債券は小幅安、株価続伸で投資家は取引手控え-米雇用統計見極めも

債券相場は小幅安(利回りは上昇)。 市場関係者からは、株価続伸を背景に投資家は取引手控え姿勢を崩し ておらず、週末の米雇用統計発表を見極めようとの雰囲気が広がった との指摘が聞かれた。

みずほ投信投資顧問の中村博債券運用部長は、10年債の入札自体 は無難に通過したとはいえ、これまでと代わり映えのしない金利水準 では買い意欲が盛り上がらなかったと分析。「米国で週末に雇用統計 が発表されることも取引手控えの口実になっていた」ともいう。

東京先物市場の中心限月3月物は前日比5銭高い139円17銭で始 まり、株価が下げに転じる場面では139円22銭まで上昇した。しかし、 午後は前日終値を挟む水準でもみ合いとなり、引けにかけて売りが膨 らむと139円4銭まで下落。結局は5銭安の139円7銭で終了した。

前日の10年債入札を波乱なく通過したことから、午前の債券先物 相場は株高にもかかわらず買いが先行した。大和住銀投信投資顧問の 横山英士ファンドマネジャーは、10年債利回りの1.3%台半ばでは買い 目線でとらえる向きが多く、実際に入札結果は一部で懸念されたよう な悪い内容でなかったといい、「入札実施と前後して一時的に売りに 傾けた先物の持ち高を買い戻す動きが膨らんだ」と指摘した。

2日の10年利付国債(305回債、2月発行)の入札結果は、最低 落札価格が99円55銭、平均落札価格は99円58銭となった。最低価格 は市場予想と一致したほか、最低と平均価格の差であるテールは前回 債の5銭から3銭に縮小。応札倍率は2.58倍から3.62倍に上昇した。

一方、日経平均株価が小幅ながらも前日終値を上回って推移した ため、債券先物は午前の買いが一巡すると徐々に売りが優勢となった。 10年債の入札結果が無難だったとはいえ証券会社の在庫確保や買い戻 し需要が中心で、投資家の積極的な買い需要は入っていなかったもよ う。週末にかけても米雇用統計の発表を控えて様子見姿勢が強まる公 算が大きく、株価動向など外部環境にらみの展開が見込まれていた。

10年債利回りは1.355%

現物市場で新発10年物の305回債利回りは、前日の終値より0.5ベ ーシスポイント(bp)低い1.345%で始まり、その後は昼過ぎまで同水 準での横ばい推移が続いた。しかし、午後に入るとやや水準を切り上げ る動きとなり、午後2時半前後からは0.5bp高の1.355%となった。

大和住銀投信投資顧問の横山氏は、10年債入札という需給面のイベ ントをこなしたとはいえ、引き続き株価動向などの影響を受けやすい地 合いが続くといい、「10年債利回りでみて1.3%台前半の水準を買い進 むほどの勢いはない」とみていた。

米雇用統計の見極めも

5日には米国で雇用統計発表を控えていることも、週末に向けて取 引手控えを予想する見方を強める一因となった。岡三証券の坂東明継シ ニアエコノミストは、305回債は2回続けてリオープン発行となっても ともと買いづらい銘柄だと指摘。10年債入札を波乱なく通過しても積極 的な買いが入らないのは、「米雇用統計の発表を控えているほか来週の 米国債の入札を見極めたいためだ」とみていた。

ブルームバーグ・ニュースの調査によると、1月の米雇用統計で非 農業部門雇用者数は前月比1万人増加が予想されており、昨年12月の同 8万5000人減少から改善すると見込まれている。

ただ、米国の雇用情勢が改善した場合でも、国内債券市場に及ぼす 影響は限定的といった指摘もあった。みずほ投信投資顧問の中村氏は、 米国の雇用情勢が改善していることは想定範囲内であり、非農業部門雇 用者数が10万人単位で増加しないかぎり影響は小さいと予想。その上で 「10年債利回りが1.3%台後半に切り上がったとしても、昨年11月以来 の水準ということで相応の需要が出てくる」との見方も示した。

--取材協力 池田祐美 Editors:Joji Mochida, Hidekiyo Sakihama

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 赤間信行 Nobuyuki Akama +81-3-3201-8842 akam@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net

Rocky Swift +81-3-3201-2078 or rswift5@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE