ポールソン前米財務長官:金融崩壊の瀬戸際から生還 (訂正)

ポールソン前米財務長官は、米経済 が第二の大恐慌に陥る瀬戸際まで行ったとし、政府は金融機関を救済 する以外の選択肢はなかったと振り返った。

同前長官は2日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューに 応じ、「信用市場が本質的に凍りつき、優良企業も資金を調達できない 時期があった。その時、われわれは瀬戸際にあることが分かった」と 述べた。

前長官は「失業率が25%になることも十分にあり得た。それは、 さらに数百万の職と数百万の住宅、数兆ドルの貯蓄が失われることを 意味した。ひどいことだっただろう」と語った。

回顧録「オン・ザ・ブリンク(原題)」を出版したばかりのポール ソン前長官は、ベアー・スターンズやアメリカン・インターナショナ ル・グループ(AIG)などの金融機関を救済したことへの批判は理 解できるとした上で、「この国の誰も、救済を好ましいとは思っていな い。わたしは強い嫌悪を感じたが、他の選択肢に比べればはるかにま しだった」と論じた。

タイミングも最悪

前長官は選挙を控えていたことが対応を難しくしたとして「信用 危機はこれ以上ないというほど悪いタイミングで起こった」と述べた。 議会は救済策を可決することを嫌がったと説明。「市場が凍りついたと き、悪影響が何週間も続くということは分かっていた。しかし、議員 の多くはまだ、自らの選挙区で影響を感じていなかった」という。

リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの破たん時は特に困難 な瞬間だったとして、「わたしのようにウォール街の金融機関を経営し たことがあれば、あのような形の破たんがどれほど大変なことか、そ して経済に何が起こるかが分かっただろう」と述べた。

ベアー・スターンズと異なりリーマンには買い手が現れなかった と説明。融資すれば取り付けに遭っている銀行に融資するようなもの だったとして、「本質的に、融資の対象となる事業がなかっただろう。 米連邦準備制度理事会(FRB)には融資する法的権限がなかった」 と述べた。リーマン破たんでは実の兄弟も職を失ったと語った。

ポールソン前長官は危機時にともに働いた当局者をたたえた。バ ーナンキFRB議長は「非常に頭のいい」偉大な経済学者だと賞賛。 当時ニューヨーク連銀総裁だったガイトナー現財務長官については 「優れた危機管理者、プレッシャーの下で冷静かつ沈着だった」と述 べた。財務長官としては「素晴らしい仕事をしている」と評価。「危機 に際しては不快な仕事もしなければならない。幾らかの批判も受ける」 とし、「起こらなかった災害を防いだことで評価されるのは難しい」と 論評した。

ベアー・スターンズを買収したJPモルガン・チェースのジェイ ミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)について、ガイトナー長官 の後継者に適任かとの質問には直接答えず、「ダイモン氏は逸材だ。し かし、今は優れた財務長官がいる」と語った。

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