中外薬株が午後急伸、がん領域拡大-今期業績計画が市場予想上回る

スイス製薬大手ロシュグループの中 外製薬の株価が午後の取引で急上昇。一時は前日比7.8%高の1752円 と、2009年4月28日(8.2%高)以来、約9カ月ぶりの日中上昇率を 記録した。「アバスチン」や「ハーセプチン」などのがん領域の製品が 伸長しており、業績は今後底堅く推移すると期待された。

同社が3日午前11時に公表した今期(2010年12月期)業績予想 によると、連結営業利益は前期比15%減の700億円になる見込み。流 行の大小で収益が大きく変動するインフルエンザ治療薬「タミフル」の 売上高予想を前期比49%減の387億円と設定し、減益予想を組んだが、 同社株を担当するアナリスト15人の同予想値の平均(696億円)を

0.6%上回った。

東海東京調査センターの赤羽高シニアアナリストは、この日の株価 急伸について「驚くような話はなかったが、業績好調を再確認して買い が集まったようだ」とみている。

赤羽氏によると、中外薬は例年、タミフルの特需を見込まず、下ぶ れリスクの少ない最低線の業績予想値を公表してきた。しかし、豚イン フルエンザの発生などを受け、最近では恒常的にインフル予防などでの 需要も見込めるようになったため、「安定的な収益が見込める医薬品株 として割安感が強まったのではないか」と赤羽氏は述べていた。

会社側が示した今期の主力製品の売上高見通しは、アバスチンが前 期比37%増の479億円、ハーセプチンが同17%減の247億円、抗がん 剤「リツキサン」が同11%増の234億円で、がん領域全体で同13%増 の1402億円としている。赤羽氏は「がん領域は一番伸びている分野。 中外薬は、ロシュから製品を導入しているのが強み」と述べていた。

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