SB発行総額、11年ぶりの10兆円台-トヨタなどが大型起債(Update1

国内の普通社債(SB)の発行額が 大幅に増えている。2009年の発行総額は11年ぶりに10兆円の大台に乗っ た。低金利の下で手元資金を大量に確保したい企業と運用難の投資家の 利害が一致した格好だ。トヨタ自動車などの大企業から1000億円を超え る大型起債が相次いだ結果、市場の発行総額は27日時点で10兆1141億円 と1998年に記録した年間発行総額12兆6429億円以来の高水準となってい る。

今年のSB市場で大型起債が集中したのは金融危機が深刻化してい た上半期(1-6月)。信用リスクを警戒する投資家の運用資金は格付 けが比較的に高い大企業に流れたもようだ。みずほ証券の松本成一郎ク レジットアナリストは「過去の経験則からも金融危機では、トヨタのよう な大手企業が危機感から手元流動性を確保するために、大型社債を発行 する傾向がみられる」と指摘した。

大型起債では、トヨタが3300億円、パナソニックが4000億円の資金調 達をSBで行ったほか、NTTが1700億円、ソニーが2200億円の資金を 確保した。デンソー、JT、サントリーホールディングス、第一三共な どの各社も1000億円の資金をそれぞれ調達した。

社債発行のペースは下期に入ってから鈍ったが、それでもキリンホ ールディングスが1000億円、日産自動車が1700億円、シャープが1500億 円の資金調達をSB市場で行っている。

銀行債では、個人投資家を販売対象とした期限付劣後債の発行が目 立った。三菱東京UFJ銀行は2月に日本の社債市場で過去最大となる 4500億円の起債を実施した上、8月にも総額2500億円のSBを発行した。 三菱UFJ信託銀行は1000億円、みずほコーポレート銀行は1230億円 の債券を個人向けに募集した。

98年との相違が鮮明-電力債の発行減少

みずほ証の松本氏は、「同じ金融危機だった98年では、銀行債はまだ 発行されておらず、発行総額の20%程度を占める電力債の存在感が目立 っていた。今年は逆に電力債は全体の9%と少ない一方、個人向け銀行 債の発行が目立った」と指摘した。

今後の市場見通しについて松本氏は、「目先の2、3カ月では設備 投資の減少で企業の資金需要はあまりなく、しばらくはスローな傾向が 続くだろう」と予想する。

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