ユーロ、主要準備通貨としての地位に陰り-中央銀行が購入ペース鈍化

中央銀行によるユーロ買いが鈍化す るなか、投資家は欧州から記録的なペースで資金を引き揚げており、 ドルに代わる世界の準備通貨としてのユーロの立場が脅かされている。

昨年は英銀バークレイズやイタリアのアレッティ・ジェスティエ レのアナリストらが中銀はドルの優位性を低下させると予想し、各国 はユーロを積み増した。しかし、ギリシャなど財政が苦しい一部の国々 がデフォルト(債務不履行)に陥るとの懸念から、ユーロ相場は昨年 11月25日以降8.4%安と、10カ月で最も速いペースで値下がりし ている。資産家ジョージ・ソロス氏は1月28日、ドルに代わる「魅 力的な代替通貨はない」と言い切った。

スイスの銀行UBSのストラテジスト、ジェフリー・ユー氏によ れば、欧州株を避けながら他地域の株式を購入する投資家の動きは過 去最長の19週連続となり、欧州市場からは差し引き130億ドル(約 1兆1740億円)の資金が流れ出した。また、先物のデータによると、 投資家は、2008年の金融危機で比較的安全と見なされたドルに逃避 した時期同様にユーロに弱気となっている。さらに国際通貨基金(I MF)のデータは、ユーロ購入を昨年4-6月期に過去最大に膨らま せた中銀がその後、買いのペースを落としている様子を示している。

VTBキャピタルのエコノミストで元英財務省当局者のニール・ マッキノン氏は「ユーロは一段と下げる可能性がある。ソブリン債リ スクが主要なテーマであり続けるだろう。ギリシャの財政状況が作り 出したストレスはそうすぐにはなくならない」と語る。

同氏はユーロが1ユーロ=1.20ドルに下落すると予想。時間枠 は示さなかった。ユーロが今年末に同水準で取引を終えれば、年間下 落率は16.2%となり、1999年の導入以来最悪となる。1月29日は 7カ月ぶり安値の1.3863ドルだった。

ギリシャ懸念に加え、ユーロ圏の成長率は米国や日本を下回り、 少なくとも向こう5年間は欧州の債務負担が危機前の水準には戻らな いとの見方もユーロやユーロ建て資産に重しとなっている。世界の主 要株価指数でダウ・ユーロ50種指数の年初来騰落率は最悪の部類で、 ドルベースで9.4%安と、下落率は米S&P500種株価指数の2.5倍 となっている。ブルームバーグ・ニュースがまとめたアナリスト予想中 央値によると、今年のユーロ圏成長率は1.2%の見込みで米国の

2.7%や日本の1.35%見通しを下回る。

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