輸出企業:円高続けば業績に影響、「がけっぷち」に介入求める声も

円の対ドル相場が14年ぶりの高水 準に達する中、輸出企業からは円高がこのまま進めば、業績にも響くと の懸念が出ている。27日の円相場は一時1ドル=84円83銭と、各社が 想定している水準(約85円―90円)を突破した。

トヨタ自動車、ソニー、シャープの下半期(2009年10月-10年3 月)想定レートは1ドル90円前後。大和総研は9月調査で、電機・精 密44社の年間営業利益合計が1円の対ドル円高で318億円減ると試算 している。

日本経団連の御手洗冨士夫会長は27日朝、急激な円高について都内 で記者団に対し「緊急な経済対策というものを政府に要求せざるを得な い」とし、政府にあらゆる方策を求める意向を示した。発言は同日、N HKが放映した。

同氏は今のような「急激な円高、株安が続けば、新たな景気の押し 下げもあり得る。がけっぷちに立っている」と述べた。経団連広報担当 の幕内浩氏が明らかにした。

大和住銀投信投資顧問の小川耕一チーフ・ポートフォリオ・マネジ ャーも「円の独歩高になっており、輸出企業にとってはネガティブ」 「このまま円高が進めば業績の下方修正になるかもしれない」と指摘 し、「介入が必要だろう」とコメントした。

円高続けば影響

トヨタの広報担当者、加賀悠太氏は27日午前、現水準の円・ドル 相場が続いた場合は、業績への「下押し要因になる」と語った。三菱自 動車の広報担当、地引繁氏も「円高に拍車が掛かった場合、業績への影 響は避けられない」と述べ、ソニー広報担当の今田真実氏も「円高が長 期化すれば影響は出てくるかもしれない」としている。

「新聞を見るのもいやになった」-。パナソニックの大坪文雄社長 は26日夕に総務省内で開かれた公開討論の席で、為替動向についてこ う漏らした。海外市場で日本のメーカーは韓国勢に「相当なリードを許 してしまっている」状況だが、背景には「ウォン安と円高で大変な差」 が付いている事情があるからだ。

為替の影響は限定的とする企業の声も多い。パナソニックの広報担 当者、門田晃氏は「3カ月ごとに為替先物予約を設定しており、仮に年 内85円が続いても影響はない」と説明。シャープの広報担当者、中山 みゆき氏も「為替予約を設定しており、影響は軽微」と述べている。

ホンダ広報担当の安藤明美氏も10-12月期の為替予約をほぼ終え ていることを明らかにした。安藤氏と日産自動車の米川満氏によると、 両社とも下半期のレートを現在の相場水準に近い同85円に設定してい るという。

大和住銀投信投資顧問の小川氏はこうした点について、各社の「米 国での売り上げは以前より減っており、円高のダメージは昔よりは少な い」と指摘した。

--取材協力 安真理子、白木真紀、小松 哲也、上野きより、Jason Clenfield  林純子 Maki Kitamura   Editor:Chiaki Mochizuki Joji Mochida

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