三井住友:環境事業で人員倍増-NY、ロンドンに専任配置

三井住友銀行は、海外での温室効 果ガス排出削減事業など環境関連ビジネスを強化するため、現在の人 員10人を今後2、3年で倍以上に増やす。

国内企業の持つ環境・省エネルギー関連技術をテコに発展途上国 で新たな排出削減プロジェクトの可能性を掘り起こし、事業資金を融 資するのと同時に、そこから得られた排出権を国内企業に販売する事 業を拡大する。

排出削減プロジェクト向けの融資や排出権仲介などを手がけてい る同行投資銀行部門の環境ソリューション室には東京に9人、シンガ ポール支店に1人の担当者が配置されている。同室の工藤禎子室長は 「ニューヨークやロンドンなどの拠点にも専任を置きたい」と述べた。

これまで環境ソリューション室では、エンジニアリング会社やコ ンサルティング会社などからの中途採用者を中心に陣容を拡大。今後 も中途採用者を積極的に活用し、行員の知識や経験と結びつけること で事業を遂行する能力を高めたいとしている。

途上国の銀行との提携も強化するため、フィリピンやブラジル、 ロシア、コロンビア、ペルーの銀行と排出量関連事業の業務提携で覚 書を締結している。

環境ソリューション室営業推進グループの中塚裕己グループ長は、 提携関係の構築についても「1年間で3カ国程度の地元銀行と、CD Mや再生可能エネルギープロジェクトを推進するため提携したい」と 述べ、数年の間に現在の5件から2倍程度に提携案件数を増やす計画 だ。同行は、来年初めにも近隣国や東南アジアの銀行と提携関係を結 ぶ見通しだという。

需要減でも経済成長には不可欠

同行の排出権販売先には、温室効果ガスの排出量が多い国内の鉄 鋼・電力会社などが含まれており、景気後退に伴う企業活動の停滞で 需要は減少傾向。12月7日にコペンハーゲンで始まる国連気候変動枠 組み条約第15回締約国会議(COP15)では、2013年の京都議定書 失効以降の温暖化対策の枠組み合意は持ち越しとなる見通し。そのた め、同議定書で定められた排出権の売買についても行方ははっきりし ていない。

工藤氏は「コペンハーゲンの結果にかかわらず、環境を切り口と したビジネスの機会は増加する」とみており、コペンハーゲン会議の 成否とは関係なく新ビジネスの柱として育てていく方針だ。

国際エネルギー機関(IEA)の田中伸男事務局長は26日に都内 で講演し、民間企業が行う地球温暖化対策関連の事業に資金流入を促 すためには「政府がはっきりしたシグナルを送らないといけない。実 現させるための制度や環境税などが必要となる」と指摘した。そのう えで「コペンハーゲンでもそういうメッセージを送ることができれば、 投資の拡大が可能となる」と訴えた。

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