米株式市場:大型株への資金シフト鮮明に-ドル安でダウ平均が好調

3月以降の米株式市場の上昇局 面で初めて大型株が小型株を上回る値動きを見せている。ドル安で、 海外事業の割合の多い企業に投資マネーがシフトしているためだ。

大型株の指標、ダウ工業株30種平均の今四半期の上昇率は

7.6%と、S&P小型株600指数の0.8%安に比べて好調だ。構成銘 柄の時価総額中央値はダウ平均が1161億ドル(約10兆3000億円) に対し、小型株指数は5億8340万ドル。ダウ平均は3月9日の安値 以降の上昇率では、小型株指数のリターンを26ポイント下回ってい る。

大型株がここにきて優勢なのは海外売上高が大きいことが理由。 ブラジルや中国などの新興国の経済成長は米国を上回っている上、ド ル安でキャタピラーやフォード・モーター、マクドナルドなどの大企 業は海外収入のドル転換で為替差益を得ている。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)傘下のUSトラストのチーフ 投資責任者、クリス・ハイジー氏は「多国籍の大企業で、ドル安の恩 恵を受けるドル以外の通貨建て収入がある銘柄で好調が目立つ」と述 べ、こうした傾向について「多くの人々が考えるよりも長続きするだ ろう。来年に消えるようなものではない」と指摘した。

大型株へのシフト

ドルは3月以降下落してきたが、ダウ平均の好調さが目立つよう になったのは今四半期なってからだ。ワッデル・アンド・リード・フ ァイナンシャルのヘンリー・ハーマン最高経営責任者(CEO)は、 投資家が現在、比較的大型の銘柄を購入しているのは株価上昇の鈍化 懸念が背景にあると指摘する。S&P500種株価指数の10月の騰落 率は2月以来初のマイナスだった。

BOAのデータによると、大企業の売上高の海外割合は約33% に対し、小規模企業の海外割合は20%にとどまる。2008年の海外売 上高が全体の66%だった建設機械メーカー最大手のキャタピラーの 株価は今四半期に13%値上がりしている。同社と競合するコマツの 株価は2.4%高にとどまっている。海外事業比率が51%の自動車メ ーカー、フォードは今四半期の上昇率が21%。韓国の同業、ヒュン ダイモーターカンパニー(現代自動車)は10%安。韓国ウォンはア ジア主要10通貨の年初来上昇率で2位となっている。

海外売上高比率が66%のファストフード世界最大手マクドナル ドの株価は9月末以降12%上昇したのに対し、「レッドロブスター」 などの飲食店チェーンを展開する同比率が3.6%のダーデン・レスト ランツの株価は6.8%値下がりしている。

ハーマン氏は「投資家が見極めようとしているのは、どの企業に 価格決定力があり、どこに売上高の伸びが期待できるか、どこに市場 拡大の余地があるかなどであり、これらの疑問の大半の答えは大型の 優良株に行き着く」と指摘した。

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