日経平均急落し二番底迫る、ドバイリスクに本格反応-中東関連崩れ

東京株式相場は大幅続落し、日経 平均株価が二番底を形成した7月13日の安値(9050円)に接近した。 ドバイ首長国の資金繰り懸念が浮上したことを受け、大成建設や近畿 車両、コマツなど中東関連銘柄が総じて売られ、為替市場での円高加 速を背景にホンダやファナックなど輸出関連株も安い。

日経平均株価の終値は前日比301円72銭(3.2%)安の9081円 52銭。下落率は3月30日(4.5%)以来、およそ8カ月ぶりの大きさ。 TOPIXは同18.55ポイント(2.2%)安の811.01。両指数ともこ の日の安値圏で終えた。

みずほ投信投資顧問の荒野浩理事は、ドバイ政府系企業の債務返 済延期が決まれば、「中東とのつながりが強い欧州経済への打撃は大き く、再び世界的な金融混乱に陥る可能性も低くない」と指摘。国際通 貨基金(IMF)などの支援機関は、リーマン・ショック時に多額の 資金を供出したこともあり、「財政に余裕がなくなっており、中東への 資金支援は難しい状況」との認識を示した。

26日の欧州株式相場は、主要株価指数が軒並み急落。アラブ首長 国連邦(UAE)のドバイ首長国の政府系投資持ち株会社ドバイ・ワ ールドが、全債務について支払い繰り延べを求めたことを嫌気した。 欧州株安は南米市場の取引にも影響、ブラジル株も過去2週間で最大 の下げを演じ、通貨レアルも急落。新興国市場に高い投資リターンを 求めてきた投資家の動きが目先急変する兆しを見せている。

金融危機再燃を想起、中東銘柄軒並み急落

東洋証券情報部の檜和田浩昭ストラテジストによると、「ドバイ問 題は、忘れ去られつつあったリーマン・ショックによる世界金融危機 の再燃懸念を呼び起こさせた」という。この日の東京市場では、中東 諸国のインフラプロジェクトに関与した企業群や、中東地域でビジネ ス展開する銘柄が売り込まれ、東証1部の下落率上位には鹿島、近畿 車両、日機装、大林組などが並んだ。東洋エンジニアリング、千代田 化工建設、酉島製作所も安い。

日興コーディアル証券・国際市場分析部の橘田憲和ストラテジス トは、ドバイ・ワールドの情報開示が不十分なため、「関連企業や投資 家は正確な事態を把握できない状況で、負のインパクトがどの程度に なるか計れないでいる」と話す。またドバイ問題は、日本では前日朝 方にすでに市場で伝わっていたが、野村証券の若生寿一シニアストラ テジストは「マーケットでは為替にばかり目がいっており、まったく 織り込みきれていなかった」と振り返った。

朝方に1ドル=84円台

一方、東京外国為替市場では朝方に円買い・ドル売りの動きが一 段と加速、円相場は1995年7月以来、14年ぶりに1ドル=85円台を 突破した。対ユーロでは一時126円台後半まで円高が進行。急激な円 高は輸出企業の収益悪化や輸入物価の下落を通じ、「病み上がりの日本 経済に打撃を与え、デフレスパイラルに陥る可能性も否定できない」 と、東洋証の檜和田氏と警戒感を口にした。

トヨタ自動車やホンダ、キヤノン、ソニーなど主要輸出関連株が 売られ、世界的な信用不安の再燃懸念を背景に三井住友フィナンシャ ルグループなど3大金融グループも下落。野村ホールディングスなど 証券株も安い。国際商品市況や運賃市況の下げを嫌気し、商社や海運 も下落、鉄鋼株も下げが目立った。

次の下値めどは

日経平均での下値支持線と見られていた200日移動平均線(9372 円)をあっさりと割り込み、次の下値めどが注目された。3月10日の バブル後安値7054円(終値)から8月26 日の年初来高値1万639円 までの上昇幅に対し、黄金分割比で38.2%に当たる9200円台を終値 で維持できるかに焦点が集まったが、この水準も下回って終了。3月 安値を大底とし、二番底となった7月13日安値(9050円)にも迫り、 仮にこれを下回れば、テクニカル分析上はめどが立たなくなる。

東証1部の売買高は概算で22億5673万株、売買代金は1兆3582 億円。値下がり銘柄数が1282、値上がりは309。業種別33指数は31 業 種が下落、電気・ガスとパルプ・紙の2業種のみ上昇。

円高メリット銘柄は堅調、新興3市場

個別では、10月の連結営業収益が前年同月比4.9%減のイオン、 大和証券SMBCが投資判断を「アウトパフォーム」から「中立」に 下げた前田道路が安い。半面、円高メリット銘柄が堅調。円高進行が 原燃料コスト負担の低減につながる日本製紙グループ本社や東京電力、 中部電力が買われ、製品輸入価格の低下による競争力向上期待からエ ービーシー・マート、ニトリなど小売株の一角も高かった。

国内新興3市場では、ジャスダック指数が前日比0.27ポイント (0.6%)安の45.06、東証マザーズ指数が10.20ポイント(2.6%) 安の376.09とともに3営業日ぶりに反落。大証ヘラクレス指数は

10.69ポイント(2.1%)安の505.19と反落した。

個別では、楽天、セブン銀行が売られ、サイバーエージェント、 ACCESSも安い。半面、発行済株式総数の5.8%を上限に自社株 買いを実施すると発表したエイジアがストップ高(値幅制限の上限) で買い気配のまま終えた。UTホールディングス、アドウェイズ、ブ イ・テクノロジーが高い。

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