ワコム:タッチパネル来期シェア5割-東芝などの採用備え

コンピューター用電子ペンで世界 首位のワコムは、パソコン向けタッチパネル市場で来期(2011年3月 期)に50%のトップシェア獲得を目指す。山田正彦社長が25日、ブル ームバーグ・ニュースとのインタビューで明らかにした。

山田社長は「現在、月産10万本強の生産能力を年末には15万 本、来年夏には50万本にまで増強する」と語り、10年夏までにPC向 けタッチパネルの月産能力を5倍にする方針も示した。埼玉県の本社を 開発拠点とするワコムは、量産製品を製造するための工場を持たずに海 外の製造会社に委託する「ファブレス」企業。

米マイクロソフト(MS)は今年10月に発売した新しい基本ソフ ト(OS)「ウィンドウズ7(セブン)」にタッチパネル機能を導入。 ワコムの生産能力増強の方針は、中国最大手のレノボ・グループ(聯想 集団)や東芝、富士通など大手パソコンメーカーによる本格的な採用に 備えるのが狙い。

ワコムの株価は26日午後2時すぎに急上昇。午後2時53分に前 日比5800円(3.4%)高の17万8900円をつけた。同日終値は同5400 円(3.1%)高の17万8500円。

パソコン用タッチパネル市場は急拡大が見込まれる。大和証券SM BCによると、09年の市場規模は前年比2.8倍の2億ドル(約175億 円)。ウインドウズ7の発売によって、3年後の12年には09年比で 約4倍の7.9億ドル(約691億円)まで成長する見通し。

大和証券SMBCの弓削嘉毅アナリストは10月22日付のリポー トで、「ワコムは5割程度のシェアを確保し、市場のトップメーカーに なる」と分析。その理由には①製品クオリティーの高さ②コストの低さ ③ほぼファブレス企業のため設備投資がほとんど不要-などを挙げた。 山田社長の目標「シェア5割」と、市場関係者に隔たりがないことが裏 付けられた格好だ。

ワコムの今期(10年3月期)の連結売上高予想は355億円。連結 純利益は21億円を見込む。

来期占う1月の北米国際家電ショー

ウィンドウズ7の登場でパソコン業界には追い風が吹いている。電 子情報技術産業協会(JEITA)が25日発表したパソコン国内出荷 実績によると、10月の出荷台数は前年同月比21.5%増の71万6000台 と、2カ月連続で前年実績を上回った。伸び率は9月実績の2.2%に比 べて約10倍に拡大した。

現在、12インチ以上のノートパソコン向けタッチパネルでは、ワ コムとイスラエルのN-trigが市場を二分しており、パソコン向けタッ チパネル搭載率が高まれば、ワコムへの発注が増える公算が大きい。

野村証券金融経済研究所の黄楽平アナリストは、パソコン向けタッ チパネル市場について、「生まれたばかりで普及には時間がかかり、搭 載率は今年末で1%、10年末で4%、2011年で10%」と予想。「デル やヒューレット・パッカードのタッチパネル対応モデルが出そろう来年 1月の北米国際家電ショー(CES)を見なければ、ワコムの来期以降 の成長は見極められない」と話した。

山田社長は「CESを見て、来期以降の中期戦略を練る」と語り、 来年4月に新たな中期経営計画を発表することを明らかにした。その上 で、「できるだけ早く、07年度の過去最高益を更新したい」と述べた。

その上で、パソコン向けタッチパネル市場の競争環境に関して、 「新規参入は考えられるが、とどまるのは難しい業界」と述べ、来期 50万ユニットの供給方針を達成することによって大手パソコンメーカ ーの信頼を勝ち取ることで、市場シェアトップとなることに意欲を示し た。

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