トヨタ、米でメディア攻勢を計画-リコールで時価総額が1.9兆円減少

世界最大の自動車メーカー、トヨ タ自動車が自社最大のリコール(無料の回収・修理)問題の解決を図 る中、米国トヨタ自動車販売のジム・レンツ社長は2月1日、米NB Cテレビの「トゥデー・ショー」など複数の番組に出演する計画だ。

同計画が未公表であることを理由に同社関係者が匿名で明らかに したところによれば、レンツ社長はこのNBC番組に出演した後、他 の報道機関と電話会議を行う予定。同社長はブルームバーグテレビジ ョンにも出演する可能性がある。

米国民向けに同社がテレビで説明するのはこれが初めてとなる。 トヨタは1月31日付の米主要紙に生産停止などを説明する広告を掲 載。豊田章男社長は、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)の ため訪れていたスイスのダボスでNHKとのインタビューで、陳 謝した。しかしコメントはわずか75秒で、三菱自動車とパナソニッ クの幹部がリコールの際にマスコミの前で深々と頭を下げ遺憾の意を 表したのとは対照的だった。

ミズノ・クレジット・アドバイザリーの水野辰哉代表は「トヨタ は消費者をはじめ、当局、投資家、マスコミに対しても、事態の説明 と今後の対応を素早く説明すべきだ。不安心理が広がってしまってい るのが現状だ。トップがどう考えているのか全然見えてこない」と指 摘。「かつてのトヨタは先を見越して必要な手を打っていこうと努力 していたが、今は後手に回っている印象だ」と語った。

トヨタは面目を失った

トヨタの株価は先週14%下落と、週間ベースで2008年10月以 来最大の下げとなり、時価総額は1兆9000億円失われた。

IHSグローバル・インサイトのアナリスト、レベッカ・リンド ランド氏は、「これは問題だった。トヨタは消費者に対し、面目を失 った」と述べた上で、「今週、『トゥデー・ショー』に出演するのは 非常に良いことだが、先週ならばもっと良かっただろう」と指摘した。

トヨタは米国で230万台、欧州で少なくとも180万台、中国で は7万5600台をリコールする。そのほか、フランスの自動車メーカ ー、プジョーシトロエングループ(PSA)はトヨタと合弁生産した 9万台のリコールを実施する。トヨタはこのほか、フロアマットがア クセルペダルに引っ掛かる可能性がある問題でも535万台をリコー ルしている。

トヨタは1月31日付の米主要20紙に掲載した広告で、「われわ れは効果的な対策の発表に近付いていると思う」と表明した。米下院 の監視・政府改革委員会は今月の10日に、下院エネルギー・商業委 員会は同25日にそれぞれトヨタ問題に関する公聴会を開く予定。

当局、修繕案に異議唱えず

また匿名の米運輸省当局者によると、米政府は先週行われたトヨ タとの協議で、アクセルペダルの修繕案に異議を唱えなかった。リコ ールを監督する運輸省の道路交通安全局(NHTSA)は、特定の修 繕案を正式に承認はしていないという。

不具合が見つかったアクセルペダルをトヨタに供給した米インデ ィアナ州に拠点を置くCTSは、この部品はトヨタのスペックで製造 したもので、自社にはこの不具合の責任がないと認識していると表明 した。

アドバンストリサーチジャパンの遠藤功治マネージングディレク ターは、「トヨタはCTSから納品された部品のスペックなどを見た 上で車両に搭載していたので、今になってCTSの責任だと言うわけ にはいかないだろう」と述べた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE