鉄鋼株急落し下落率1位、収益変動リスクを警戒-原料値決めと円高

鉄鋼株が急落。豪英系資源大手B HPビリトンが日本の鉄鋼大手に対し、原料用石炭の値決めを市場連 動方式に切り替えるよう要請したと一部で報じられ、業績変動リスク の高まりが警戒された。円高進展も収益押し下げ要因としてマイナス に働いている。

粗鋼生産国内2位のJFEホールディングスの株価が前日比

5.6%安の2770円まで下げたほか、新日本製鉄は4.3%安の309円を 付けた。午前10時22分現在、鉄鋼指数は東証業種別33指数で下落率 1位。

27日付の日本経済新聞朝刊は、BHPビリトンが資源価格の上昇 を転嫁しやすくするため、原料炭の値決めを現行の年1回の交渉から 中国のスポット価格など市場に連動する方式に切り替えるよう要請し たと報じた。2010年度からの移行を目指すという。

野村証券の松本裕司アナリストは投資家向けメモで、報道が事実 だとすればと断ったうえで、BHPの中国やインドなどへの販売構成 比が急速に上昇し、「販売の選択肢が広がっていることから、交渉力が 増している点が背景として考えられる」と分析。日本の鉄鋼メーカー にとって原料炭分野でのBHPの影響力は鉄鉱石に比べると大きいと し、報道通りとなれば「収益が変動するリスクは大きくなる」と指摘 した。

JFEHD傘下のJFEスチールの広報室はブルームバーグ・ニ ュースの電話取材に対し、報道された要請は正式には受けていないと 述べている。

円高もマイナス要因に

また外国為替市場では、米国の金融緩和長期化観測や中東の信用 不安から投資家のリスク回避の動きが強まり、円が独歩高となってい る。午前はドル・円相場で1ドル=84円台に突入し、円高による採算 悪化懸念も株価の押し下げ要因となっている。

鉄鋼株の中で、JFEHDの下落率が最大となっている。東海東 京調査センターの高野芳行アナリストは「鉄鋼大手の中でも輸出比率 の高さから特にJFEHDは円高の影響を受けやすく、ほかの企業よ りもネガティブに捉えられやすい」とみていた。

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