ベルギーのKBC:日本の証券子会社売却へ、複数候補と交渉

ベルギーの銀行・保険最大手のKB Cグループは日本で証券業務を手掛ける子会社の売却を検討している。 事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。売却が実現すれば、日本の 証券業からの事実上の撤退となる。KBCはベルギー政府から公的資金 の注入を受けている。

KBCは売却の可能性をめぐり、現在複数の候補と交渉を進めてい るもようだ。売却対象となっているKBC証券(東京支店・港区)は99 年の開設。エクイティー・リサーチやトレーディング業務を行っており 従業員は09年3末現在約100人。07年、08年、09年の3月期決算は、 それぞれ17億円、32億円、19億円と3期連続の赤字だった。

日本証券業協会の1日の発表によれば、日本で勤務する証券会社の 従業員数は昨年12月末現在で6%減の9万3308人と過去7年で最大の 減少率を記録した。KBCは本国で13年までの公的資金返済を目指し て業務再編を進めている。KBCの広報担当者の安藤紀代美氏はコメン トを控えた。

東京の人材コンサルタント、エグゼクティブ・サーチ・パートナー ズの小溝勝信代表は、「これは外資系証券によるジャパン・パッシング だ」とし、外資が日本市場に魅力を感じていないと指摘。その上で「日 本の証券市場では商業銀行がリーダーシップをとりつつあり、外資系が ビジネスの拡大をするのは難しいだろう」と分析した。

買い手候補

小溝氏によれば、KBCの買い手候補として、メガバンクの証券子 会社や、日本でエクイティー・リサーチを拡大している一部外資系など があがっている可能性があるという。

三井住友フィナンシャルグループは昨年米シティグループから大 手の日興コーディアル証券を買収、大和証券グループ本社との投資銀行 業務における合弁を解消した。一方で、英バークレイズや米バンク・オ ブ・アメリカは委託手数料拡大と株式関連の投資銀行業務拡大に向け、 昨年来、日本で株式調査部門を拡大している。

米ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーなど外資系金融 機関8社は09年3月まで1年間に日本で全体の12%に当たる約1100人 の人員を削減。投資銀行業務手数料など減る中、人件費を圧縮する動き が広がっている。英金融大手HSBCは昨年までに日本の株式調査業務 から撤退、シティグループとUBSも同業務を縮小している。

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