TB3カ月物、大口需要観測で入札順調-追加緩和思惑も

財務省が実施した国庫短期証券 (TB)3カ月物の入札は、一部の投資家から大口の需要が入ったと の観測を背景に順調な結果となった。政府のデフレ認定を受け、日本 銀行が更なる金融緩和を求められるとの思惑もくすぶっていた。

TB71回債の入札結果は、最高利回りが0.1546%、平均利回り は0.1538%と、前回とほぼ横ばい。レポ(現金担保付債券貸借)金 利上昇を受けて利回りの上昇を期待する声も多かったが、入札前の業 者間取引から0.155%にまとまった金額の買いが入っていた。

東短リサーチの寺田寿明研究員は、「もう少し高い利回りが期待 されたが、まとまった需要があったようだ。考えづらいことだが、一 段の緩和を期待して1、2年の短期債を買っている投資家もいるかも しれない」と指摘した。

応札倍率は3.67倍と前回(4.38倍)から低下しており、投資家 の需要が全体的に高まった様子は見られない。一方、国内証券のTB 担当者は、ディーラーが持ち高として在庫を積み上げている可能性も あり、量的緩和を期待している向きがあるかもしれないと話す。

菅直人経済財政担当相は20日に「緩やかなデフレ状況にある」 と3年5カ月ぶりにデフレを認定。「日銀との政策的な協調、金融面 からのフォローを期待する」と述べた。24日には藤井裕久財務相が、 デフレを解消する上で財政は「主たる役割」ではなく、「金融の役割 も大事だ」と述べ、日銀が主導的な役割を果たすべきだとの考えを示 した。

国内大手銀行の資金担当者は、日銀が追加緩和に追い込まれてい く雰囲気はあり、実質的な効果はなくても、何か対策を示す可能性は あると指摘。国債増発を受けて、中長期国債やTBの買い入れ増額を 予想する声も聞かれた。

レポ金利は上昇

足元でTBの大量発行が続くなか、ディーラーが在庫を積み上げ れば、それだけ短期市場での資金調達量も増加する。投資家の需要減 退が指摘されたTB2カ月物入札の19日以降、足元のレポ金利に上 昇圧力がかかっている。

25日の東京レポレートは、27日に受け渡しされる翌日物のスポ ットネクスト物が前日比0.7ベーシスポイント(bp)高い0.141%と、 期末にあたる9月28日(0.153%)以来の水準まで上昇した。

国内大手金融機関のレポ担当者は、一部の金融機関が積極的な資 金調達を続けており、1週間程度は金利が下げ渋るとみていた。

午前の国債買い現先オペは、スポットネクスト物とターム物の最 低落札金利が、いずれも前日比1bp高い0.14%になった。

TB71回債の発行日にあたる月末30日は、レポ金利が一段と上 昇することが予想されている。国内証券のTB担当者は、予想通りレ ポが上昇すれば、ディーラーの在庫が膨らんでいる証拠と指摘した。

一方、日銀は午後の本店共通担保資金供給オペを、12月2日か ら8日までの先日付で1兆円実施した。2日は税揚げによる大幅な資 金不足になるためだ。もっとも、東短の寺田氏は、「足元のレポ上昇 に対しては、資金を供給し過ぎない姿勢のようだ」という。

CP発行が5000億円弱

コマーシャルペーパー(CP)市場では、電力会社を中心にボー ナス資金の手当てとみられる発行が膨らみ、償還2000億円程度に対 して5000億円弱に膨らんだ。銀行ディーラーの買いが強く、発行金 利は低位横ばいだった。

最上位格付けa-1プラスの電力会社とガス会社が、12月下旬 に期日を迎える年内物を0.12%前後で発行。同格付けの電機メーカ ーも0.12%で取引が成立した。

3カ月物では、電力会社が0.12%台前半、化学メーカーなどは

0.12%台半ばで発行した。電力の6カ月物は0.142%で成立し、年度 末越えのプレミアム(上乗せ金利)は限定的だった。

短資会社の担当者によると、26日の市場でも大量のCP発行が 見込まれ、今月の発行額は償還額の3.2兆円程度を上回る可能性があ るという。

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