11月24日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが円に対し約1カ月ぶりの安 値に下落。米金融当局が一段のドル安を容認し、高金利資産への資金シ フトが加速するとの懸念が背景にある。

円は主要16通貨中15通貨に対して上昇。ドルに対しては、この ままいけば月間ベースで9月以来で初の値上がりとなる。今月は、ド ル・キャリー取引(ドルを借り入れ高利回り資産に投資する取引)の 投資リターンが、円キャリー取引を上回っている。米連邦準備制度理 事会(FRB)は24日発表した3-4日の米連邦公開市場委員会(F OMC)会合の議事録で、過去最低水準にある金利が金融市場で「過 剰」な投機を誘発する恐れがあるとの見解を表明した。

モントリオール銀行の外為担当バイスプレジデント、J・P・ブ ライス氏は「米金融当局は今回もドル安への懸念を全く示していな い」と指摘。「借り入れコストが長期にわたって低い状態が続けば、 借入金による株式の投機買いが増える可能性がある」との見方を示し た。

ニューヨーク時間午後4時3分現在、ドルは円に対し1ドル=88 円54銭と、前日の88円97銭から0.5%安。一時88円36銭と、 10月9日以来の低水準を付けた。ユーロは対ドルで0.02%上昇の1 ユーロ=1.4963ドル。対円では0.5%下げて132円48銭。

議事録によれば、当局者はドルについて「秩序ある」形で下落し ているとの認識を示した上で、「ドル下落が加速もしくはインフレに 大幅な上昇圧力がみられた場合には注視が必要となるだろう」と指摘 した。

ポンドはユーロに対し下落。イングランド銀行(英中央銀行)の キング総裁が英経済は「深刻な試練」に直面していると指摘したこと を受け、資産購入プログラムを延長するとの観測が広がった。ポンド はユーロに対し0.2%安の1ユーロ=90.28ペンス(前日は90.10 ペンス)。

メキシコ・ペソ

円は南アフリカ・ランドとメキシコ・ペソを除く高金利通貨に対 して上昇。世界的な株価下落が材料視された。米S&P500種株価指 数は0.05%、MSCI世界指数は0.6%それぞれ下落した。政策金利 はメキシコが4.5%、南アフリカは7%で、いずれも日本の0.1%を 上回る。

ナショナル・バンク・オブ・カナダのマネジングディレクター、 ジャック・スピッツ氏は「現在の為替市場の状況は、リスク回避の動 きを示唆している」との見方を示した。

メキシコ・ペソは主要通貨すべてに対して上昇。米パシフィッ ク・インベストメント・マネジメント(PIMCO)がペソについて、 新興市場で最も割安な通貨の1つであり、向こう1年間でドルに対し 最大20%上昇するとの見通しを示したことが好感された。

「最も割安な通貨」

PIMCOで約500億ドル(約4兆4500億円)相当の新興市場 資産の運用に携わるギレルモ・オッセス氏は、「ペソは新興市場で最 も割安な通貨の1つだ。対外収支は改善するだろう」と指摘した。ま た同氏はPIMCOがメキシコ資産を買い増す可能性があると述べた。

ペソはブラジル・レアルに対し、0.8%高の1レアル=7.4499ペ ソ。ニュージーランド(NZ)ドルに対しては1.6%上げて1NZド ル=9.3459ペソ。

◎米国株式市場

米株式相場は反落。午前に発表された第3四半期の米国内総生産 (GDP)で個人消費の伸びが予想を下回り、消費者は依然としてリセ ッション(景気後退)の圧迫を受けているとの懸念が広がった。

米連邦預金保険公社(FDIC)は、2009年7-9月(第3四 半期)に「問題あり」と判断された銀行の数が16年ぶりの高水準 に上ったと発表。金融株が売りを浴びた。

コンピューターのヒューレット・パッカード(HP)も下落。 同社パソコン販売の落ち込みが嫌気された。米連邦準備制度理事会 (FRB)が発表した3-4日の米連邦公開市場委員会(FOM C)会合の議事録によると、当局者は景気回復に伴い2010、11年 の失業率予想を引き下げた。これが好感され、米国株は下げ幅を縮 小した。

S&P500種株価指数は前日比0.1%安の1105.65。ダウ工業 株30種平均は17.24ドル(0.2%)下げて10433.71ドル。感謝 祭の休日を26日に控え、米国の全取引所での出来高概算は70億株未 満と、3カ月平均を23%下回る薄商いだった。

ホランド(ニューヨーク)で40億ドル以上の資産運用を監督 するマイケル・ホランド氏は、「株式市場は神経質に反応している。 経済統計は強弱が混在した内容になっており、個人消費も芳しくな く、FDICは問題銀行について発言している。つまりまだ回復の 途中にあることを示している。投資家はこれに合わせた動きを取っ ている」と述べた。

