日本株は輸出や資源中心に上昇、市況高や米統計好感-米要人証言注視

日本株相場は上昇。海外商品市況の 反発を好感し、商社や石油、非鉄金属など資源関連株が買い戻された。 米国の経済指標で景気回復が示される中、米大規模リコール問題の対応 策を発表したトヨタ自動車を中心に輸出関連株も高い。

日経平均株価の終値は前日比166円7銭(1.6%)高の1万371円 9銭。TOPIXは同14.21ポイント(1.6%)高の912.82。東証1部 の値上がり銘柄数は1072、値下がり464。

みずほ信託銀行の荻原健チーフストラテジストは「世界的に経済指 標を見ると、生産活動は強い状況が確認されており、株式相場にプラス に働いている」と指摘。ただ、中国が金融引き締めに動き出すなど、 「リスクに対する警戒感が出てきたため、相場は調整してきた。リスク を取れるのか、取れないのかで足元の相場は動いている」と言う。

リスクマネーの動きが復活し、1日のニューヨーク商業取引所(N YMEX)では原油や金、銅先物が上昇。米国株は資源関連主導で主要 株価3指数が軒並み上げた。東京市場でも朝方から、商品市況反発の好 影響を受ける資源関連株に買いが先行、東証1部の業種別33指数の上 昇率上位には石油・石炭製品、卸売、鉱業、非鉄金属などが並んだ。

マネーフローの動向はなお波乱含みながら、ファンダメンタルズは 着実に回復している。米供給管理協会(ISM)が1日に発表した1月 の製造業景況指数は2004年8月以来、最も速いペースで拡大した。米 景気回復への期待が再燃する格好で、TOPIXの上昇寄与度上位には 輸送用機器、電気機器、機械、化学などが入った。

個別では、トヨタ自動車が8営業日ぶりに大幅反発。同社は米国で のリコール問題の対応策を1日に発表、不透明感がまん延する最悪期は 脱したと受け止められた。しんきんアセットマネジメント投信の藤原直 樹投信グループ長は「中長期的に見れば、トヨタの高品質が再度認識さ れるだろう。株価は割安感が出ているため、リバウンドが狙える」と見 ている。

リスク志向回復のきっかけはFT紙報道

オバマ政権提唱の米金融規制案に対する警戒感から、世界的なリス クマネーの収縮が警戒されてきたが、この日は投資家のリスク許容度が 回復、東京市場でも全般的に買い戻しが進んだ。きっかけの1つとされ たのが、1日付の英フィナンシャルタイムズ電子版の記事だ。

同紙は、ニュースサービス「ディールリポーター」の記事として、 オバマ政権の経済再生諮問会議議長を務めるボルカー氏の新金融規制案 が、上院で廃案もしくは大幅な変更になる可能性があると報道。米新金 融規制案は、銀行に対し自社の利益を追求する自己勘定トレーディング の運営、ヘッジファンドへの投資を禁止するというものだ。

同規制案の具体的な内容は明らかにされておらず、米上院銀行委員 会が米国時間2日に開催する公聴会での、ボルカー議長の証言が注目さ れる。銀行経営の規模が規制されれば、ドル・キャリー取引(低金利の ドルで資金調達し、高金利資産に投資する動き)で世界を席けんするリ スクマネーの収縮につながりかねない。このため、FT紙報道をきっか けに、売り方の買い戻しが入った。

しかし買い戻しが一巡すると、ボルカー議長の証言内容を見極める ムードが強くなり、上値は次第に重くなった。三菱UFJ証券の藤戸則 弘投資情報部長は「医療改革に失敗したオバマ政権は中間選挙を控え、 撤回するわけにはいかないだろう」と指摘する。

輸出、資源関連株が買われたのとは対照的に、業種別では陸運、食 品、電気・ガス、医薬品などディフェンシブ株が相対的に安くなった。 東証1部の業種別33指数は29業種が上昇、下落は4。

DNAがストップ高

個別では、昨年10-12月期の連結営業利益が四半期ベースで過去 最高を記録したディー・エヌ・エーがストップ高。自動車向け製品の販 売が伸び、10年3月期業績が従来予想を上回る見通しとなったイーグ ル工業も大幅反発。10年3月期の連結純利益が従来予想を19億円上回 る見通しとなった日本曹達も急騰した。

ファクスなどの販売増から、10年3月期の連結業績予想を上方修 正したブラザー工業も大幅高。10年3月期の連結純利益が従来予想よ り56億円膨らむ見通しの三井金属が3日ぶりに急反発。

半面、ゲームソフト販売の下振れなどで10年3月期業績予想を減 額したコーエーテクモホールディングス、プリペイドカードシステムの 新規導入店舗数の減少で10年3月期業績の計画達成懸念が出たマース エンジニアリングが急落した。また、いちよし経済研究所が投資判断を 引き下げたKIMOTO、1月の受注高が落ち込んだ京都きもの友禅の 下げも目立った。

新興3市場は軒並み高

国内の新興3市場は軒並み上昇。ジャスダック指数は前日比0.7% 高の51.54、東証マザーズ指数は2%高の417.66、大証ヘラクレス指数 は1.4%高の574.44。個別では、650株を上限とする自社株買いを発表 したエイジアがストップ高。半面、中期計画の下方修正と配当予想を減 額したネクストが一時ストップ安。4-12月期の連結営業損益が黒字 予想から一転赤字になったもよう、と発表したネットインデックスは急 反落。

--取材協力:久保山 典枝Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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