【今週の債券】堅調か、デフレ宣言で緩和観測-長期金利1.3%の攻防

今週の債券相場は堅調(利回りは 低下)な展開が予想される。政府が3年ぶりにデフレ宣言したことで、 日本銀行による追加金融緩和観測が出ており、相場の支援材料となり そうだ。

シティグループ証券の佐野一彦チーフストラテジストは、新発10 年債利回りは1.3%を挟んだ攻防になると指摘した上で、「債券相場が 上昇しやすい構図は続くと考えている」との見方を示した。

ブルームバーグ・ニュースが20日夕までに市場参加者3人から聞 いた今週の新発10年債利回りの予想レンジは全体で1.25%から

1.35%となった。基本的に前週末の終値1.305%を挟んだ推移が見込 まれる。

前週の債券相場は堅調。20年利付国債の入札結果が順調だったほ か、株価の軟調推移を受けて買いが優勢になり、新発10年債利回りは

1.3%を割り込み、20日には1.285%と約1カ月半ぶりの低水準をつけ た。そこでは金利水準の低さが警戒されて売りが出ており、前週末の 終値は1.305%と1.3%台に戻した。

政府は20日、11月の月例経済報告で、日本経済は緩やかなデフ レ状況にあると認定。一方、日銀は同日に開いた金融政策決定会合で、 政策金利の据え置きを決めたほか、声明で景気は「持ち直している」 として、前月の「景気は持ち直しつつある」から情勢判断を前進させ た。

政府と日銀との景気認識に対する温度差が示された格好だが、シ ティグループ証の佐野氏は「市場は政府のデフレ認定が、日銀の追加 緩和圧力になるとみている」と指摘する。実際、菅直人経済財政担当 相は20日の会見で、「日銀との政策的な協調、金融面からのフォロー を期待する」と述べ、金融政策による景気の下支えを求めた。

低金利継続や国債買い入れ増額

みずほインベスターズ証券の落合昂二シニアマーケットエコノミ ストは、求められる具体的な日銀の政策対応として、超低金利策継続 への強いコミットメント(約束)と国債買い入れの増額を挙げ、債券 相場は 「政策次第で動意づく可能性がありそうだ」との見方を示した。

もっとも、今年度2次補正予算や来年度予算編成に伴う国債増発 額が不透明のため、新発10年債利回りの1.2%台半ばからの低下余地 も 乏しい。トヨタアセットマネジメントの浜崎優シニアストラテジス トは 「今週は株価が下げ止まりを示すとみており、予想以上の円高と ならない限り、長期金利は1.3%を挟んだ推移になる」という。

2年入札に注目、無難な結果か

材料では、25日実施の2年利付国債の入札が注目だ。今回から増 額されるほか、新発2年債利回りは前週に0.23%と約1カ月ぶり水準 まで低下しており、水準面での魅力も欠ける。半面、政府のデフレ宣 言で、市場のテーマが需給から景気の先行き不透明感に移っており、 一定の需要が見込まれることから、無難な結果となりそうだ。

シティグループ証の佐野氏は「追加金融緩和も期待される状況下 では、入札に対する不安は乏しい」と指摘。仮に低調な結果となって も、その後の流通市場ですぐに買いが入るのではないかともいう。

前週末の入札前取引では0.255%程度で推移しており、新発2年 国債の表面利率(クーポン)は前回債と同じ0.3%が予想される。相 場が上昇すれば前回債より0.1ポイント低い0.2%となる可能性もあ る。発行額は前回債より2000億円増の2兆6000億円程度。

市場参加者の予想レンジとコメント

20日夕までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは、以下の 通り。先物は中心限月12月物、新発10年国債利回りは303回債。

◎DIAMアセットマネジメント・山崎信人エグゼクティブファンド マネジャー 先物12月物138円70銭-139円70銭

新発10年債利回り=1.25%-1.35%

「2年債の入札は大丈夫だろう。買い遅れた投資家による買いが 入るかどうかが焦点。消費者物価、家計調査などの経済指標は材料に ならないと思う。米国債は落ち着いており、感謝祭の祭日を控えてい るので動かないのではないか。月末の保有年限長期化の買いが入ると みられており、超長期債の需給については、11月中は良いとみている」

◎大和住銀投信投資顧問・横山英士ファンドマネジャー

先物12月物138円90銭-139円60銭

新発10年債利回り=1.28%-1.32%

「長期金利は1.3%を挟んだ推移ではないか。金利低下が速かっ ただけにさすがに新規買いには慎重にならざるをえないが、月末にあ たって年限長期化の需要が見込める。短期的には需給悪化への懸念も 解消されつつある。投資家はしばらく押し目買いのスタンスで臨むも のの、株価が一段安の展開となればやむなく債券買いに動いてくるだ ろう」

◎トヨタアセットマネジメント・浜崎優シニアストラテジスト

先物12月物138円75銭-139円75銭

新発10年債利回り=1.25%-1.35%

「新発10年債利回りで1.3%付近での推移か。最近1カ月は、財 政リスクで売られて、株安や景気の先行き不透明感から買われるとい う値動きの激しい展開。1.3%は夏場からの取引滞留時間が長く、居心 地の良い水準とみている。今週は株価が下げ止まりを示すとみており、 予想以上の円高とならない限り、債券相場は落ち着いた値動きだろう」

--取材協力:赤間信行、池田祐美 Editors:Chiaki Mocizuki,Masaru Aoki

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