11月20日の海外株式・債券・為替・商品市場(Update1)

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルがほとんどの主要通貨に対し て上昇。対ユーロでは続伸した。年末を控え、損失の可能性を軽減す るためリスク資産を売る動きが活発化した。

円も対ユーロで上昇。米国をはじめドイツや日本の株価指数が下 落したことがきっかけ。ドルは円に対しては週間ベースで4週連続安 となり、ほぼ6週間ぶりの安値水準で取引されている。米連邦準備制 度理事会(FRB)が経済成長の支援に向け、政策金利をゼロ付近で 維持するとの観測が背景にある。

ウェルズ・ファーゴの為替ストラテジスト、ヴァシーリ・セレブ リアコフ氏(ニューヨーク在勤)は「市場ではリスク資産の持ち高を 減らす動きがみられる」と指摘。「ドルはその恩恵を受けている」と 述べた。

ニューヨーク時間午後3時35分現在、ドルは対ユーロで前日比

0.4%高の1ユーロ=1.4865ドル(前日は同1.4925ドル)。一時は

1.4802ドルを付けた。円は対ユーロで0.6%高の1ユーロ=132円 7銭(前日は同132円79銭)。週間ベースでは1.2%の値上がり。 ドルは対円でほぼ変わらずの1ドル=89円1銭(前日は同88円97 銭)。

ドルは週間ベースでは、対ユーロで0.3%高。対円では0.7%安。

ニュージーランド・ドルは対円で1.2%安。スウェーデン・クロ ーナは対ドルで0.9%値下がり。株価下落を受け、低金利通貨で調達 した資金を高金利通貨で運用するキャリー取引の解消が進んだ。政策 金利が米国では0-0.25%、日本では0.1%であることから、ドルと 円が調達通貨として選好されている。

S&P500種株価指数は下落。MSCI世界指数は0.6%下げ、 週間ベースでは1.1%値下がりした。

中国の見通し

中国の人民元のフォワード(先渡し)は週間ベースで10カ月ぶ りの大幅下落。国際社会からの人民元の上昇容認要求を中国がはねつ けるとの観測が背景。中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁はこの 日北京でのフォーラムで、中国はドルの水準に関して「受身の立場」 にあるとの認識を示し、人民元相場に対するコントロールを緩める用 意がないことを示唆した。

オバマ米大統領は今週の訪中の際、中国側に対し人民元の上昇を 容認するよう求めた。一方、中国の胡錦濤国家主席はオバマ大統領と の共同記者会見で、同通貨のドル連動について発言しなかった。

中国銀行のアナリスト、石磊氏(北京在勤)は「周総裁の発言は、 中国が短期的には人民元の上昇を容認しないことを示唆している可能 性がある」と指摘した。

円が上昇

円もユーロを含む主要通貨に対して上昇した。日本銀行はこの日 開いた金融政策決定会合で、政策金利を据え置いた。日銀はまた、景 気は「持ち直している」として、3カ月連続で情勢判断を上方修正し た。

RBCのクローバル為替戦略責任者、アダム・コール氏(ロンド ン在勤)はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「米金 利の引き上げがない限り、円が著しく売られることはないだろう」と 述べた。

金利先物市場動向によると、FRBが6月の米連邦公開市場委員 会(FOMC)で政策金利を引き上げる確率は28%。1カ月前の同 確率は68%だった。

◎米国株式市場

米株式相場は3日続落。デルやD.R.ホートンの決算がアナリ スト予想を下回ったことが売り材料だったほか、欧州中央銀行(EC B)が緊急資金供給策を段階的に引き揚げるとの懸念も売りを誘った。

S&P500種株価指数は0.3%安の1091.38。デルを中心にテク ノロジー株が値下がりした。同指数は週間ベースで0.2%安。10月 以来で初めて下落した。ダウ工業株30種平均は前日比14.28ドル (0.1%)下げて10318.16ドル下落。週間ベースでは0.5%高だっ た。

イースタン・インベストメント・アドバイザーズ(ボストン)の 最高投資責任者(CIO)、ジョン・カッター氏は「日々の取引です べてのリスク資産は同じ方向に動いている。ドルはその反対の動きを 示している。株価は多くの良いニュースを織り込んだ。ファンダメン タルズを考慮した場合、おおむね適正水準にある」と語った。

