穴吹工関連銘柄売られる、不動産指数5月来安値-倒産続発は限定的

マンション専業大手の穴吹工務店 (香川県高松市、非上場)が会社更生法手続き開始の申し立てを発表 したことを受け、不動産や銀行など同社に関連のあった企業や、業況 の厳しさが警戒されたマンション関連銘柄の間で株価の値下がりが目 立った。

午前終値は、TOPIX不動産指数が前日比2.1%安の695.07ポ イントと5月1日以来、およそ7カ月ぶりの安値を付け、東証1部33 業種の下落率で2位だった。

個別では、大京が2.9%安の168円で午前の取引を終了、一時は

6.9%安まで下げた。穴吹工務店に対する債権の取立て不能の可能性を 発表した一部の銀行株も下げ、徳島銀行が11%安の262円で東証1部 の下落率1位。香川銀行は6.5%安の261円、四国銀行は3.8%安の 280円など。保有する穴吹工株の評価損処理で、特損を計上するとし たテーオーシーも一時7.7%安の302円と52週安値を更新した。

穴吹工務店は24日、東京地裁に会社更生法を申請したと発表した。 昨秋の世界同時不況以降、主力の分譲マンション事業の収益が急激に 悪化。負債総額は1403億円。東京商工リサーチによると、倒産の負債 総額としては今年5番目の規模で、四国では過去最大となった。

みずほ証券の並木幹郎アナリストは、「分譲マンションの発売は厳 しい状況が続いている。世界的な景気悪化の影響で、日本では住宅着 工件数が減少、給与所得の減少や消費も落ち込み、景気の二番底懸念 が広がっている」と指摘。その上で、「来年前半までは景気悪化でマン ション市場の低迷が続くだろう」との見方を示した。

マンション市場が縮小

不動産経済研究所の調査によると、首都圏の新築マンション発売 は減少が続いている。同研究所ではマンション市場規模はピーク時の 年間8万戸に戻ることはなく、09年(暦年)は3万5000戸、10年も 4万戸程度にとどまると予想している。

マンション発売の不振で企業の破たんも続き、デベロッパーの数 も減少傾向だ。不動産経研の松田忠司氏によると、首都圏のマンショ ンデベロッパーの数は2009年に154社と、前年の230社から33%減 少。同研究所が調査を開始した93年以来の最低となる見込みという。 ピークは、94年の554社だった。

倒産続発は限定的

一方、政府の景気対策や好調な輸出を背景に景気は持ち直しが続 き、企業倒産は今年に入りペースが鈍化している。民間信用調査機関 の東京商工リサーチが10日発表した10月の全国企業倒産状況による と、倒産件数(負債額1000万円以上)は前年同月比11.8%減の1261 件と3カ月連続で減少。不動産(同37.5%減)など7業種で減った。

不動産業界の倒産続発が今後も続くかどうかについて、クレデ ィ・スイス証券の望月政広アナリストは「今後も不動産会社の破たん がどんどん相次ぐという状況にはならない」と見ている。不動産業界 の事業環境が最悪だったのは去年で、「破たんが相次いだが、今年はマ ンション発売が徐々に回復している。中小規模の不動産会社の破たん がまだいくつか起こる可能性はあるだろうが、昨年のようにはならな い」と、望月氏は話した。

不動産経済研究所によると、全国のマンション供給戸数で穴吹工 務店は2008年に3位、07年は首位だった。

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