日本株は輸出と金融中心下落、円高や政策不十分で景気二番底を警戒

東京株式相場は下落。円高や政府 の経済対策の不十分さなどから、景気の二番底リスクが警戒された。 電機や自動車などの輸出株が売られ、根強い増資懸念も逆風となった 銀行や証券など金融株も安い。

日経平均株価の終値は前週末比96円10銭(1%)安の9401円 58銭と7月17日以来、TOPIXは同9.49ポイント(1.1%)安の

829.22と4月28日以来のそれぞれ安値水準。

しんきんアセットマネジメント投信の鈴木和仁ストラテジストは、 「米国で出口戦略が見えてこないと、日本経済の最大のネックである 円高・ドル安の反転トレンドは見込みづらい」と指摘。また、相場の ネガティブ要因として強く意識されている民主党政権の経済政策につ いては、「事業仕分けでの予算削減に躍起で、成長戦略が見えにくい」 と話した。

この日の東京外国為替市場は、1ドル=88円台後半と直近の円 高・ドル安水準で推移した。日本銀行による企業短期経済観測調査(短 観、9月調査分)によると、2009年度の輸出企業の想定為替レートは 1ドル=94円50銭。この水準から6円近く円高の現状は、輸出企業 の業績下押し要因になると警戒され、ファナックや京セラが終日弱く、 ダイキン工業、トヨタ自動車も徐々に売りに押された。

また、今後の追加増資による1株価値の希薄化や株式需給悪化に 対する根強い警戒感を背景に、三井住友フィナンシャルグループ、み ずほフィナンシャルグループなど大手銀行株が下げ、大和証券グルー プ本社など証券株、T&Dホールディングスなど保険株も売られた。 銀行株については、格付け会社のフィッチ・レーティングスが日本の 大手3銀行グループに関し、貸出資産の質の悪化と資本基盤に懸念を 示していた。

寄り付き天井

この日は日経平均、TOPIXとも小高く始まったものの、すぐ にマイナス圏に転じた。取引開始直後に株価指数先物へ断続的な大口 売り注文が入ったことをきっかけに、現物株にも裁定取引に絡む売り 需要が発生、株価指数を押し下げた。日経平均は始値(13円高の9511 円)が高値となった。

野村証券の佐藤雅彦エクイティ・マーケットアナリストは、前日 のダウ工業株30種平均が年初来高値を更新したにもかかわらず、大証 の20日通常取引終値9490円に比べ60円高にとどまった米シカゴ先物 市場(CME)の日経平均先物12月物(円建て)にもさや寄せできな かった点に言及。「足元の日本株の弱さを象徴している」と指摘した。

米株上昇を追い風にできない背景として、「円高などの逆風により 景気が二番底に落ち込むことへの警戒感が高まっているほか、デフレ に対抗する政策の不在、相次ぐ増資による需給懸念といった日本独自 の悪材料が重なっている」と、佐藤氏は見る。

信用期日到来も重荷

東洋証券情報部の大塚竜太部長によると、「ジーエス・ユアサ コ ーポレーションなど6月に信用取引の買いが大幅に増えた銘柄が一斉 に手じまいを必要とする期日を迎え、売りが出やすくなっていること も無視できない」という。この日のGSユアサは7.6%安の608円と、 ほぼ7カ月ぶりの安値水準まで売り込まれた。

日経平均は、前週末20日の取引時間中の安値9423円も割り込ん で終了。今後は200日移動平均線(9350円)を支持線として下げ止ま るか、が注目されている。「200日線をあっさり割り込むようだと弱気 心理が強まり、株価の二番底を形成した7月安値(9050円)も視野に 入ってくる」と、立花証券の平野憲一執行役員は警戒感を示す。

東証1部の売買高は概算で18億2702万株、売買代金は1兆1622 億円。値下がり銘柄数が1277、値上がりは327。業種別33指数はその 他金融、空運、銀行、海運、建設、ゴム製品など31業種が下落、上昇 は電気・ガス、非鉄金属のわずか2業種。

森精機や日航が急落、アイネス急伸

個別では、最大182億円の公募増資を実施する森精機製作所がス トップ安(制限値幅の下限)。三井物産が保有株すべてを4-9月期に 売却したことが明らかになった日本航空は急落し、上場来安値を更新。 日航系の商社であるJALUXも大幅安。格付け会社のムーディー ズ・インベスターズ・サービスが長期発行体格付けなどをC格に引き 下げた武富士、販売している医療機器「自動体外除細動器(AED)」 の自主改修を実施することになった日本光電も下げがきつい。

半面、アナリストの強気判断をきっかっけに買われる銘柄が目立 ち、民主党政権が掲げる「子ども手当て」の実施に関連してシステム 需要が見込めると、みずほ証券が指摘したアイネスが急伸。コスモ証 券が投資判断を「中立プラス」で調査を開始した酉島製作所が買われ、 クレディ・スイス証券やマッコーリー証券が投資判断を「アウトパフ ォーム」に引き上げた旭硝子、野村証券が投資判断を「2(中立)」か ら「1(買い)」に上げた住友電気工業も高い。

新興3指数は反落、上場2日目のFOIストップ安

国内新興3市場では、ジャスダック指数が前週末比0.25ポイント (0.6%)安の45.10と3営業日ぶりに小反落。東証マザーズ指数は

4.81ポイント(1.3%)安の379.65、大証ヘラクレス指数は6.40ポイ ント(1.2%)安の513.61とともに反落。

個別では、セブン銀行、第一精工が売られ、ACCESS、マネ ーパートナーズグループも安い。新規上場2日目となるエフオーアイ はストップ安。半面、発行済株式数の2.97%を上限に自社株買いを実 施するフィールズが大幅高。09年12月期に社債買入消却益61 億円を 特別利益に計上する、と20日に発表した日本エスコンも買われた。

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