この日はファイザーやメルクを中心に製薬株が上昇したほか、食 品メーカー、J.M.スマッカーなど生活必需品株も買われたことか ら、相場全体の下げは限定的となった。

S&P500種は3月に付けた12年ぶりの安値から最大64%上昇。 17日には終値ベースで1年1カ月ぶりの高値を付けた。

デルが安い

デルは10%安まで売り込まれた。同社8-10月(第3四半期) 利益は前年同期の半分以下に落ち込んだ。S&P500種テクノロジー 株価指数は0.6%下落した。

リッジワース・キャピタル・マネジメント(運用資産600億ド ル)のシニア投資ストラテジスト、アラン・ゲイル氏は「経済成長が 鈍い環境のなかで、堅調な業績を続ける企業と落ち込む企業がある。 市場参加者は厳しい環境下でどの事業モデルが生き残るかを見極めよ うとしており、デルのビジネスモデルはこれまでのように効果的では ないことがはっきりと示された」と述べた。

住宅建設のD.R.ホートンは15%の大幅下落。S&P500種 銘柄の中で最大の下げだった。同社の7-9月(第4四半期)決算で 1株当たり損失額は73セントと、ブルームバーグがまとめたアナリ スト予想平均の3倍だった。住宅建設株価指数12銘柄のうち11銘 柄が売られた。パルト・ホームズやレナー、KBホームはいずれも下 落。

J.M.スマッカー

J.M.スマッカーは5.4%高だった。8-10月(第2四半 期)決算は一部項目を除く1株当たり利益がアナリスト予想を上回っ た。コーヒーの売り上げが好調だった。

S&P500種採用企業で第3四半期決算を発表した企業のうち、 1株当たり利益がアナリスト予想平均値を上回った企業の割合は 80%に上る。

百貨店チェーンのディラーズは上昇。ドイツ銀行が同社の株式投 資判断を「ホールド」から「買い」に引き上げ、株価目標も上方修正 したのが好感された。

◎米国債市場

米国債市場では2年債利回りが一時、年初来の最低水準に低下し た。経済成長見通しに対し、高リスク資産の上昇が行き過ぎたとの懸 念が広がったほか、米金融当局者が低金利の維持を示唆したことが材 料。

19日には3カ月物Tビル(財務省短期証券)レートが一時、昨 年の信用市場の凍結以来で初めてマイナスに転じた。S&P500種株 価指数は3月に付けた12年ぶり安値から62%上げており、株価収益 率(PER)は約22倍と、2002年以来の高水準となっている。2 年債は年末に向け金融機関がバランスシート改善のため買いを進める 中、週間ベースでは今月最大の上昇。

RWプレスプリッチの政府・機関債トレーディング担当マネジン グディレクター、ラリー・ミルスタイン氏は「政策金利の低水準維持 が見込まれるほか、経済が依然として問題を抱えていることを踏まえ、 投資家は今年のリターンを確定しようと動いている。そうしたことか ら安全資産買いが見られる」と指摘した。

2年債利回りは一時0.67%と、昨年12月以来の低水準を付けた。 BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午 後4時6分現在は0.72%。週間では9ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01ポイント)低下と、10月30日終了週以降で最大の下げ。 2年債(表面利率1%、2011年10月償還)価格は今週、5/32上昇 し、100 17/32。

ブルームバーグのデータでは、3カ月物Tビルのレートは

0.005%と今週は5bp低下した。10年債利回りは週間で6bp下げ て3.36%。

マイナスのリターン

メリルリンチ・グローバル・ソブリン・ブロード・マーケット・ プラス指数によると、世界の国債利回りの平均は19日に2.20%と、 8月の2.50%から低下。

リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの破たんを受けて投資 家が元本の確保に動く中、Tビル金利は昨年12月、1929年の発行 開始以来で初めてマイナスを記録した。

事情に詳しい複数の関係者によれば、米連邦準備制度理事会(F RB)当局者は、米大手行が世界的な資産価格上昇の反転を確実に乗 り切れるよう、監督を強化しつつある。

監督当局はJPモルガン・チェースやモルガン・スタンレー、ゴ ールドマン・サックス・グループといった大手行がリスクに対する十 分な資本を備えているか、カウンターパーティー(取引相手)の健全 性についてどれだけ認識しているか、またリスクマネジャーが銀行の 業務や方針に影響を与える権限を持っているかについての精査を進め ている。

株式市場では、先進国と新興市場国の銘柄で構成するMSCI・ AC世界指数が3月9日に付けたリセッション(景気後退)入り後の 安値から70%上昇。ニューヨーク金先物相場は18日に一時、オンス 当たり1153.40ドルと過去最高値を付けた。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は6営業日続伸。ドルが下落し、代替投 資としての金の魅力が高まるの観測が背景。

