10月鉱工業生産は8カ月連続増-予想下回る前月比0.5%上昇

10月の日本の鉱工業生産指数は、 一般機械や金属製品などが寄与し、前月比で8カ月連続上昇した。上 昇幅は予想を下回り、3月以降の上昇で最も低かった。12月までは輸 出の回復や経済対策の効果で企業の生産活動は持ち直しが続く見通し。

経済産業省が30日発表した10月の鉱工業指数速報(季節調整済 み、2005年=100)によると、生産指数は前月比0.5%上昇し、86.1 と なった。前年同月比では15.1%低下と、1年1カ月連続のマイナス。 経済産業省は生産の基調について「持ち直しの動きで推移している」 とし、前月の判断を据え置いた。

マネックス証券の村上尚己チーフエコノミストは「単月だが、生 産の勢いが衰えた一つの理由は、企業が先行きの需要動向に慎重で、 在庫水準を低く抑え続けていること」とする一方、「生産の回復基調が 崩れているわけではない」と述べ、需要下振れなどから生産計画を下 方修正している兆候は見られていないとしている。

中国などアジア向けを中心とした輸出の回復や内外での景気刺激 策の効果もあり、生産活動は回復傾向が続いている。前月比で8カ月 連続の上昇は1996年4月から97年3月までの12カ月間に次ぐ長さ。 ただし、経済対策効果の息切れなどにより、先行きは増加ペースが鈍 化する可能性がある上、足元の急激な円高が定着すれば、輸出の鈍化 を通じて生産の抑制要因になりかねない。

三井住友アセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストは 「足元ではまだ生産水準は低レベルだが、ようやく前回の谷(2001年 11月の87.0)の水準近くには来ている」と指摘、「目先、急激な円高 の影響などがどう出るか注視する必要がある局面だろう」としている。

生産予測指数は11月、12月ともプラス

ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査では、生産指数の 予想中央値は前月比2.5%上昇、前年同月比は13.4%低下だった。出 荷指数は前月比1.3%上昇し、在庫指数は同1.5%低下した。

同省が同時に公表した製造工業生産予測指数によると、11月は 前月比3.3%上昇、12月は同1.0%上昇となった。同省調査統計部の 志村勝也経済解析室長は記者説明で、11月、12月の予測指数がそのま ま実現した場合、10-12月期の生産指数は88.3と前期比5.0%の増加 になるとの試算を示した。志村氏は、エコカー・エコポイントは「引 き続き効果が出ている」と述べ、生産を下支えしているとの見方を示 した。

生産は16業種中9業種が上昇

10月の生産で上昇した業種は、16業種中9業種。生産の上昇に最 も寄与した業種は一般機械で、台湾、韓国向けの半導体製造装置が伸 びたほか、国内外向けに蒸気タービンなどが伸びた。また、金属製品 では国内の橋りょう、情報通信機械は国内向け携帯電話、国内外向け ノート型パソコンの生産が増加した。一方、輸送機械は前月比で横ば いとなったが、内訳をみると、普通乗用車は前月比3.2%減少、小型 乗用車は同2.8%増加した。

農林中金総合研究所の南武志主任研究員は、生産の持ち直しは「堅 調な新興国向けの輸出や耐久消費財に対する刺激策による面は否定で きず、自律的な民間最終需要の動きはあまり強くはない」と指摘。さ らに「自動車増産の波及効果も一巡しつつあり、曲がりなりにも景気 を下支えしてきた公共事業の執行停止の影響も今後出てくる可能性が 高く、先行きの不透明感は根強い」とみている。

生産と関連が深いとみられる10月期の輸出数量は、世界経済の回 復を反映して増加基調が続いている。10月の貿易統計確報を基に、 内 閣府が独自に試算した輸出数量(季節調整済み)は前月比9.2%増加 した。内訳は対米が同1.7%増、対欧州が同8.2%増、対アジアが同

4.2%増となった。

2009年7-9月期の中国の国内総生産(GDP)は前年同期比

8.9%増加し、1年ぶりの高い伸びとなった。一方、同期の米国の実質 GDP改定値は前期比年率2.8%増加と、速報値の3.5%増から下方修 正されたが、5期ぶりのプラス成長に復帰している。

世界最大の自動車メーカー、トヨタ自動車によると、同社の10 月 の世界生産台数は15カ月ぶりに前年を上回り、同月の生産台数が前 年同月比1.4%増の70万台9904台となった。

--取材協力Mayumi Otsuma, Minh Bui, Sachiko Ishikawa,萩原ゆき Editor:HitoshiOzawa,Masaru Aoki,Takeshi Awaji

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