TOPIX続落し900割れ、資源関連や東芝など業績悪化銘柄に売り

週明けの日本株相場はTOPIXが 続落し、終値で6週ぶりに900ポイントを割り込んだ。海外商品相場 の下落傾向が新興国の金融引き締めによる国際マネーフローの変調を 警戒させ、商社や非鉄金属など資源関連株が安い。国内企業の決算発 表が本格化する中、2010年3月期の連結売上高予想を下方修正した東 芝、日本ユニシスなども大きく下げた。

TOPIX終値は前週末比2.51ポイント(0.3%)安の898.61 と、 終値での900ポイント割れは昨年12月21日以来。一方、一部電機や 医薬品株などが押し上げた日経平均株価は同6円98銭(0.1%)高の 1万205円2銭。東証1部全体の6割が下げ、業種別33指数は21業 種が下落、12業種が上げた。

住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジストは、「金融引 締め懸念から、新興国が先進国の景気を引っ張るという期待がしづら くなってきている。心理的に悲観材料に目が向きやすい」と指摘。国 内企業の決算については、「外部の悲観材料を打ち消すだけのポジティ ブサプライズは見られなかった」と話している。

週明けの日本株相場は、軟調な展開だった。日経平均が小幅に上 昇する場面があったが、東証1部の値下がり銘柄数が1089と、全体の 6割が下落。TOPIXは、投資家の長期売買コストの200日移動平 均線を約2カ月ぶりに完全に下抜け、日経平均も昨年12月15日以来、 約1カ月半ぶりに中期的売買コストの75日移動平均線を割り込み、先 安観が漂っている。昨年来高値を付けた1月15日(1万982円)から 7%超下げた。

東海東京証券の鈴木誠一マーケットアナリストは、「肥大化した金 融の規制を警戒し、ドルキャリー取引の巻き戻しが起きており、原油 相場や新興国株や通貨などが下げている。日本株もそのあおりを受け ている」と指摘する。

グローバルマネーの変調

米オバマ大統領による新金融規制案の表明、中国の金融引き締め 強化を受け、グローバルマネーの変調が鮮明になっている。主要6通 貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のドル・インデ ックスは21日から前週末まで1.4%上昇し、昨年7月以来、約6カ月 ぶりの高値水準を回復。リスク資産からドルへの回帰が見える。

リスク資産の1つである原油相場の下落も顕著だ。ニューヨーク 原油相場の1月月間は8.2%安と、昨年7月以降で初めてのマイナス を記録、下げ幅は08年12月以降で最大だった。金相場も1.1%安と、 月間ベースでは2カ月連続安。前週末の原油や金相場はいずれも下げ た。

こうした株式市場を取り巻く環境の変化を受け、東証1部業種別 33指数の値下がり率上位には非鉄金属や卸売、石油・石炭製品、鉱業 などが並んだ。東海東京証の鈴木氏は、「今後の動向を見極める上で は、ドルの動きに注視しなくてはいけない」と話している。また、商 社やエネルギー関連株をめぐっては、ゴールドマン・サックス証券 が中国などアジア新興国の金融引き締め策を警戒する格好で、セク ターウエートを引き下げる材料もあった。

米上院銀行委員会は2日、新金融規制案について公聴会を開催、 ボルカー経済回復諮問会議議長が証言する予定だ。新金融規制案の内 容は明らかになっていないため、大和証券キャピタル・マーケッツ金 融証券研究所・投資戦略部の高橋和宏部長によると、「今週一番の注 目材料」という。証言の内容次第では、リスク資産から資金逃避が 加速する可能性がある。

東芝株が2カ月ぶり安値

国内企業の決算発表が本格化する中、悪材料を出した銘柄への売 りが止まらない。10年3月期の連結売上高予想を下方修正した東芝が 大幅安で、2カ月ぶり安値。4-12月期の連結営業利益は前年同期比 27%増を確保したが、通期予想を据え置いたタカラレーベンも急落。 IT投資の抑制が続き、10年3月期の連結営業利益予想を前期比56% 減の70億円に引き下げた日本ユニシスも急落した。

日立電線は午後急落、ディフェンシブは堅調

非鉄金属では、通期業績予想の据え置きが嫌気された住友電気工 業、午後に10年3月期の連結純損益予想を80億円の赤字(従来予想 30億円の赤字)に下方修正した日立電線が急落。前週末に業績減額を 発表した日本郵船を中心に海運株の下げも目立った。また、海外でリ コールが発覚したホンダを中心に輸送用機器株も売られた。トヨタ自 動車はこの日も下げ、昨年12月1日以来の安値。

半面、調剤薬局が順調で、4-12月期の連結営業利益が前年同期 比57%増となった日本調剤が大幅反発。半導体システム機器の急速な 収益改善を理由に、09年12月期業績が従来計画を上回る見通しとな った堀場製作所が急騰。業種では情報・通信や保険、食料品、医薬品 株など業績安定度の高いディフェンシブ銘柄が相対的に堅調だった。

新興3市場は軒並み下落

国内の新興3市場は軒並み下落。ジャスダック指数は前日比

0.7%安の51.17、東証マザーズ指数は同0.8%安の409.46、大証ヘラ クレス指数は同0.6%安の566.46。

個別では、10年3月期の業績予想と配当予想を下方修正したJC Lバイオアッセイがストップ安(値幅制限いっぱいの下落)比例配分。 ウォン安の影響などで、10年3月期の最終損益が黒字予想から一転し て赤字見込みとなったリアルビジョンが一時ストップ安。半面、グリ ー、スタートトゥデイ、ACCESSなどネット関連株の一角が軟調 だった。セブン銀行やそーせいグループ、タカラバイオは堅調。

--取材協力:久保山 典枝 Editor:Shintaro Inkyo, Tetsuzo Ushiroyama

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