デフレ放置は臨界点の市場メッセージ、日本株下落で大和総研の東氏

大和総研の東英治専務は27日、 円高進行ペースの加速などの影響で下落した日本株相場について、 「デフレを放置することが臨界点に達してきたという市場のメッセー ジだ」と強調、政策当局に速やかなデフレ対応策の発動を求めた。

東氏は、対ドルでの円高のスピードはきつく、企業業績への影響 はあるとしながらも、「実質実効レートから考えると、日本のすべて の製造業の競争力がそがれるというほどのものではない」と指摘。む しろ、「日本株にとって最大の問題はデフレ。いまの円高を考えると、 デフレ要素はさらに強まりかねない」との認識を示した。

同氏によると、日本の名目国内総生産(GDP)とTOPIXと は過去60年間、おおむねピークとボトムが4倍の範囲で収まってき た。このレンジを下振れたのは2003年春と今春の2回だったが、足 元でも7-9月の名目GDPで試算したTOPIXの水準841ポイ ントを下回ってきている。「過去の経験則から判断し、この水準から 下値は買い場の領域に入ってくる。今回このレンジを割ってきたこと は、デフレを放置することが臨界点に達してきたという市場のメッセ ージだ」と東氏は言う。

名目GDPは7-9月期もマイナスで、日本のGDPは1995年 度と昨年度がほぼ横ばい水準。この間に実質成長率が13%だったこ とから、毎年1%ずつデフレだったというのが東氏によるとこの10 数年間の総括だ。

「これでは株価は上がらない。最初にやるべきことはデフレの脱 却で、失業対策のための財政出動は必要だろう。政府によるデフレ宣 言に対し、日銀は冷淡な反応を示した。効果がないとして何も行わな いと、デフレを是認してしまう」と東氏は述べた上で、「本当に何も しなくていいのかという議論が出てくるようになると、マーケットは 相当変わるだろう」と予想する。

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