国内市況:株式が上昇、長期金利3週間ぶり高水準-円は弱含み

日本株相場は上昇。海外商品市況の 反発を好感し、商社や石油、非鉄金属など資源関連株が買い戻された。 米国の経済指標で景気回復が示される中、米大規模リコール問題の対 応策を発表したトヨタ自動車を中心に輸出関連株も高い。

日経平均株価終値は前日比166円7銭(1.6%)高の1万371円9 銭。TOPIXは同14.21ポイント(1.6%)高の912.82。東証1部 の値上がり銘柄数は1072、値下がり464。

リスクマネーの動きが復活し、1日のニューヨーク商業取引所(N YMEX)では原油や金、銅先物が上昇。米国株は資源関連主導で主 要株価3指数が軒並み上げた。東京市場でも朝方から、商品市況反発 の好影響を受けるとして資源関連株に買いが先行、東証1部の業種別 33指数の上昇率上位には石油・石炭製品、卸売、鉱業、非鉄金属など が並んだ。

マネーフローの動向はなお波乱含みながら、ファンダメンタルズ は着実に回復している。米供給管理協会(ISM)が1日に発表した 1月の製造業景況指数は2004年8月以来、最も速いペースで拡大した。 米景気回復への期待が再燃する格好で、TOPIXの上昇寄与度上位 には輸送用機器、電気機器、機械、化学などが入った。

オバマ政権提唱の米金融規制案に対する警戒感から、世界的なリ スクマネーの収縮が警戒されてきたが、この日は投資家のリスク許容 度が回復、東京市場でも全般的に買い戻しが進んだ。きっかけの1つ とされたのが、1日付の英フィナンシャルタイムズ電子版の記事だ。

同紙は、ニュースサービス「ディールリポーター」の記事として、 オバマ政権の経済再生諮問会議議長を務めるボルカー氏の新金融規制 案が、上院で廃案もしくは大幅な変更になる可能性があると報道。米 新金融規制案は、銀行に対し自社の利益を追求する自己勘定トレーデ ィングの運営、ヘッジファンドへの投資を禁止するというものだ。

同規制案の具体的な内容は明らかにされておらず、米上院銀行委 員会が米国時間2日に開催する公聴会での、ボルカー議長の証言が注 目される。銀行経営の規模が規制されれば、ドル・キャリー取引(低 金利のドルで資金調達し、高金利資産に投資する動き)で世界を席け んするリスクマネーの収縮につながりかねない。このため、FT紙報 道をきっかけに、売り方の買い戻しが入った。

しかし、買い戻しが一巡すると、ボルカー議長の証言内容を見極 めるムードが強くなり、上値は次第に重くなった。

輸出、資源関連銘柄が買われたのとは対照的に、業種別では陸運、 食品、電気・ガス、医薬品などディフェンシブ株が相対的に安くなっ た。東証1部の業種別33指数は29業種が上昇、下落は4。

長期金利、3週間ぶり高水準

債券市場では、長期金利が3週間ぶりの高水準で推移した。株式 相場の上昇や10年利付国債入札への警戒感から売りが優勢となった。 もっとも、入札結果は市場の予想通りに無難な内容だったため、午後 の相場は下げ一服の展開となった。

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の305回債利回り は、前日比0.5ベーシスポイント(bp)高い1.335%で開始。その後 も水準を切り上げて午前10時半前後には2bp高い1.35%と、1月12 日以来の高い水準をつけた。その後は1.345-1.35%でもみ合ってい る。

前日の米株相場が上昇に転じたことを受けて、国内市場も株高を 通じて債券先物売りが優勢となり、現物市場でも10年債入札に向けた 持ち高調整をはじめ、中期から超長期ゾーンで満遍なく売りが広がっ た。

しかし、10年債利回りは結果発表後に1.3%台半ばで上昇が止ま っている。この日の10年利付国債(305回債、2月発行)の入札結果 について、市場ではおおむね無難な内容だったと評価された。

10年利付国債(305回債、2月発行)の入札結果は、最低落札価 格が99円55銭、平均落札価格は99円58銭となった。最低価格は市 場予想と一致したほか、最低と平均価格の差であるテールは前回債の 5銭から3銭に縮小。応札倍率は2.58倍から3.62倍に上昇した。

現物市場では5年債など中期ゾーンを売って、長期ゾーンを買う 入れ替え売買が入ったとの指摘もあった。5年物の87回債利回りは2 bp高の0.52%に上昇して、1月21日以来の高い水準をつけている。

日銀の金融緩和策が長期に及ぶとの観測から中期ゾーンの金利は 安定しているが、5年-10年間の利回り格差(スプレッド)は80bp 台で高止まって、利回り曲線上では10年債に割安感が広がっている。

東京先物市場の中心限月3月物は前日比9銭安い139円31銭で始 まり、その後は株価上昇を背景にじり安推移となった。午後に入ると 一時は37銭安の139円3銭をつけて、1月25日以来の安値圏に到達 したものの、その後は139円10銭台で下げ幅を縮小させており結局は 28銭安い139円12銭で取引を終えた。

内外市場で株式相場が上昇したことや、10年債入札での需給不安 が意識されていたほか、「ゆうちょ銀行による日本国債売りの思惑がき ょうの先物売りの一因にもなった」という。英紙フィナンシャル・タ イムズ(FT)は1日、亀井静香金融・郵政担当相がゆうちょ銀行の 資金運用先を米国債と社債にも広げるべきとの考えを明らかにしたと 報じている。

円弱含み

東京外国為替市場では円が弱含み。オーストラリアの金利据え置 きを受け、対オーストラリア・ドルを中心に買いが強まる場面も見ら れたが、日米株価の上昇を背景に低金利の円には売り圧力がかかりや すかった。

一方、市場ではギリシャの財政赤字問題など欧州の信用不安が根 強く、ユーロの上値も限られた。ユーロ・円相場は朝方に一時、1ユ ーロ=126円62銭までユーロが強含んだが、オーストラリアの政策金 利発表後には125円86銭までユーロが反落。その後は126円台前半で もみ合う展開となった。

RBAは2日の金融政策決定会合で、政策金利である翌日物オフ ィシャル・キャッシュレートを3.75%で据え置くことを決めた。景気 回復の強さとインフレ動向を見極めるため、4会合ぶりに変更なしと した。

ブルームバーグのエコノミスト調査では20人全員が0.25ポイン トの利上げを予想。先物トレーダーは利上げの可能性を74%と見込ん でいた。

予想外の決定を受け、外国為替市場では豪ドルが急落。対円では 1豪ドル=81円台前半から79円台後半まで下落し、対米ドルでは1 豪ドル=0.89ドル台前半から昨年12月23日以来の安値となる0.8782 ドルまで値を下げる場面が見られた。

一方、対豪ドルなどでの円買い、ドル買いが交錯し、ドル・円は 1ドル=90円台後半と前日のドル高値圏でもみ合う展開となった。

前日の海外市場では1月のISM(米供給管理協会)製造業景況 指数など予想を上回る経済指標などを好感し、米国株が上昇。オバマ 米大統領が提案した新金融規制案が上院で廃案もしくは大幅な変更に なる可能性があると一部で報道されたことも、投資家のリスク志向の 回復につながった。2日の東京株式相場は前日比1.6%高で取引を終 了。

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