米天然ガス相場:供給過剰で下落か、投機家の思惑外れる可能性も

米国に今月、カタールから大量の 天然ガスが到着した。これは、バークレイズ・キャピタルやPFCエ ナジーにとって、ガスのリターン(投資収益率)が2010年も回復しな いことを示唆していた。ガスは商品相場で今年、最もリターンが低く なっている。

このカタールの液化天然ガス(LNG)タンカーが同国産のガス を米国向けに出荷したのは08年6月以来。今回到着したガスの量は約 900万世帯の1日当たりの消費量に相当する。米エネルギー省(DO E)のデータによると、これだけの規模のガス在庫の増加はこの時期 としては少なくとも1994年以来となる。

米国天然ガス・ファンドへの投資額は過去最高の約42億ドル(約 3600億円)に上り、投資家が保有するガスのコール・オプション(購 入する権利)の建玉(未決済残高)はプット・オプション(売却する 権利)を51%上回っている。ガス供給の増加はこれらの投資を脅かし ている。

国際エネルギー機関(IEA)は、カタールのエネルギー相が示 唆したガスの供給過剰は2012年まで続く可能性があるとの見通しを 示している。業界コンサルタント会社ショーク・グループは、米国の ガス先物相場の平均が来年51%上昇し100万BTU(英国熱量単位) 当たり6.09ドルになるとの米金融機関の予想は高過ぎるとみている。

ショーク・グループのスティーブン・ショーク社長はペンシルベ ニア州ビラノバからのインタビューで「米国のガス在庫はわれわれが 認識している量より多い。世界各地の海上には行き場のないガスが多 く存在する」と指摘。今年の冬季のガス価格は100万BTU当たり「7 ドルに上昇するのではなく4ドル近辺にとどまるだろう」との見方を 示す。

DOEの10日の発表によると、米国のLNG輸入は今年、34%増 の約4700億立方フィートとなり、来年にはさらに40%増加する見通 し。米投資会社サンフォード・C・バーンスティーンの23日のリポー トによると、カタールやペルーなどでの新規プロジェクトの生産拡大 により、世界のLNG供給は来年、2年連続で需要を上回ると予想さ れている。

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