ドルは今月16日に主要通貨バスケットに対して1年3カ月ぶり 安値をつけた。20日の外国為替市場ではドルが最大0.8%値上がり している。金は18日にオンス当たり1153.40ドルと最高値を更新、 今月15営業日のうち、値下がりしたのは1日だけ。年初からは30% 上昇している。

R.F.ラファーティ(ニューヨーク)のマーティー・マクニー ル氏は「市場参加者はドルがまだ底値ではないとみており、金に買い を入れている。ドルが上昇すれば利益を確定するための売り材料とな る。ドルの下落は金にとって買いの好機だ」と語る。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前日比4.9ドル(0.4%)高の1オンス=1146.80ドルで取 引を終了した。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は続落。ドルがユーロに対して上昇し、原 油の投資妙味が薄れたほか、株式の下落も売り材料だった。

ドルが過去4営業日のうち3日上昇したことから、原油は一時、 最大1.6%値下がりする場面があった。欧州中央銀行(ECB)のト リシェ総裁が同中銀は緊急措置として経済に注入した流動性がインフ レを誘発することを防ぐため、この流動性を徐々に引き揚げると表明 したことを手掛かりに、株式相場が下落した。米デルの決算が市場予 想を下回る利益だったことも嫌気された。

リターブッシュ・アンド・アソシエーツ(イリノイ州ギャレー ナ)のジム・リターブッシュ社長は、「ドルの上昇でもう一段階、原 油は値下がりするだろう。地合いはどこも弱気になっている」と述べ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前 日比0.74ドル(0.96%)安の1バレル=76.72ドルで終了した。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は4日続落し、ここ4カ月で最長の下げとなった。 欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁が緊急流動性供給策の解除を 示唆したことが手掛かりとなった。

ギリシャ国立銀行などのギリシャの銀行株が安い。ECBはこの 日、市中銀行向け融資の担保として受け入れる証券について、基準の 厳格化を発表した。

英国のハマーソンとブリティッシュ・ランドを中心に不動産関連 株が下げた。英住宅金融最大手のネーションワイド・ビルディング・ ソサエティが失業増加で、来年の住宅価格が下落する可能性があると の見通しを示したことが売りにつながった。

大手旅行会社のTUIトラベルとトーマス・クック・グループは 大幅安。モルガン・スタンレーが両銘柄の投資判断を引き下げたこと が嫌気された。

ダウ欧州600指数は前日比0.8%安の243.62で終了。週間ベー スでは1.7%下げた。同指数は3月9日の水準からは54%上昇して いる。

7インベストメント・マネジメント(ロンドン)のディレクター、 ジャスティン・スチュワート氏は、「ますます多くの市場関係者が今 年の線引きをしているほか、リスク水準が高まりつつあることを受け、 取引高は減少している」と指摘した。

20日の西欧市場では、18カ国中15カ国の主要株価指数が下落。 ダウ・ユーロ50種指数は前日比1%安、ダウ・欧州50種指数は

0.8%下げた。

◎欧州債市場

欧州債市場では10年債相場がほぼ変わらず。週間ベースでは3 週間ぶりに上昇に転じた。ドイツ生産者物価の低下を受けて、株価の 上昇ペースに経済成長が追いつかないとの見方が広がった。

ドイツ連邦統計庁が発表した10月の生産者物価指数は、前年同 月比7.6%低下と、低下幅がエコノミスト予想を上回った。欧州株は 下げ、ドイツ国債に対する周辺諸国の国債の利回り格差(スプレッ ド)は拡大した。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニック・ スタメンコビッチ氏は「世界経済に対する先行き懸念感が強まってい る」と指摘。「こうした環境では国債相場は引き続き堅調に取引され るだろう」と語った。

ロンドン時間午後4時45分現在、10年債利回りは前日比1ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.26%。同国債(表 面利率3.25%、2020年1月償還)価格は0.09ポイント上げ99.94 となった。週間ベースでは12bp低下。2年債利回りは1.33%と、 前日を3bp上回った。

◎英国債市場

英国債相場は上昇。10年債利回りは前日比2ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の3.63%。週間ベースでは16bp下 げた。

2年債利回りも1.24%と、前日から2bp低下した。13日に比 べると10bp下回っている。

この日のポンドは、ドルとユーロ、円に対して下落。19日に発 表された10月の英財政赤字が同月としては過去最悪となったことを 受け、同国の景気回復に打撃を与えるとの見方が広がったことが背景 にある。対ドルでは2週間余りで最低の水準となった。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net Editor: Yoshito Okubo 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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