FRB利上げ開始後もドル下落は止まらず-金融機関の有力予測

米ドル相場を最も正確に予想した 金融機関の間では、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを開始 してもドルは引き続き下落するとの見方が有力だ。

スタンダード・チャータード銀行、HSBCホールディングス、 スコシア・キャピタルなど4社は、米ドルはユーロに対し最高7.1% 下落すると予想している。12兆ドル規模の財政・金融支援策や世界最 低水準の政策金利、4兆ドルと過去最高に上る2009-10年の国債発行 額が米ドルへの重しとなる見込みだ。さらに、10.2%の失業率、景気 回復の足取りが失速しかねない兆しを見せていることも響くもようだ。

スタンダード・チャータードの為替ストラテジー担当責任者カラ ム・ヘンダーソン氏(シンガポール在勤)は「歴史的に見てFRBの 利上げ開始から12カ月経過するまで米ドルは持続的な上昇を始める はずがない」と指摘する。

同社は、6月30日まで6四半期のドル・ユーロ相場をめぐる予想 でブルームバーグが先月、集計した46社の中で最も正確な結果を出し た。同社はドルが2010年にユーロに対し5.9%下落し、先週末の1ユ ーロ=1.4862ドルから同1.58ドルになるとみている。

また、ヘンダーソン氏は「市場からドルの余剰分が引き揚げられ るまでには時間がかかろう。FRBが他の主要国の政策金利の水準以 上に利上げしない限り引き続きドルは軟調に推移する」と指摘する。

10カ国・地域(G10)の経済指標をめぐりブルームバーグがエコ ノミスト最高60人を対象に行った予想調査の結果(中間値)では、米 国など5カ国が利上げを2010年半ばまで見送るとみられる。利上げの 時期はFRB、欧州中央銀行、イングランド銀行(英中銀)、スイス国 立銀行(中央銀行)は来年の第3四半期で、日本銀行は少なくとも11 年3月まで0.10%に据え置くことが予想される。

スコシア・キャピタルの通貨ストラテジスト、カミラ・サットン 氏(トロント在勤)は米国の政策金利はドル建て資産の魅力を下げて いくことになると指摘。ブルームバーグ調査でスコシア・キャピタル はドル・スイスフラン相場で最も正確に予想した実績があるが、10年 末のドルの対ユーロ相場は1ユーロ=1.60ドルとみている。「ドルは 利上げをめぐる短期の競争に負け、それから長期の競争にも敗北する」 と、カミラ氏は予想する。

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