GDP、FOMC議事録

朝方発表された第3四半期の実質国内総生産(GDP、季節調 整済み、年率)改定値は、前期比年率2.8%増加と、速報値の

3.5%増から下方修正された。個人消費は同2.9%増と速報の3.4% 増から下方修正され、エコノミスト予想には及ばなかった。

FOMCメンバーは来年10-12月(第4四半期)の失業率を

9.3-9.7%と予想。6月時点の9.5-9.8%から下方修正した。

FOMGの議事録では、「FOMCメンバーは非常に低い水準 の短期金利を長期間にわたって維持することにより、ある程度の悪 影響が生じる可能性を指摘した」と記述されており、その悪影響に は「金融市場での過剰なリスクテークの誘発、インフレ期待の抑制 が効かなくなることなど」が含まれると指摘した。

ブルームバーグのまとめたデータによると、S&P500種は今年 3月9日に12年ぶり安値を付けて以来63%値を戻しており、平均株 価収益率(PER)は22倍超。2002年以来の高水準付近にある。

金融株

S&P500種金融株価指数は0.8%安。FDICのリポートに よると、552銀行が問題ありと判断され、FDICの預金保険基金は 初のマイナスとなった。

JPモルガン・チェースは1.9%安と、ダウ平均銘柄の中で値下 がり率最大。バンク・オブ・アメリカ(BOA)、モルガン・スタ ンレー、フィフス・サード・バンコープはいずれも下落した。

HPは1.6%安。8-10月(第4四半期)のパソコン販売は98 億6000万ドルと前年同期から12%落ち込んだ。

◎米国債市場

米国債相場は上昇。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が超 低金利政策の長期化を示唆したことが買い材料となった。過去最大規模 の5年債入札(発行額420億ドル)で、過去2年余りで最高の需要が みられたことも好感した。

米連邦準備制度理事会(FRB)が24日公表したFOMC(11 月3-4日開催)の議事録は、「非常に低い水準の短期金利を長期間 にわたって維持することにより、過剰なリスクテークの誘発やイン フレ期待の抑制不能」に陥る可能性を指摘している。

ただし、議事録によると、過剰なリスクテークが誘発され、イ ンフレ期待の抑制が効かなくなる確率は「比較的低い」との見方で FOMCメンバーは一致した。当局者はさらに、インフレ期待が落 ち着き、失業率が高水準にとどまる限り、政策金利を「長期にわた り」ゼロ近辺で維持することを示唆した。

5年債入札の応札倍率は2.81倍と、2007年9月以来の最高と なった。

キャンター・フィッツジェラルドのチーフ債券ストラテジスト、 ジョージ・ゴンキャルベス氏は「特に失業率の統計が出た後、当局 はさらにハト派的になった。低金利を維持する期間が長くなる方に 傾いている」と指摘。「入札の規模は関係なく、需要は強くなるばか りだ」と語った。

BGキャンター・マーケット・データによると、既発の5年債 利回りはニューヨーク時間午後4時14分現在、前日比7ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.10%。5年債(表面利 率2.375%、2014年10月償還)価格は11/32上昇の101 9/32。

2年債利回りは6bp低下の0.73%。10年債利回りは4bp 低下の3.31%。

FOMC議事録によると、メンバーは来年10-12月(第4四 半期)の失業率を9.3-9.7%と予想。6月時点の9.5-9.8%から 下方修正した。FOMCの二日後に労働省が発表した10月の失業 率は10.2%と26年ぶりの高水準に上昇した。

5年債入札

5年債入札の最高落札利回りは2.175%と、入札直前の市場予 想の2.208%を下回った。海外の中央銀行を含む間接入札の落札に 占める割合は60.9%と、6月以降で最高。

RBSセキュリティーズの米国債ストラテジスト、ウィリアム・ オドネル氏は「米国債の出来高が過去数週間、全般的に減少してい ることを考えると、入札結果はかなり驚異的だ」と述べた。

前日の2年債入札(規模440億ドル)では最高落札利回りが

0.802%とこれまでの最低を記録。25日の7年債(同320億ドル) を含め、今週の入札による発行総額は1180億ドルと過去最高。

経済指標

第3四半期(7-9月)の実質国内総生産(GDP、季節調整 済み、年率)改定値は前期比年率2.8%増加と、速報値の3.5%増 から下方修正された。これを受けて、FOMCが政策金利が過去最 低水準付近で維持するとの観測が強まり、短期国債も上昇した。

全米20都市を対象にした9月の米スタンダード・アンド・プ アーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で

9.36%低下したが、予想は上回った。季節調整後の前月比では

0.27%上昇した。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は8日続伸。ドルがさらに下落すれば中 銀や投資家は代替投資先としてより多くの金を買うとの見方から需要 が高まった。

金は前日、1オンス=1174ドルを付け、過去最高値を更新した。 主要6通貨のバスケットに対するICEのドル指数の下げ幅が過去 2週間で最大となったほか、ロシア中銀が10月の金保有量は前月 から増加したと発表したことが背景。ドル指数は年初から7.7%下 げている。前日にはまた、金連動型ETF(上場投資信託)として は最大の「SPDRゴールド・トラスト」の金保有量が6月以来の 高水準に達した。

プロスペクター・アセット・マネジメントのレナード・カプラ ン社長は「米連邦準備制度理事会(FRB)が超低金利政策を維持 すると繰り返せば、ドルが下げ、金が上昇することになる」とした たうえで、「だが、金が短期的に下げる可能性は十分にある」と語っ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物12月限は前日比1.10ドル(0.1%)高の1オンス=1165.80 ドルで取引を終了した。一時は0.6%上昇する場面も見られた。年初 からは32%上昇しており、このままいけば年間ベースの上げ幅は 1979年以来の最高となりそうだ。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は下落。第3四半期(7-9月)国内総生 産(GDP)が速報値から下方修正されたほか、原油の供給増加をめ ぐる懸念から売りが優勢となった。

米商務省が発表した7-9月のGDP改定値は前期比年率2.8% 増と、速報値の3.5%増から下方修正された。また、ブルームバー グ・ニュースがまとめた調査では、米エネルギー省が25日に発表 する20日に終わった週の原油供給は150万バレル増加したと見込 まれている。

MFグローバル(ニューヨーク)のエネルギー担当バイスプレ ジデント、マイク・フィッツパトリック氏は「経済統計の不調が続 く限り、原油相場は圧迫されるだろう」と指摘。「市場は最近のレン ジの下限に向かっており、早晩この水準割れを試す展開となりそう だ」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物1月限は前 日比1.54ドル(1.99%)安の1バレル=76.02ドルで終了した。 年初からの上げ幅は70%。10月15日以降は1バレル=74.79ドル から82ドルのレンジで推移している。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は下落。ドイツのIfo経済研究所が発表した11 月の独企業景況感指数が1年3カ月ぶり高水準を記録したが、第3四 半期の米国内総生産(GDP)改定値で個人消費の伸びが予想を下回 ったことから売りが優勢となった。ダウ欧州600指数は前日、過去5 週間で最大の上げを記録していた。

スイスの銀行、UBSは下落。BOAメリルリンチ・グローバ ル・リサーチが最も好まない銘柄リストに加えたのが嫌気された。フ ランスの電気機器メーカー、ルグランも大幅下落。同社の2大株主が 持ち株比率を引き下げたのが売り材料だった。

一方、欧州小売り最大手、フランスのカルフールは上昇。JPモ ルガン・チェースが同社の株式投資判断を引き上げたのが背景。

ダウ欧州600指数は前日比0.7%安の246.88で終了。今年3 月9日以降では56%値を戻した。

アジリ・ジェスションのファンドマネジャー、アルノー・スカ ルパチ氏は「経済統計は景気の強弱が混在した内容だ。ボラティ リティーが高く、相場の方向性が見えない。慎重な姿勢を維持するの が最善だ。相場の流れは一瞬にして変わる可能性もある」と述べた。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではドイツ債相場が上昇。この日発表された米国内総 生産(GDP)改定値が速報値から下方修正されたことや、銀行が資 本強化を余儀なくされるとの懸念から株式相場が下落し、安全資産と しての国債需要が高まった。

10年債利回りは一時、ここ3週間で最低の水準となった。ドイ ツ3位の州立銀行WestLBに対する救済の枠組みで同行株主間で 意見が割れているなか、WestLBが同国政府と救済計画に関する 協議を進めていることが材料視された。米国の第3四半期GDP改定 値は前期比年率2.8%増加と、速報値の3.5%増から下方修正された。

エボリューション・セキュリティーズの信用調査責任者、ゲーリ ー・ジェンキンス氏(ロンドン在勤)は「経済データは改善している が、決定的な持続的回復を示すものではない。これは10年債には支 援要因だ。短期債も買われている」と語った。

ロンドン時間午後4時14分現在、10年債利回りは前日比2ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し3.25%。一時は3日 以来の低水準となる3.24%を付けた。同国債(表面利率3.25%、 2020年1月償還)価格は前日比0.18ポイント上げ99.99となっ た。2年債利回りは1.31%と、前日を3bp下回った。

◎英国債市場

英国債相場は上昇。2年債利回りは前日比1ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の1.21%。10年債利回りも1bp 下げ3.65%となった。

英公債管理局(DMO)によれば、2022年償還の国債(表面利 率4%)37億5000万ポンドの入札結果は、応札倍率が1.95倍と なった。6月の入札では1.69倍だった。

イングランド銀行のキング総裁は同日、英経済は「深刻な試練」 に引き続き直面していると発言。これを受けてポンドは対ユーロでほ ぼ2週ぶり安値に接近した。

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