日銀の資金供給オペが大幅札割れ、需要減退で資金量の維持が困難に

日本銀行がこの日実施した資金供給 オペで、金融機関の応札額が通知額を大幅に下回る札割れが発生した。 昨年12月の追加緩和が浸透し、資金需要が減退しているためだ。日銀 は今後、想定した資金供給量を維持することが難しくなる可能性があ る。

供給手段の主軸である共通担保オペで、この日実施した本店分1 兆円(2月3日-10日)の応札が6020億円にとどまった。そのうち、 日銀が不採用としている0.10%未満の応札が4000億円あり、実際に 落札された金額は5分の1の2020億円になった。

共通担保オペが札割れになるのは昨年12月2日の緩和直後以来。 不採用分の応札額も含めて通知額を下回ったのは2008年10月31日の 利下げ時以来となる。落札金利はすべて下限0.10%。日銀は不採用と した応札が0.03%以下だったことを明らかにしている。

セントラル短資の金武審祐執行役員は、「量的緩和時のようにオペ の期間を長くしないと応札が集まりづらくなっており、資金需給の調 整には良くないことだ。需要に応じて当座預金残高を下げるしかない だろう」という。

当座預金14兆円前後まで減少も

同時に実施された本店オペ1兆円(2月3日-3月3日)には1 兆7920億円の応札が集まったが、応札倍率は2倍を下回った。午前の 国債買い現先オペ8000億円(2月4日-12日)の応札は1兆4640億 円。国内証券のディーラーは、レポ(現金担保付債券貸借)で安く調 達できるため、期間の短いオペは必要ないと話す。

日銀は昨年12月1日の追加緩和でターム物金利の低め誘導を打 ち出し、3カ月物の新型オペ10兆円(貸付利率0.1%)の供給を打ち 出した。すでに7.2兆円まで残高が積み上がっている。さらに当座預 金を15兆円前後で維持する緩和的な金融調節を継続していた。

国内大手銀行の資金担当者によると、オペが札割れしたことで、 3日の当座預金残高は14兆円前後まで落ち込む可能性があるという。 同日は国庫に法人税を納付する税揚げの資金不足日になるため、日銀 は通常より多い資金を供給する必要があったが、需要は限られた形だ。

共通担保オペでは、これまでも0.10%未満の応札が入っていたも よう。セントラル短資の金武氏は、「不採用になることを知らなかった 参加者がいる可能性がある」として、今後は応札が一段と減りそうだ。 国債の買い入れオペでは、落札利回り格差の応札になるため、日銀へ の売却利回りがプラス金利の下限0.001%になることもあった。

前週の市場では、5月のゴールデンウィークをまたぐ3カ月物の 共通担保オペでも落札金利が下限0.10%になっており、期間を長くし ても需要が徐々に減退してくる可能性がある。国内大手銀行の担当者 は、緩和の時間軸効果で仕方ないが、当座預金が12月1日の12兆円 を下回ると、緩和を強化したとは言えなくなるのではないかとも指摘 する。

東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは、資金供給オペの札 割れについて、「本来は市場の需要以上に資金供給を行っていると日銀 がアピールすべきもの」としながらも、「量的緩和策の拡大を主張する 人々からは、国債買い入れオペを増やすべきという意見が台頭してく るケースも考えられる」と警戒する。

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