今日の国内市況:株式は3日ぶり反発、債券小幅安-円は86円台前半

週明けの日本株相場は3営業日ぶ りに反発。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国への信用不安が 和らぎ、急激な円高が一服したことを好感した。過度の収益懸念の後退 でトヨタ自動車や東芝など輸出関連株中心に買い戻され、国内の政策期 待から不動産や銀行も急反発。東証1部の33業種はすべて上昇した。

日経平均株価の終値は前週末比264円3銭(2.9%)高の9345円55 銭。TOPIXは同28.93ポイント(3.6%)高の839.94。東証1部の 騰落銘柄状況は、値上がり1491に対し値下がり136と、全体の約9割 が上げた。

UAE中央銀行による銀行支援表明を受け、ドバイへの信用不安が 後退、急激な円高の流れが一服した。東京時間30日のドル・円相場は 1ドル=86円台で推移。米国の低金利継続観測やドバイの信用不安を きっかけに、前週末の東京市場では同84円83銭まで円が急伸し、1995 年7月以来の円高値を付けていた。

UAE中銀は29日、ドバイ政府系持ち株会社ドバイ・ワールドの デフォルト(債務不履行)の可能性に伴い、損失に直面するUAEの銀 行と国内の外銀を「支援する」と表明し、新しい融資制度の下で追加資 金の供給を実施すると発表した。

円相場は先週末から2円近くの円安水準となり、過度の円高懸念の 後退で電機や自動車、機械など輸出関連株に朝方から買いが先行。TO PIXの上昇寄与度上位には電気機器、輸送用機器、化学、機械などが 入った。東証1部の売買代金上位ではトヨタ自動車やホンダ、NEC、 東芝、コマツ、キヤノン、ソニーなどが軒並み高い。

政府や日本銀行による政策期待も支援要因となった。平野博文官房 長官は30日の会見で、鳩山由紀夫首相と日本銀行の白川方明総裁が 近々会談することを明らかにした。具体的な要請をすることが目的では ないとしたものの、日銀が量的緩和の判断をするかどうかも含めて意見 交換するという。東証1部33業種の値上がり率1、2位は不動産、銀 行だった。

不動産では、大和証券SMBCが投資判断を「1(買い)」継続と したアーネストワンのほか、新規に「2(強気)」とした飯田産業やタ クトホームの上げが目立った。同証の古島次郎アナリストは、「パワー ビルダーの株価は資産デフレ下でも成長できるビジネスモデルとしての 評価を充分に織り込んでいるとは言えない」(27日付リポート)と指 摘する。パワービルダーは、建売住宅を低価格で売る住宅会社。

個別では、三菱UFJ証券が投資判断を「市場平均並み」から「ア ウトパフォーム」にしたディー・エヌ・エーが年初来高値更新。従来よ り走行距離が2倍の電気自動車用リチウムイオン電池の開発にめどをつ けた、と29日付の日経新聞で報じられた日産自動車や、自動車の窓向 けに高機能樹脂を使った素材を実用化した、と30日付の同紙が伝えた 帝人が3日ぶりに反発。

もっとも、全体相場は買い戻しの域を脱しておらず、日経平均で 301円という前週末の下げ分を埋めるには至らなかった。30日付の毎日 新聞朝刊の報道によると、藤井裕久財務相は29日夜、ドバイ・ショッ クで急騰した円相場について「今の事態は静観しないといけない。介入 はあり得ない」と述べており、為替動向に引き続き目が話せない状況が 続いた。

午後の取引時間中に、ドバイ・ワールド傘下の不動産開発会社ナヒ ールが、一段の情報提供ができるまですべてのイスラム債の取引の一時 停止を求めたと伝わると、円相場は一時1ドル=86円4銭と円高方向 に振れ、株式相場の上値も重くした。ナヒールのイスラム債は、ドバイ 取引所に上場している。

新株発行で最大122億円を調達すると前週末に発表した宮崎銀行が 急落し年初来安値を更新。三菱電線工業はストップ安(値幅制限いっぱ いの下落)の69円。三菱マテリアルとの株式交換比率が、三菱線1株 に対して三菱マテ0.32株の割り当てとなり、三菱マテの27日終値201 円を基準にした理論株価64円を意識した売りが膨らんだ。

債券は小幅安、あす10年債入札

債券相場は小幅安(利回りは上昇)。前週までの急激な円高、株安 が一段落したことに加えて、あすの10年国債入札に向けた売りが優勢 となった。長期金利の指標である新発10年債利回りは3営業日ぶりに 上昇した。

現物債市場で新発10年物の303回債利回りは前週末比1ベーシス ポイント(bp)高い1.255%で取引を開始した。午前10時半過ぎには

1.5bp高い1.26%に水準を切り上げ、その後も同水準で推移した。

新発10年債利回りは前週末に1.245%に低下し、10月6日に記録 した今年度最低水準の1.24%に接近しており、金利水準の低さに対す る警戒感が出ていた。

あす12月1日に10年利付国債の入札が実施されることも相場の下 押し要因。今回の10年債入札において、表面利率(クーポン)は前回 債より0.1ポイント低い1.3%が予想されている。発行予定額は1000億 円増の2兆2000億円程度。

こうしたなか、白川方明日銀総裁は30日、名古屋市内で会見し、 量的緩和政策を求める声が一部で出ていることについて、「日銀は潤沢 に資金を供給しており、市場の安定に努めている。ただ、市場は生き物 であり、市場の安定確保のためどういう政策が一番良いか常に考えてい きたい」と語った。

東京先物市場の中心限月12月物は3営業日ぶりに小幅ながら下げ た。前週末比変わらずの139円82銭で始まった後、すぐに2銭高の139 円84銭まで上昇した。しかし、反発して始まった日経平均が上げ幅を 拡大させると売りが優勢となり、一時は18銭安の139円64銭まで下げ た。その後は139円70銭台を中心に推移して、結局は8銭安の139円 74銭で終了した。

政府の追加経済対策を見極めようとして、積極的な取引は控えられ た。先物12月物の日中売買高は2兆361億円程度にとどまり、24日以 来の低水準となった。共同通信によると、菅直人副総理兼国家戦略担当 相はこの日、2次補正予算の規模について急激な円高や株安への対策の ため、1次補正を凍結して捻出(ねんしゅつ)した2.7兆円を超えると の見通しを示した。

円が上昇、対ドルで86円台前半

東京外国為替市場ではドルが軟調に推移した。アラブ首長国連邦 (UAE)中央銀行による銀行支援表明を受け、ドバイの信用不安拡大 に対する過度の懸念が和らいだことが背景にある。

ユーロ・ドル相場は一時、1ユーロ=1.5084ドルまでドルが下落。 朝方には1.5000ドルを割り込む場面も見られたが、その後はユーロ買 い・ドル売りが優勢となった。

一方、円は午後に入りドバイ関連のニュースを受けて対ドルで86 円4銭まで一時上昇する場面があった。債務繰り延べを先週要請したア ラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国の政府系持ち株会社ドバイ・ワ ールド傘下の不動産開発会社がイスラム債の売買停止を求めたとの報道 がきっかけとなった。

また、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は同日、事 情に詳しい複数の関係者の話として、UAE中銀が国内金融機関を保護 するため、ドバイ・ワールドの債務を保証する方針を30日の市場の取 引が始まる前に発表する公算が大きいと報じた。

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