10月の消費者物価は2カ月連続で下落率縮小-2.2%低下

(第7段落のコメントを差し替えます)

【記者:日高 正裕】

11月27日(ブルームバーグ):10月の全国の消費者物価指数(除 く生鮮食品、コアCPI)は前年同月比の下落率が2カ月連続で縮小 した。昨年の石油製品価格急騰の反動が徐々に薄れつつあるため、下 落率は今後さらに縮小する見込みだが、政府がデフレ宣言したことで 日銀の金融政策への風当たりは一段と強まりそうだ。

総務省が27日発表した10月の全国コアCPIは前年同月比

2.2%低下と8カ月連続のマイナス。11月の東京都区部コアCPIは 同1.9%低下だった。ブルームバーグ・ニュースがまとめた予想中央 値は全国が2.2%低下、東京は2.0%低下。前月はそれぞれ2.3%低下、

2.2%低下だった。

政府は20日、「緩やかなデフレ状況にある」として、3年5カ月 ぶりにデフレ宣言を行った。藤井裕久財務相は24日の会見で、デフレ を解消する上で財政は「主たる役割」ではなく、「金融の役割も大事 だ」と述べ、日銀が主導的な役割を果たすべきだとの考えを示した。 物価下落の長期化で日銀に対し緩和圧力が高まる可能性もある。

CPI総合指数は10月の全国が前年同月比2.5%低下、11月の東 京都区部は2.2%低下だった。前月はそれぞれ2.2%低下、2.4%低下 だった。変動の大きな食料(酒類除く)とエネルギーを除く「米国型 コアCPI」は10月の全国が1.1%低下、11月の東京都区部は1.3% 低下。前月はそれぞれ1.0%低下、1.4%低下だった。

デフレ長期化の兆し

ニューヨークの原油先物相場は昨年7月に1バレル=147ドルと 最高値を付けた後、下落に転じたのを受け、昨年のエネルギー価格高 騰の反動は徐々に薄らでいく。このため、コアCPIの下落率は今後 縮小していく見込みだが、所得・雇用環境の悪化から消費者の節約志 向が強まっており、物価の下落は長期化する兆しを見せている。

7-9月の実質国内総生産(GDP)は前期比年率4.8%増と2 期連続プラスとなったが、名目GDPは同0.3%減と6期連続マイナ スだった。日本全体の需要と供給の乖離(かいり)を示す需給ギャッ プは4-6月時点で約40兆円と高水準で推移している。先月30日公 表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、コアCPIが 2011年度まで3年連続マイナスになるとの見通しを示した。

大和総研の熊谷亮丸シニアエコノミストは「需要不足は09年1- 3月が最大で、少しずつ縮小してきているが、早期に解消する可能性 は低い。GDPギャップに3四半期程度遅行する米国型コアCPIの 前年比は年末ごろまでマイナス幅を拡大し、その後徐々に縮小に向か う見込だが、ゼロ近傍に至るのは数年後となるだろう」としている。

市場混乱すれば追加緩和も

シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストは「政府のデ フレ宣言が日銀の追加緩和措置に直結すると想定するのは早計」とし ながらも、「今後、景気が再び明確に悪化したり、金融市場が混乱に 陥るといった事態となれば、もちろん追加緩和措置の可能性はぐんと 高まる」と指摘する。

日興コーディアル証券の岩下真理チーフマーケットエコノミスト は「仮に来年前半に景気の踊り場を迎えたところで、急激な円高進行、 もしくは金融市場の混乱となれば、企業収益の一段の下押しの可能性 が高まる」と指摘。そのような状況に陥れば、「日銀は長期国債買い 入れの増額を検討する」とみている。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE