円高加速も介入なし、来年は最高値更新も―JPモルガン・佐々木氏

JPモルガン・チェース銀行為替 資金本部の佐々木融チーフFXストラテジストは26日、ブルームバー グ・ニュースとのインタビューで、約14年ぶりに1ドル=86円台に上 昇した円相場や為替介入の可能性、来年の見通しについて、以下の通り に語った。

円高加速について:

「基本はドル安の流れだが、ここ数日は円の買い戻しが強く、円 高・ドル安というような形でドル・円の下落が加速している」

円買いは、「基本的にはストップ・ロス(損失を限定するための円 買い注文)だけだ。強いて言えば、米株と米長期金利の逆相関が非常に 強くなってきている。これはドルにとって非常に好ましくない状況だ。 ただ、米国の長期金利や株がどんどん下がっているといったような円買 いの状況ではない。円買い自体はそれほど続かないとみている」

「下にはまだストップが控えている可能性があるため、目先は85 円ちょうど程度まで行ってしまうこともあるかもしれない。いずれにし ろ、ここ2-3日間のドル・円の落ち方は急であり、ストップを付け終 われば少しは戻すだろう」

為替介入の可能性:

「介入はないとみる」。7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7) が中国の為替政策を批判している中で「介入はやりづらいし、日本の国 内問題として外貨準備が非常に積み上がってしまっていることもある。 そもそも今の状況は完全にドル売りであるため、日本だけがドル・円を 支えても何も意味はない」

「現在の状況で、ドルに対して協調介入を行っても効果はないだろ う。必要なことはグローバル・インバランスの解消であり、それを解消 せずに相場だけ支えても効果はない。G20(20カ国・地域)の中でも それは共通認識だろう」

来年のドル相場見通し:

「われわれは来年もドルが全般的にまだ弱含むとみている。ユー ロ・ドルは1ユーロ=1.62ドル、ドル・円は82円がターゲットだ」

来年は財政赤字懸念を背景とした日本の長期金利の上昇や海外中銀 による外貨準備での円の保有比率引き上げ、海外投資家の日本株投資な どが円高圧力につながる可能性があり、「そうした円買いリスクが顕現 化してくる中で、ドル・円は79円75銭の戦後最安値(円の最高値)を 更新する可能性もあるとみている」

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