今日の国内市況:株は小反発・債券小幅安、ドル全面安で88円台前半

東京株式相場は小幅反発。朝方発 表された10月の貿易統計が改善したことを好感し、トヨタ自動車など 自動車株を中心に輸出関連が買い戻された。景気変動の影響を受けにく いディフェンシブ業種は終日堅調で、電気・ガスや陸運、医薬品、食品 株が高い。

日経平均株価の終値は前日比40円6銭(0.4%)高の9441円64銭。 朝方に9366円まで下げる場面があったが、投資家の長期売買コストを 表す200移動平均線(9357円)目前で踏ん張る格好となった。TOP IXは同4.07ポイント(0.5%)高の833.29。

財務省が25日発表した10月の貿易統計速報(通関ベース)による と、輸出額は前年同月比23.2%減の5兆3089億円と13カ月連続のマイ ナスだったが、減少率は前月(同30.6%減)に比べ縮小。輸入額は同

35.6%減の4兆5018億円と12カ月連続で減少した。この結果、貿易収 支(原数値)は8071億円の黒字となった。

貿易統計の改善を背景に輸出株が買い戻され、日経平均のプラス寄 与度上位にはホンダ、ファナック、京セラが並んだ。東証1部の33業 種別指数では、輸送用機器が1.8%高と値上がり率トップ。

日経平均、TOPIXとも午後中ごろまでは前日終値を挟む小動き が続いた。取引終了にかけて値を切り上げたが、円高進行や増資懸念、 政策リスクなどを背景に、短期的な買い戻しの色彩が強かった。

東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)は売られ過ぎの目安とさ れる70%を下回っていたほか、平均PBR(株価純資産倍率)も1倍 に接近。各種投資指標は目先反発の可能性を示唆していた。一方、米感 謝祭の週に入り、昼休み中の東証立会外取引で成立したバスケット取引 は約71億円と低調だった。

この日の相場全般の重しとなったのは、不動産株と金融株。マンシ ョン分譲大手の穴吹工務店(非上場)の経営破たんを受け、不動産株に 厳しい業界環境を警戒した売りが出た。信用リスク不安の再燃が懸念さ れ、銀行や保険、証券、その他金融株も安い。ばら積み船の運賃市況で あるバルチック・ドライ指数(BDI)の続落を背景に、日本郵船など 海運株も下げが目立った。

債券は小幅安-国内株反発

債券相場は小幅安(利回りは上昇)。朝方は買いが先行したが、高 値警戒感が強まる中、日経平均株価が反発したことをきっかけに売り優 勢となった。一方、2年債入札結果が順調だったことを受けて、2年な ど中期ゾーンはしっかり。

東京先物市場の中心限月12月物は、前日比6銭高の139円50銭で 始まった。一時は19銭高の139円63銭まで上昇し、10月2日以来、約 1カ月半ぶりの高値をつけた。午後に入り国内株価が堅調に推移すると 12月物は下げに転じ、9銭安の139円35銭と安値引けした。

現物債市場では中期債がしっかり。2年入札結果が順調だったこと や、日本政府が前週末にデフレを認定したことに伴い、日銀による低金 利政策の長期化観測が高まっていることが支援材料。新発5年債利回り は一時1.5bp低い0.57%まで低下し、10月8日以来の低水準をつけた。 2年物の286回債利回りは一時1.5bp低い0.23%まで下げた。

長期金利の指標となる新発10年物の303回債利回りは前日比変わ らずの1.29%で始まり、一時1ベーシスポイント(bp)低い1.28%と10 月9日以来の低水準をつけた。その後は水準を切り上げ、0.5bp高い

1.295%で推移した。

米金利の低下も昼過ぎまでの円債相場の支えとなった。24日の米 国債相場は上昇。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が超低金利 政策の長期化を示唆したことが買い材料。過去最大規模の5年債入札で 過去2年余りで最高の需要がみられたことも好感した。

財務省が実施した表面利率(クーポン)0.3%の2年利付国債(287 回債、12月発行)の入札結果は、最低価格が100円12銭、平均落札価 格は100円12銭4厘。最低と平均の格差(テール)は前回の5厘から に4厘に縮小した。応札倍率は3.92倍と、2007年8月入札以来の高水 準となった。

ドルほぼ全面安-88円台前半

東京外国為替市場では、円が対ドルで約1カ月半ぶりの高値を付け た。米国の低金利政策の長期化観測を背景に、ドルがほぼ全面安となる 中、円買い・ドル売りが優勢だった。

ドル・円相場は一時1ドル=88円20銭と10月8日以来の水準ま でドル安・円高が進行。その後も88円台前半で円が底堅かった。ユー ロ・ドル相場は午後3時すぎに一時1ユーロ=1.5000ドルを突破。

1.5005ドルと今月16日以来の水準までドル安が進んだ。

米国の低金利政策の長期化観測が広がる中、ロンドン銀行間市場で は米国の短期金利が日本を下回る状態が続いている。24日には米10年 債利回りが3.3%付近まで低下した。

米連邦準備制度理事会(FRB)が24日公表した連邦公開市場委 員会(FOMC、11月3-4日開催)議事録によると、金融政策当局 者は「非常に低い水準の短期金利を長期間にわたって維持することによ り、ある程度の悪影響が生じる可能性を指摘した」が、過剰なリスクテ ークが誘発され、インフレ期待の抑制が効かなくなる確率は「比較的低 い」との見方で一致した。会合参加者は最近のドル下落について、「秩 序立った動きである」との認識を示した。

藤井裕久財務相は25日午前、国会内でブルームバーグ・ニュース に対し、円高進行は米ドルの影響によるものとの認識を示した。

ドルがほぼ全面安となる中、ドルの代替投資先とされる金相場は現 物と先物ともに過去最高値を更新。インドの経済紙「フィナンシャル・ クロニクル」が、同国がIMFからの追加的な金購入に前向きだと報じ たことも支援材料となった。

ユーロ・円相場は1ユーロ=132円台半ばから一時、132円7銭ま で円が上昇。対ドルでユーロが水準を切り上げる中、その後は132円台 前半でのもみ合いに転じた。

オーストラリア・ドルは主要通貨に対して全面高。オーストラリア 準備銀行(RBA)のバテリノ副総裁が、豪経済が「新たな上昇局面」 に入ったと発言。RBAが来週の政策決定会合で初の3カ月連続の利上 げを実施するとの観測が強まった。

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