長期金利3週間ぶり高水準に、株高警戒や入札見極め-午後下げ一服

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債券市場では、長期金利が3週間ぶ りの高水準で推移している。株式相場の上昇や10年利付国債入札への 警戒感から売りが優勢となった。もっとも、入札結果は市場の予想通 りに無難な内容だったため、午後の相場は下げ一服の展開となった。

トヨタアセットマネジメントの深代潤チーフファンドマネジャー は、10年債の入札結果公表前に相場の下振れが意識されるなど、市場 の地合いはやや悪化していると指摘。「入札自体は買い戻しの需要でこ なしたとはいえ、投資家の積極的な買いはうかがえない」ともいう。

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の305回債利回り は、前日比0.5ベーシスポイント(bp)高い1.335%で開始。その後 も水準を切り上げて午前10時半前後には2bp高い1.35%と、1月12 日以来の高い水準をつけた。午後は1.345-1.35%でもみ合っている。

前日の米株相場が上昇に転じたことを受けて、国内市場も株高を 通じて債券先物売りが優勢となり、現物市場でも10年債入札に向けた 持ち高調整をはじめ、中期から超長期ゾーンで満遍なく売りが広がっ た。

しかし、10年債利回りは結果発表後に1.3%台半ばで上昇が止ま った。みずほ証券の三浦哲也チーフマーケットアナリストは、前週は 株安でも債券買い意欲が盛り上がらなかったが、10年入札というイベ ントを無事に通過した点は評価しており、「今週の予想レンジの上限で ある1.35%程度で金利上昇が止まったのは想定範囲内だ」という。

10年債入札無難との評価

この日の10年利付国債(305回債、2月発行)の入札結果につい て、市場ではおおむね無難な内容だったと評価された。大和住銀投信 投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダーは、投資家サ イドからは地方金融機関以外にはそれほど需要が見られないとしなが らも、「きょうの午前までにショート(売り持ち高)ポジションを作っ た証券会社のカバー需要が幅広く入った」という。

みずほ証の三浦氏も、入札結果は相応に良かったのではないかと 指摘したうえで、「利回りが上がれば需要があることが確認でき、市場 が懸念するほど需給は悪くない印象だ」との見方も示した。

10年利付国債(305回債、2月発行)の入札結果は、最低落札価 格が99円55銭、平均落札価格は99円58銭となった。最低価格は市 場予想と一致したほか、最低と平均価格の差であるテールは前回債の 5銭から3銭に縮小。応札倍率は2.58倍から3.62倍に上昇した。

長期債への入れ替えも

現物市場では5年債など中期ゾーンを売って、長期ゾーンを買う 入れ替え売買が入ったとの指摘もあった。5年物の87回債利回りは2 bp高の0.52%に上昇して、1月21日以来の高い水準をつけている。

日銀の金融緩和策が長期に及ぶとの観測から中期ゾーンの金利は 安定しているが、5年-10年間の利回り格差(スプレッド)は80bp 台で高止まって、利回り曲線上では10年債に割安感が広がっている。 大和住銀投信の伊藤氏は、5年債利回りは0.5%割れで低下余地が乏 しい一方で、10年債利回りが1.35%の節目に上昇したこともあって、 「長期化の入れ替えが入りやすいタイミングだった」との見方を示し た。

トヨタアセットの深代氏は、今月半ばにかけて米雇用統計や日本 の実質国内総生産(GDP)の公表があり、投資家は積極的にポジシ ョンを取りにくいと指摘。一方、「金利水準が大きく振れるとは想定し づらいだけに、債券市場から資金が流出する展開も考えにくい中で、 中期から長期ゾーンへのシフトが一部であったかもしれない」とみて いた。

先物は4営業日続落

東京先物市場の中心限月3月物は前日比9銭安い139円31銭で始 まり、その後は株価上昇を背景にじり安推移となった。午後に入ると 一時は37銭安の139円3銭をつけて、1月25日以来の安値圏に到達 したものの、その後は139円10銭台で下げ幅を縮小させており結局は 28銭安い139円12銭で取引を終えた。

内外市場で株式相場が上昇したことや、10年債入札での需給不安 が意識されていたほか、大和住銀投信の伊藤氏は、「ゆうちょ銀行によ る日本国債売りの思惑がきょうの先物売りの一因にもなった」という。 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は1日、亀井静香金融・郵政 担当相がゆうちょ銀行の資金運用先を米国債と社債にも広げるべきと の考えを明らかにしたと報じている。

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