今日の国内市況:株式は小幅反落、債券上昇-円全面高で一時86円前半

東京株式相場は反落。午後の為替 市場で約14年ぶりに1ドル=86円台まで円高が進んだことが嫌気され、 採算悪化懸念から輸出関連株への売り圧力が増した。一方、前日売られ た不動産株が反発。証券やその他金融、鉄鋼株も堅調で、相場全般の下 値を支えた。

日経平均株価の終値は前日比58円40銭(0.6%)安の9383円24銭、 TOPIXは同3.73ポイント(0.5%)安の829.56。東証1部の売買代 金は1兆1725億円と、3営業日続けて11月月間の1日当たり平均(1 兆2420億円)を下回る低調な商いとなった。売買高は19億4681万株。 値下がり銘柄数が866、値上がりは680。

日経平均は朝方116円安の9324円まで下げ、投資家の長期売買コ ストを示す200日移動平均線(9365円)を半年ぶりに割り込んだが、 午前10時ごろに先物主導で急速に下げ渋り、午前は小幅高で終えた。 しかし、午後の取引開始直前に一段の円高となったことが嫌気され、午 後には再びマイナス転換、終了にかけては小安く推移した。

また、相場の下げを主導した輸出株の収益環境について、市場では 貿易統計で輸出額の持ち直し傾向が確認できるものの、デフレと為替が 価格を押し下げ、トップラインの伸びが相殺されてしまうと指摘。収益 の先行き懸念を背景に、日経平均のマイナス寄与度上位にはキヤノン、 アドバンテスト、ホンダ、京セラ、信越化学工業、テルモ、ファナック など輸出関連銘柄が並んだ。

個別では、転換社債型新株予約権付社債(CB)を最大で1000億 円発行すると前日発表した旭硝子が、1株価値の希薄化懸念などから急 反落。旅行業最大手のJTBがコストの安いネット事業を強化すると、 26日付の日本経済新聞朝刊が伝え、値下げ競争激化の懸念で旅館やホ テルのオンライン予約サイトを運営する一休が売られた。三菱UFJ証 券が投資判断を引き下げたAOCホールディングスも安い。

一方、東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)は25日に63%と、 約13カ月ぶりの低水準まで落ち込み、売られ過ぎの目安とされる70% を下回る状況。東証1部の平均PBR(株価純資産倍率)も解散価値を 示す1倍に接近するなど、各種投資指標からは目先反発しやすい局面に あることが示された。

この日に買い戻しの動きが目立ったのは、マンション分譲大手の穴 吹工務店(非上場)の経営破たんを受け、前日は厳しい業界環境を警戒 した売りに押された不動産株。信用リスク不安の再燃懸念などから、同 様に前日下げたその他金融株、証券株も高い。このほか、前日発表され た10月の貿易統計で、アジア向けを中心に輸出数量の増加が確認され ている鉄鋼株のほか、ファーストリテイリングなど小売株も買われた。

フジ・メディア・ホールディングスによる完全子会社化が決まった セシールが急伸。動画共有サイト事業が2010年9月期の下期に黒字化 する見通しと、26日付の日経新聞朝刊が報じたドワンゴも大幅高。デ ィー・エヌ・エーは連日で買われ、年初来高値を更新。USENと業務 提携を結ぶことを決めたソネットエンタテインメント、みずほ証券が投 資判断を強気に引き上げたブラザー工業も高かった。

債券上昇、10年債利回り1.28%

債券相場は上昇(利回りは低下)。外国為替相場が1ドル=86円 台と約14年ぶりの円高・ドル安水準となったことから、景気の先行き 懸念を背景に買いが優勢となった。

現物債市場で新発10年物の303回債は前日比1.5ベーシスポイン ト(bp)低い1.28%で始まった後、徐々に下げ幅を縮め、いったんは

1.295%をつけた。その後は再び水準を切り下げ、午後3時13分時点で は1.28%での推移だ。1.28%は前日につけた約1カ月半ぶりの低水準に 並ぶもの。

もっとも、新発10年債利回りは、今月10日の1.485%から足元で は1.28%まで達しており、急ピッチの低下に警戒感も出ている。市場 では、円高の持続性を見極め切れていないことから踏み込んだ買いには 至っておらず、来週には10年債入札もあるだけに無理して買い進むと いうより、押し目買いを狙った動きが優勢との見方もあった。

東京先物市場の中心限月12月物は反発。前日比25銭高の139円60 銭で始まった後、すぐに139円63銭と、前日につけた10月初め以来の 高値に並んだ。その後は2銭高の139円37銭まで上げ幅を縮めたもの の、午後に入ると一段の円高進行もあって139円台半ばで推移しており、 結局は15銭高の139円50銭で終えた。

先物市場では朝方から買いが先行。円高に加えて、米長期金利の低 下傾向が支援材料となった。25日の米国債相場は続伸。前日公表され た米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が超低金利政策の長期化を 示唆したことで、同日に実施された過去最大規模の7年債入札では予想 以上の需要が見られた。

円全面高、対ドルで14年ぶり高値

東京外国為替市場では円が主要16通貨に対して全面高の展開とな った。米金利の先安観測を背景にドル売り圧力が強まっているが、日本 の通貨当局による円売り介入への警戒感は乏しく、一挙に円買いが加速 した。

円は対ドルで一時1ドル=86円30銭と、1995年7月7日以来、約 14年ぶりの高値を更新。ユーロ・円相場も一時1ユーロ=130円43銭 と、10月8日以来の円高値を付けた。

藤井裕久財務相は26日午前、都内で一部記者団に対し、円高進行 について「異常な動きに対しては適切な措置を取らなければならない」 との考えを示した。一方で、ロイター通信によると、野田佳彦財務副大 臣は政府が現在市場介入を検討していないと述べている。

24日に公表された米FOMCの議事録で量的緩和策の継続観測が 強まって以降、金利の低下傾向が後押しされており、10年債の利回り は10月上旬以来の水準まで低下している。

3カ月物ドル建てロンドン銀行間取引金利(LIBOR)は過去最 低水準の更新が継続。そうした中、主要6通貨に対するインターコンチ ネンタル取引所(ICE)のドル・インデックスはこの日、一時74.17 と、昨年8月7日以来の水準まで低下している。

一方、この日のユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.50ドル台後半と、 前日のニューヨーク時間午後遅くに付けた1.5134ドルからドルがやや 水準を切り上げて推移。前日の海外市場では一時1.5144ドルと、昨年 8月8日以来の水準までユーロ高・ドル安が進んでいた。

ユーロ・ドル相場の相対力指数(RSI、14日ベース)は61台と 中立の50を上回り、過熱感の目安となる70に近い水準で推移している。

ドイツ連邦銀行は25日公表した金融安定報告書で、国内の銀行が 不良債権および証券化商品に関してさらに合計900億ユーロ(約12兆 円)の損失処理を迫られる可能性があるとの認識を示した。経済がリセ ッション(景気後退)から回復しているものの、金融の安定を脅かしか ねないとしている。

豪統計局が26日に発表した7-9月期の民間設備投資は前期比

3.9%減少と、ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想の1.0% 増加に反して、マイナスに転落。豪ドル売りが進んだ。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE