中央三井の奥野社長「過去の利益考慮を」-公的資金返済で国は柔軟に

【記者:谷口 崇子、フィンバー・フリン】

2月2日(ブルームバーグ):中央三井トラスト・ホールディング ス傘下の中央三井信託銀行の奥野順社長は、自己資本増強のため注入を 受けた公的資金について、国は過去の一部返済で生じた利益も考慮し、 条件を多少変更してでも残額の返済を受け入れるべきだと主張。早期完 済に向けた国側の柔軟な対応に期待感を示した。

中央三井THの公的資金残高は国が昨年8月に優先株を1株400円 で普通株式に一斉転換した2003億円(簿価)分。現在は国が30.2%を 保有する筆頭株主となっている。返済方法には中央三井が普通株を買い 戻すか、市場売却があるが、時価(約1560億円)が簿価を下回り損失 が発生するため、国との協議が進めにくい状況にある。

1日付で新社長に就任した奥野氏はブルームバーグ・ニュースとの インタビューで、「通算したら全然損失ではないのでは」と述べ、既返 済分で国が約1800億円の利益を確保している点を強調。返済を受け入 れる国の姿勢について、1回の手続きごとでなく、過去の返済状況も考 慮して総合的に判断する考え方もあると指摘した。

公的資金を完済すれば、金融庁への経営健全化計画の提出義務など がなくなり、経営の自由度が高まる。2011年4月に住友信託銀行との経 営統合を控え、奥野氏は「早期に返済したい」と強調した。りそなホー ルディングスの細谷英二会長も最近、公的資金優先株について、注入額 を上回る金額ならば、国は返済を受け入れるべきだと述べている。

日興アセットも活用へ

奥野社長は今後の事業展開について、従来方針を継続して住宅ロー ン、不動産関連業務などの比重を高めながら、統合をにらんで国際業務 なども開拓したい意向を表明した。具体的には、日本株に投資する海外 投資家への助言業務や年金の海外運用など、強みを持つ資産運用管理の 強化を想定しているという。

住友信託銀が買収した大手運用会社、日興アセットマネジメントの 積極活用にも意欲を見せ、「統合前の制約はあるができることはやって いく。当行の顧客ニーズに合った商品開発などが考えられる」と指摘し た。一方、住友信託との統合に関連して「規模だけでなく、サービスの 質も最強を目指す」と述べた。インタビューは1月21日に行った。

昨年11月の経営統合の発表によると、中央三井と住友信託は来年 4月をめどに設立する持ち株会社「三井住友トラスト・ホールディング ス」の傘下に信託銀行を収め、1年後に合併させる計画。単純合算の信 託財産は約120兆円と最大手の三菱UFJ信託銀行の約100兆円を抜い て、国内最大のメガ信託が誕生する。

--取材協力:河元 伸吾 Editor:Kazu Hirano Takashi Ueno

参考画面: 記事についての記者への問い合わせ先: 東京 谷口 崇子 Takako Taniguchi +81-3-3201-3048  ttaniguchi4@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651  yokubo1@bloomberg.net

Philip Lagerkranser +852-2977-6626   lagerkranser@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE