ドバイ・ワールドが全債務返済繰り延べ要請-国債保証料急騰

アラブ首長国連邦(UAE)ドバ イ首長国の政府系投資持ち株会社ドバイ・ワールドは25日、全債務に ついて支払い繰り延べを債権者に求めた。同社は590億ドル(約5兆 1700億円)の債務を抱えている。ドバイ政府はこの日、国債発行で50 億ドルを調達した。

ドバイ・ワールドは返済繰り延べの交渉を進める間、全債権者に 対し「静止合意」を求める。ドバイ政府の財務担当機関が25日電子メ ールで発表した。繰り延べ要請した債務には、傘下の不動産開発部門 ナヒールのイスラム債35億2000万ドル相当(12月14日償還)も含 まれる。米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスと スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、繰り延べ計画はデフ ォルト(債務不履行)と見なすことも可能だとして、複数の政府系企 業を格下げした。

ニューヨークの経済調査会社、ルービニ・グローバル・エコノミ クスの政府系ファンド担当シニアアナリスト、レイチェル・ジエンバ 氏は「ナヒール債の返済繰り延べは、ドバイがどの債務を全額履行で きるのかをめぐる市場の不安を煽っている」と指摘し、「ドバイは死に 物狂いの様相であり、市場は長期的にドバイの債務が減らず増大して いくと懸念している」と述べた。

CMAデータビジョン(ロンドン)によると、クレジット・デフ ォルト・スワップ(CDS)によるドバイ国債の保証コストは25日、 116ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、1月の取引 開始以降で最高の434bpに達した。国債のCDSスプレッドとして 6番目の高さで、アイスランドを上回る。

償還期限

ドイツ銀行のデータによれば、ドバイでは国債と社債を合わせ、 来月に43億ドル、2010年1-3月(第1四半期)に49億ドルが償還 期限を迎える。

ドバイ政府がこの日発行した国債50億ドルは、アブダビの国営銀 行、ナショナル・バンク・オブ・アブダビ(NBAD)、イスラム銀行 のアル・ヒラルが全額を引き受けた。ドバイの財務省が25日、明らか にした。

財務省は声明で、「ドバイ・ファイナンシャル・サポート・ファン ドは再編責任者とともに、必要な債務再編の度合いの査定を開始する」 とし、「第一歩として、ドバイ・ワールドは同社とナヒールの債権者に 対し、『静止』と少なくとも来年5月30日までの返済繰り延べを求め る」と表明した。額面1ドルのナヒール債は80セントに下落した。

信用危機と不動産下落で同国の金融・観光業界が打撃を受け、ド バイは200億ドル規模のドバイ・ファイナンシャル・サポート・ファ ンドを設立していた。ドバイ当局はドバイ・ワールドの債務再編に向 けて会計監査法人のデロイトを起用した。

ドバイのムハンマド・ビン・ラシド・マクトム首長は昨年11月に、 国債発行は成功するだろうとし、アブダビの協力は疑いの余地がない と強気の姿勢を示していた。アブダビは世界最大の政府系ファンドを 持ち、UAEの油田のほぼすべてを握っている。ドバイは中東の金融 の中心となることを目指していた。

ナヒールが8月20日に明らかにしたところによれば、ドバイ・ワ ールドの債務は08年末時点で593億ドル。資産は996億ドルだった。

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