日銀議事要旨:必要なら再活用も-企業金融支援特別オペ

日本銀行は26日午前、10月30 日の金融政策決定会合の議事要旨を発表した。それによると、来年3 月末まで延長した上で完了することを決めた企業金融支援特別オペに ついて、1人の委員が「先行き、再び必要と判断されるような場合に は、再び活用することも含め、機動的かつ弾力的に対応することが適 当」と述べ、他の委員も賛意を示していたことが分かった。

日銀はこの金融政策決定会合で、12月末を期限とする企業金融支 援のための時限措置のうち、コマーシャルペーパー(CP)と社債に ついては買い入れを年内で完了することを決めた。社債買い入れ終了 と特別オペの来年3月末での完了には水野温氏審議委員が反対した。

水野委員は「企業収益の回復力が乏しい中で、社債の発行体と投 資家の双方が外部格付けの引き下げを懸念している状況にあっては、 社債買い入れを延長することが望ましい」と主張。特別オペについて も「将来同オペを完了することを現時点で表明することは、金融市場 を不安定化させるリスクを伴う」と述べ、3月末での完了に反対した。

大方の委員は「現時点におけるCP・社債市場の市場機能は、全 体として大幅に改善している」との認識で一致した。これに対し、水 野委員は「格付け引き下げのリスク」に加え、「事業再生ADR(裁判 外紛争処理手続き)が今後大企業に活用されるケースが増えるとみら れること等を踏まえると、社債市場では神経質な地合いが続く可能性 が高い」との見方を示した。

リスクは上下バランスする方向

企業の資金繰りについては、何人かの委員は「景気が持ち直しつ つある中で、企業金融をめぐる不透明感は一頃と比べ低下している」 と指摘。その上で「企業は、昨年秋以降の金融危機の経験もあって、 特に、資金需要が高まる年度末に向けて、資金繰りの不安感が残って いることには注意する必要がある」と述べた。

出席した野田佳彦財務副大臣はCP・社債の買い入れについて「継 続することの弊害についても分かりやすくご説明いただきたい」と要 請。さらに、企業金融支援特別オペの取り扱いについて「年度末の資 金繰りへの配慮のほか、十分な資金供給の必要性に配意してご検討い ただきたい」と述べた。

日銀は同日の金融政策決定会合で、半年に1度の経済・物価情勢 の展望(展望リポート)を策定した。景気面でのリスク要因のバラン スについて、多くの委員は「前回展望リポート時と比較すれば、全体 としては上下バランスする方向になっている」との認識を示した。

政府が日銀との協議の場を提案

複数の委員は「短期的には、米欧のバランスシート調整の帰すう を中心に下振れリスクの方が強く意識されるが、やや長い目でみると、 新興国・資源国の経済情勢などの上振れリスクの方がやや強く意識さ れる」との見方を示した。これに対し、別の何人かの委員は「予測期 間の後半にかけても中立、ないしは下振れリスクの方がややより強く 意識される」との認識を示した。

一方、野田財務副大臣は「長期間にわたって物価上昇率がマイナ スとなると見込まれる中、実質利子率の高止まりや予想物価上昇率の 下振れリスクへの対応を含め、日銀がどのように取り組まれていくの か明確なスタンスをお示しいただきたい」と述べた。また、津村啓介 内閣府政務官は「経済情勢や金融情勢についての緊密な意見交換が重 要」として、政府と日銀の協議の場を設けることを提案した。

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