ギディス氏は、「ADP民間雇用者の数字は、5日の非 農業部門雇用者数の発表に向けかなり良い予告になった」と指摘した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時19分現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の3.71%と、1月19日以 来の高水準。同年債(表面利率3.375%、2019年11月償還)価 格は1/2下げて97 9/32。30年債利回りは一時4.64%と、1月 14日以来の高水準を付けた。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト83人の予想 中央値では、1月の非農業部門雇用者数は前月比1万5000人増。

ADP民間雇用者数

1月のADP民間雇用者数の減少幅は、ブルームバーグ・ニュー スがまとめたエコノミスト予想(3万人減)を下回った。12月は6 万1000人減(修正値)だった。

米財務省によれば、9日の3年債の発行額は400億ドル、10 日の10年債は250億ドル、11日の30年債160億ドル。

2日に開かれた財務省の諮問委員会の議事録によれば、同省のマ シュー・ラザフォード副次官補(連邦財政担当)は、政府が「現在の 入札日程であれば、債券投資家は今後見込まれるさまざまな借り入れ 需要への対応において、十分な柔軟性を確保できる」と指摘した。

TIPS発行

財務省はまた、インフレ連動債(TIPS)の発行回数の増加を 検討していることを明らかにした。同市場の流動性改善が狙いとして いる。

バークレイズの金利ストラテジスト、マイケル・ポンド氏は「米 財務省は引き続きTIPSの発行拡大と流動性向上を支持している」 と指摘。「財務省ができる最も重要なことは、TIPS拡大への支持 表明だ。同省がコミットすることで、TIPSに新たな投資家やディ ーラーを引き込める可能性が高い」と語った。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は反落。ドルが反発したことで代替投資 先としての金の魅力が薄れ、3日ぶりに下げた。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は一時0.5%上昇。米経済が回復の兆しを見せるなか、ド ル買いが優勢となった。金は前日までの1年間で23%上昇した一方、 ドルは8.2%下落した。

MFグローバルのアナリスト、トム・ポーリッキ氏(シカゴ在勤) は、「金相場の先行きに対する懸念は、ドルの動きに起因するものだ」 と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前日比6ドル(0.5%)安の1オンス=1112ドルで取引を 終了。一時は0.8%上昇する場面も見られた。前日までの2営業日 では3.2%上昇していた。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は反落。米エネルギー省エネルギー情報局 (EIA)の週間在庫統計によると、製油所の稼働率低下や輸入増を 背景に原油在庫の増加幅が予想を上回った。これを嫌気し、原油は売 りが優勢になった。

29日終了週の原油在庫は前週比232万バレル増加の3億2900 万バレル。ブルームバーグの調査では40万バレルの増加が見込まれ ていた。燃料需要が前年の水準を下回り、製油所の稼働率は約1年ぶ りの低水準となった。

エネルギー・コンサルタント会社、プレステージ・エコノミクス (テキサス州オースティン)のジェイソン・シェンカー社長は、「原 油在庫の増加幅は意外なほど大きかった」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比25セント(0.32%)安の1バレル=76.98ドルで取引を終了。 この日は一時81セント上昇したが、最大で71セント下げる場面も あった。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は反落。ダウ欧州600指数は4日ぶりに下落した。 ギリシャとポルトガル、スペインの財政赤字に対する懸念が強まった ほか、スウェーデンの家電メーカー、エレクトロラックスの四半期決 算が予想よりも悪かったのが嫌気された。

ポルトガルのエスピリート・サント銀行やスペインのポプラー ル・エスパニョル銀行は下落。エレクトロラックスは3年ぶりの大 幅安。フィンランドの鉄鋼メーカー、アウトクンプも値下がりした。 同社は四半期決算で赤字を計上した。

ダウ欧州600指数は前日比0.6%安の249.4。今年1月19 日に記録した年初来の高値からは4.2%値下がりした。

アジリ・ジェスションのファンドマネジャー、アルノー・スカル パチ氏は「ギリシャ以外でこれまで影響がみられなかったポルトガル などへの懸念が強まっている」と述べ、「問題波及への懸念があり、 株価に若干の売り圧力となっている」と続けた。

エレクトロラックスは12%安。同社の第4四半期純利益は6億 6400万クローナに増加したものの、アナリスト予想の6億7100 万クローナには及ばなかった。

◎欧州債券市場

欧州債市場では、ドイツ10年債が下落した。欧州連合(EU) がギリシャの財政赤字削減計画に対する支持を表明したことを受け、 ギリシャなど周辺国の金融混乱から安全性を求めて資金を回避させる 動きが後退した。

独10年債利回りは6週間余りで最低の水準付近から上昇した。 ギリシャのパパンドレウ首相は2日、燃料税の引き上げや公務員給与 凍結などを含む追加措置を発表した。EUの行政執行機関である欧州 委員会のアルムニア委員はこの日、ギリシャ案は市場への追い風とな るとの見方を示した。ドイツが48億ユーロ規模の5年債入札を実施 したこともドイツ国債相場の押し下げ要因となった。

カリヨンの債券戦略責任者、デービッド・キーブル氏(ロンドン 在勤)は、「ギリシャ首相は財政赤字削減に向けた追加措置を打ち出 した。市場は現在、このような材料を好感している」と述べ、「この 日は、ギリシャ債でショート(売り持ち)またはドイツ債をロング (買い持ち)のポジションにするのが困難だった」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時50分現在、独10年債利回りは前日比3 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.22%。同国 債(表面利率3.25%、2020年1月償還)価格は0.21ポイント下 げ100.25。独2年債利回りは1.13%と、前日からほぼ変わらず。

◎英国債市場

英国債市場では10年債利回りが一時、今週に入ってからの最高 を付けた。1月の英消費者信頼感が改善し、経済回復の勢いが増しつ つあるとの観測が広がった。

英住宅金融大手ネーションワイド・ビルディング・ソサエティー によると、1月の英消費者信頼感指数は前月比3ポイント上昇の73 となった。前年同月の水準のほぼ2倍に上昇した。これを受けて2年 債相場も一時、下落した。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によると、イングラ ンド銀行(英中央銀行)は4日の金融政策委員会(MPC)で、政策 金利を据え置くとみられている。また、昨年3月に開始した資産買い 取りプラグラムについては、購入額が2000億ポンド(約29兆円) の上限に達したことから、停止が予想されている。

ロンドン時間午後4時半現在、10年債利回り利回りは3.91%。 一時は3.96%まで上昇し、先月29日以来の最高となった。同国債 (表面利率4.5%、2019年3月償還)は0.01ポイント上げ

104.49。2年債利回りは1.19%と、前日から2bp低下した。

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