11月27日の米国マーケットサマリー:株下落、ドバイ債務問題を懸念

ニューヨークの為替・株式・ 債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.4964 1.5019 ドル/円 86.58 86.59 ユーロ/円 129.54 130.03

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 10,309.92 -154.48 -1.5% S&P500種 1,084.27 -26.36 -2.4% ナスダック総合指数 2,138.44 -37.61 -1.7%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .68% -.06 米国債10年物 3.21% -.06 米国債30年物 4.20% -.04

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金(ドル/オンス) 1,175.50 -13.10 -1.10% 原油先物 (ドル/バレル) 76.05 -1.91 -2.45%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場はドルが大半の主要通貨に対して上昇。 ドバイが債務返済の繰り延べを要請したことを受け、ドル・キャリー 取引(ドルを借り入れ高利回り資産に投資する取引)の解消が進んだ。

円は対ドルで一時14年ぶり高値を付けたが、その後値下がり。 藤井裕久財務相が、欧米諸国の通貨当局と連絡を取り為替に関する共 同声明を出すことも含めて臨機応変に対応すると述べたことを受け、 日本が為替介入に動くとの観測が広がった。共同通信は27日、日銀 が同日の東京外国為替市場で、金融機関の市場担当者に為替取引の水 準などを聞く「レートチェック」を実施したことが市場関係者の話し で分かったと報じた。円高が進む市場への口先介入との見方もあると 共同は伝えている。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS) の為替ストラテジスト、ポール・ロブソン氏は「市場はドバイ問題の 影響を過小評価したようだ。短期ポジションの手じまいを急ぐ動きが 見られる」と指摘。「われわれはドルの状況が良くなっていると考え てはいるが、このリスク資産の売りは行き過ぎだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後1時半現在、ユーロはドルに対し1ユーロ =1.4956ドル。前日は1.5019ドル、前週末は1.4862ドルだっ た。円は対ドルで前日比0.2%安の1ドル=86円77銭。一時84円 83銭と、1995年7月以来の高値を付ける場面もあった。ユーロに対 しては1ユーロ=129円76銭(前日は128円85銭)。一時126 円91銭と、4月29日の高値を付けた。

◎米国株式市場

米株式相場は下落。アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国で の債務返済問題が嫌気された。前日の米株式市場は感謝祭の休日で休 場、この日は午後1時までの短縮取引だった。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)やJPモルガン・チェース は下落。前日は金融株を中心に売りが広がり、MSCI世界指数が 下落した。石油のエクソンモービルも安い。原油相場の値下がりが 売り材料だった。

ただロッチデール・セキュリティーズのアナリスト、リチャー ド・ボーブ氏は米国の金融機関によるドバイへの投融資は「最小 限」にとどまっていると述べたことから、米国株は下げ幅を縮小し た。

S&P500種株価指数は前営業日比2.1%安の1087.27。取引 開始後の15分では一時2.4%安まで売り込まれる場面もあった。ダ ウ工業株30種平均は154.48ドル(1.5%)下げて10309.92ド ルだった。MSCI世界指数は1%安。

フィフス・サード・アセット・マネジメントでチーフ投資責任 者として180億ドルの運用に携わるキース・ワーツ氏は、ドバイの債 務返済遅延要請について、「昨年の恐ろしい出来事を思い起こさせる。 われわれがまだ完全に危機を脱したわけではないことを思い知らされ た」と語った。

◎米国債市場

米国債市場では2年債が上昇。利回りは11カ月ぶりの水準に低 下した。ドバイが債務返済の延期を要請したため、株式と高利回り資 産が売りを浴びた前日の海外市場を受けて買い優勢で始まった。26 日の米国債市場は感謝祭のため休場だった。

円が対ドルで14年ぶりの高値を付けたため、日本の通貨当局が 為替市場で円売り・ドル買い介入に踏み切るとの憶測が強まり、介入 資金が米国債に流れるとの思惑につながった。10年債は週間ベース では3週連続で上昇。エコノミストは米連邦公開市場委員会(FOM C)が来年7―9月(第3四半期)まで事実上のゼロ金利政策を維持 するとみている。2年債と10年債の利回りは今月に入って最大の低 下となった。

フェデレーテッド・インベストメント・マネジメントの国債・M BS担当共同責任者、ドナルド・エレンバーガー氏は「ソブリン債が 債務不履行に陥る可能性があることは非常に重大だ。リスク資産を売 却する場合、再び資金を振り分けるまで、一時的に資金が米国債市場 にとどまる」と指摘した。

BGキャンター・マーケット・データによると、2年債利回りは ニューヨーク時間午後2時18分現在、前日比7ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の0.68%。一時は0.61%と、昨年 12月17日以来の低水準を付けた。2年債(表面利回り0.75%、償 還2011年11月)価格は1/8上昇の100 1/8。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は下落。ドルの上昇を受け、代替投資先 としての金の需要が後退した。

主要6通貨のバスケットに対するICEのドル指数は反発。ドバ イ首長国の政府系投資持ち株会社ドバイ・ワールドが債務の返済繰り 延べを債権者に要請したことが背景。この日は金以外の貴金属も下げ た。26日には金の現物相場は過去最高値に達した一方、ドルは1年 半ぶり安値まで下げていた。

スイスの金精錬業者、MKSファイナンスのチーフトレーダー、 バーナード・シン氏(ジュネーブ在勤)は、「市場はドバイ情勢に左 右されている。ドルの反発は金の下落につながる可能性が高い。投資 家は利益確定の金売りに動いている」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物2月限は前日比13.10ドル(1.1%)安の1オンス=1175.50 ドルで取引を終了した。金は前日までの9営業日で続伸し、過去27 年で最長の上げを記録していた。11月に値下がりしたのはわずか2 営業日。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は下落。アラブ首長国連邦(UAE)ドバ イ首長国での債務返済問題を背景にドルが上昇、投資家は商品に売り を出した。

この日の原油は2.5%下落。ドルが上昇し、代替投資としての 原油の魅力が薄れたほか株式下落も売り材料だった。政府系投資持ち 株会社ドバイ・ワールドは債務について支払い繰り延べを債権者に 求めた。同社は590億ドルの債務を抱えている。

ドイツ銀行のエネルギー担当主任エコノミスト、アダム・シミ ンスキー氏(ワシントンDC在勤)は「ドバイ情勢で景気回復への 懸念が再燃した。景気回復の強さは原油需要と価格に直接影響を及 ぼす」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物1月限は前 営業日比1.91ドル安の1バレル=76.05ドルで終了した。前日の 原油先物取引は米感謝祭の休日につき通常取引は行われなかった。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net Editor: Yoshito Okubo 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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