日本国債、ギリシャ問題でのリスク回避は買い材料-パインブリッジ

パインブリッジ・インベストメンツ 債券運用本部の松川忠債券運用第二部長は、ギリシャの財政危機で世 界的にリスク回避の動きが強まり、ギリシャのほか、イタリアやスペ インなどの国債が売られたことに関して、「海外投資家の依存度が低い 日本国債にとってはむしろ買い材料になる」との見方を示した。

松川氏は1日のインタビューで、「ギリシャ国債は英国、ドイツ、 フランスなどの海外投資家に頼っている。一方、日本国債の95%を国 内投資家が買っており、日本はギリシャのようにはならない」と述べ た。また、昨年の日本国債保有比率で海外投資家が約5.8%にとどま っている上、国内の金融機関の貸し出し低迷で資金余剰となっている ことやデフレ傾向などを挙げ、「日本では、財政懸念で金利は上昇しな い」とみている。

パインブリッジ・インベストメンツは、世界32カ国に拠点を持ち、 上場株式、債券、ヘッジファンド、プライベート・エクイティ(PE) などの運用商品・サービスを提供する資産運用会社。運用総資産額は 880億ドルを超え、日本での運用資産は2009年9月30日時点で5兆 9128億円。昨年12月にAIGインベストメンツから社名を変更した。

ギリシャの財政赤字額は、対国内総生産(GDP)比で、欧州連 合(EU)が上限とする3%の4倍を超えており、財政に対する懸念 が金利上昇要因となっている。ギリシャ10年債利回りは1月28日に

7.16%まで上昇し、1999年10月以降で最高水準を付けた。

一方、昨年末以降、米国、ドイツ、日本の国債は買われており、 各国の国債間でスプレッド(利回り格差)は拡大している。欧州債市 場では、ドイツ10年債利回りが1日に一時、約1カ月半ぶりの低水準

3.17%まで下げた。日本の10年債利回りは1月29日に1.305%と今 年最低水準近辺に低下した。

長期的にユーロ安継続へ

松川氏は、ポルトガル、イタリア、ギリシャといった「PIGs 諸国」の財政が悪化していることに関して、「ユーロ圏は単一通貨の下 で、各国の財政・経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)が異な るという構造問題がある」と分析。「欧州連合(EU)が救済案を出し てギリシャを支援する可能性はある」ものの、増税、歳出削減などに より財政再建を行えば、景気の下押し要因となり、税収が減るため、 財政懸念が続くとの見方を示した。

最近のユーロ下落についても、「支援策を好感して投機筋の一時的 な買い戻しがあるかもしれない」としながらも、「長期的にユーロ安は 継続する」と予想している。EUは3日にギリシャの財政赤字削減計 画に関する報告と提言を公表する予定だ。

長期金利は1.1-1.7%か

今年の日本の長期金利については、1.1%から1.7%程度の推移を 予想する。財政危機を背景とした「質への逃避」が続くほか、海外か らの資金回帰(レパトリエーション)で円高が進めば、日本銀行によ る追加金融への憶測が強まり、2月に予想の下限(1.1%程度)を試す 可能性があるとみている。また月末に向けて債券インデックス(指数) 対比で保有債券の年限を長期化させる買いが見込めるほか、3月10 日前後に見込まれる先物限月交代に伴う買い戻しが入りやすく、需給 が良いことも指摘した。

しかし、3月決算期末に向けては、債券での利益ねん出の売りへ の警戒感から動きづらくなり、投資家は購入に慎重姿勢を強めるとみ ている。米銀大手バンク・オブ・アメリカ(BOA)グループ傘下の メリルリンチが算出した指数によると日本国債は今年に2.5%のリタ ーンとなっている。4-6月は長期金利が上昇傾向となり、6月末に は予想レンジの上限1.7%程度を試すとみている。

債券投資戦略について、松川氏は「利回り曲線上で先物と連動性 の高い7-8年ゾーンに妙味がある。5-7年ゾーンの利回りスプレ ッド(格差)が拡大しており、割高感はない」と説明した。

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