ガイトナー信認で2年債入札金利は過去最低-債務拡大でも

ガイトナー米財務長官が共和党 議員からの退任要求を拒否した4日後の23日、2年物国債入札の最 高落札利回りは過去最低の0.802%を記録した。同長官の政策に対す る信認の強さが裏付けられた格好だ。

ブルームバーグの集計によると、米国の公的債務残高は年初か ら10月までに1兆1500億ドル増加して6兆9500億ドルに達したが、 ガイトナー長官の元で昨年度(2008年10月-09年9月)の利払い 費用は前年比15%減と、少なくとも1989年以来の大幅なマイナスに とどまった。

2年債入札に対する投資家の旺盛な需要は、ガイトナー長官 (48)の成長促進策と資金調達戦略はバランスが取れていると市場が 判断していることの表れだ。

ブルームバーグがアナリスト63人を対象にまとめた予想中央値 によると、2010年の米成長率は2.6%と、02-07年の平均 (2.63%)とほぼ同水準になる可能性が高い。米政府と連邦準備制 度理事会(FRB)が金融システムを支えるため、信用危機が始まっ て以降これまでにほぼ12兆ドルを融資・拠出・保証したことが背景 にある。

大和證券投資信託委託で770億ドルの資産を運用する小宮力氏 は、批判も多かったがガイトナー長官は素晴らしい仕事を成し遂げて きたと評価。さらに、長官は金融市場に安定をもたらしたので、安全 性と流動性を考慮すれば米国債に投資せざるを得なくなると指摘した。 小宮氏は同社で米国債にも投資している。

低下する金利

先週、10年債(表面利率3.375%、2019年11月償還)の利回 りは、前週末に比べ16ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 低下の3.21%となった。残存期間10年の国債の1969年以降の平均 (7.31%)の半分以下。昨年度の財政赤字が初めて1兆ドルを超え たにもかかわらず、金利は低水準にとどまっている。

スノー財務長官時代の2004年度、財政赤字は4128億ドルと、 年間ベースで01-05年度の最高を記録。10年債利回りは平均

4.26%に達していた。1991-2000年度にベンツェン長官の元で赤字 がピークの2904億ドルに達した92年度は7%となっていた。

ガイトナー長官の就任当時、米経済は戦後初となった世界規模 のリセッション(景気後退)や、前任のポールソン長官の元で07年 に始まったサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)危 機に伴う金融市場の逼迫(ひっぱく)に直面していた。ガイトナー長 官はこうした米経済を引き継いだ。

「均衡のとれた持続可能な成長」

ガイトナー長官は9月5日、20カ国・地域(G20)財務相・中 央銀行総裁会議の終了後の声明で、「われわれは国内そして国際的に、 より均衡のとれた持続可能な成長のための礎を築かなければならな い」との考えを表明した。

ブルームバーグのデータによると、米企業の社債発行額は、低 金利を追い風に計1兆1780億ドルと、過去最高に達している。FR Bの調査によると、7-9月期には、四半期成長率が約1年ぶりにプ ラスに転じたのを受け、融資基準を厳格化した銀行が減少した。S& P500種株価指数は、年初来安値を記録した3月からこれまでに 64%上昇している。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数による と、米国債の1-6月(上期)の投資リターン(利子の再投資分を含 む)は、上期としては少なくとも1978年以降で最悪だったが、6月 以降はこれまで3.4%となっており、年初来リターンはマイナス

1.2%に持ち直している。

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