日航新社長:ネットワークキャリアとして再建-顧客への価値最大に

「あえて是非、私にやらせてくださ い」-会社更生法で再建中の日本航空の大西賢社長兼最高執行責任者 (COO)は、稲盛和夫会長から1月26日に社長就任要請があり、こ う答えたという。今後は稲盛会長と協力し、ネットワークキャリアと して日航再建を目指すと抱負を語った。

大西社長は1月31日にブルームバーグなどのインタビューに応 じ、どのような形態の航空会社を目指すのかについて、格安航空会社 (LCC)やアジア地域に特化したキャリアを目指すのでなく、「ネッ トワークキャリアであることが、お客様に対して最大の価値を感じて いただける」と強調した。

一方、リゾート市場などでは、フルサービスでなく、低コストの 運航形態の導入に向けて「何らかの手を打っていく必要は感じている」 と述べた。既発表の再建計画では、低コスト航空子会社を活用し、ネ ットワークを維持拡大する方向だ。

整備部門出身で初の役員となった大西社長は、日航再建について 「誰が引き受けても本当にできるのかとの迷いがあったと思う」と述 べた。社長抜てきの理由については「安全について体に染み込んでい る者がよいとの判断だと思う」とし、「そのような者がさらにその上の 経営についても考えろとの御下命と判断している」と語った。

大西社長は整備士の国家資格を有し、現場で安全運航に携わって きた。昨年6月には日航グループの日本エアコミューター社長に就任 したばかり。引責辞任した西松遥前日航社長からは「バックグラウン ドをしっかり生かし」日航再建にまい進してほしいと激励されたとい う。今後は機体整備などで培った安全運航のノウハウを生かし、会社 全体の再整備に取り取り組む。

自立できる体質へ

日航が苦境に陥ったことに関しては「経営の体質、社員自体の考 え方、民間会社としての考え方についてもっと敏感であるべきだった と思う」と分析。ここ数年はさまざまな改革に取り組んできたが、「改 革スピードに世の中が待ってくれなかった」と指摘。その上で、「経営 としてきっちり自立できる体質をつくり上げることが必要」と語った。

提携先選びで国際航空連合の選択については「個人で決めること でもない」とし、「会社として2月の中旬までには決めたい」との考え を示した。日航は現在、アメリカン航空率いるワンワールドに加盟。 スカイチーム中核の米デルタ航空はアメリカンと日航の争奪戦を繰り 広げている。

大西社長は財務体質強化がまず必要とし、策定中の再建計画を「着 実に実行することが大切だと理解している」と述べた。実現に向け、 「自立的に動ける集団であるべきだ」とし、「社員がやりがい、働きが いのある会社にするべきだ」との考えを示した。

労組とも連携強化

8つの労働組合が乱立していることも日航が苦境に陥った要因の 一つとの見方に対しては、コミュニケーションのとり方が大切とし、 「数が問題ではなく、組合構成員の方々に会社の説明を十分に理解し てもらえなかった部分があったと思う」と指摘。今後は理解が得られ るように連携を強めたいと語った。

路線の減廃などをめぐる地元対応に関しては、現状をしっかり説 明し、相手の意見も聞きながら協議していきたいとし、日航が「一方 的に決める話でもないと思う」と柔軟な姿勢を示した。

大西社長は、稲盛会長の印象について「鋭い、ぜい肉のない言葉 を発する」とし、「50年間、経営のトップを務めてこられた方のすご さを感じる」と語った。日航は1月29日、3人体制だった副社長を1 人とし、役員数を11人削減して31人とする役員人事を発表。役員は 2月8日以降に就任する予定としている。

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