トリシェ総裁:ECBはインフレ抑止のため流動性引き揚げる

欧州中央銀行(ECB)のト リシェ総裁は20日、同中銀は緊急措置として経済に注入した流動性 がインフレを誘発することを防ぐため、この流動性を徐々に引き揚げ ると表明した。

同総裁はフランクフルトでの会議で、「ECBが実施した流動性 措置のすべてについて、今までと同じ度合いの必要性があるわけでは ない」とし、「非伝統的措置のうち、その継続が物価安定への脅威と なるものはいずれも、迅速かつ完全に解除する必要がある」と語った。

トリシェ総裁は既に、ECBが1年物資金の入札を3回目となる 12月を最後に継続しないことを示唆している。ECB政策委員会メ ンバーのクアデン・ベルギー中銀総裁も今週、来年は3カ月物と6カ 月物資金入札の頻度を減らす方針をほのめかした。当局者らは同時に、 緊急措置の引き揚げが必ずしも近い将来の利上げを示唆しないことも 強調している。

ユーロ圏経済は7-9月(第3四半期)に0.4%成長となりリセ ッション(景気後退)を脱したが、引き締まった与信環境や財政によ る景気対策の終了、失業増、ユーロ高など回復への逆風に直面してい る。

トリシェ総裁はこの日、「危機の終了を宣言するのは時期尚早 だ」とし、「最近の金融市場の動向は以前より穏やかだが、この展開 は当局からの大量の支援によって支えられている」と語った。中銀か らのこの例外的な支援が「民間部門がそのような支援に長期的に頼る ことにつながってはならない」と戒め、「その理由から、現行の非伝 統的政策措置は徐々に解除していくことが必要だ」と指摘した。

また、資産価格の急上昇に対して過去に中銀がとってきた「様子 見」のアプローチには「限界」があり、「モラルハザードを生み出 す」リスクがあることが分かったとし、「必要なのはより対称なアプ ローチだ。資産価格バブル破裂の結果に対処するのと同様に、資産価 格ブームの出現を抑える政策が必要だ」との考えを示した。「資産価 格に目標を設定したり機械的に対応するべきでないのは自明だ」と 付け加えた。

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