社債市場、2週間ぶり再開に投資家飛びつく-野村債など

社債発行市場が2週間ぶりに再開 した。発行利回りの条件は、国債などの基準金利に対する金利上乗せ幅 (スプレッド)が発行体寄りとなっており、デフレで運用難に陥ってい る投資家が品薄状態の社債に飛びつくという構図がうかがえる。

この日は、高格付けの電源開発や都市再生機構、野村ホールディン グスなどが起債に踏み切った。政府がこの日行った2006年6月以来の 「デフレ宣言」を示唆するかのように発行金利は低水準で決まった。

主幹事証券が発表した資料によると、電源開発は10年物の国内普 通社債(SB)200億円を募集。電力関連の事業債は約1カ月半ぶりと なる。国債に対するスプレッドは+11bp、利回り曲線(カーブ)対比で は+9bp程度で、10月9日起債の中部電力債の+11bp程度と比較して、 約2bp程度縮小した。格付けはムーディーズのAa2、S&PのAA、 格付投資情報センター(R&I)のAA+、日本格付研究所(JCR) のAAAを取得した。

共同主幹事によると、国債+10bp程度の発行利回り条件で投資家 にヒアリングを実施したうえで、+11bpから+12bpで需要調査を行っ た。久しぶりの電力関連の銘柄であることや、金利が上昇しづらい環境 の中だけに念入りに需要長を行い、+11bpで決まった。金利の絶対値 の水準にこだわり、購入に慎重な姿 勢を示す投資家もみられたという。

事務幹事の大和証券SMBCのシンジケート担当者は、久しぶりの 起債で、生保、系統下部、中央公的、地方公的、年金、その他諸法人な どに順調に販売できたという。

野村HDは、5年債と10年債でそれぞれ250億円の募集を行った。 発行回りの円スワップレートに対するスプレッドはそれぞれ+43bp、+ 63bpで決まった。5年債のスプレッドは37bpと前回6月起債時の+ 100bpから大幅に縮小した。

同社が財務省に提出した発行登録追補書類によると、調達した資金 は、連結子会社への貸付金に充当する。野村広報担当の菅井馨子氏は、 今回の起債について、「流通市場やCDSのスプレッドを考慮して条件 決 定したもので、適正な水準と考えている」とコメントした。

都市再生機構、事業仕分けの影響は限定的

都市機構は5年債300億円、10年債200億円を募集した。対国債 利回りのスプレッドは2本とも、+10bpで決まり、前回9月の起債時 の+12bp(5年)、+14bp(10年)から縮小した。格付けはムーディー ズがAa2、R&IのAA、JCRのAAを取得した。

都市機構への出資金は行政刷新会議の「事業仕分け」の対象。16 日の会議では出資金のうち賃貸住宅の建て替えによる家賃上昇を抑制 するための予算(概算要求434億円)に関しては、出資金方式を改め、 「毎年度所要額を措置する方式に変更する」と判定された。

都市機構経理資金部の平田輝人主査は、「事業仕分けが行われたも のの、今回の販売には影響がなかったものと主幹事証券から聞いてい る」と語った。

事務幹事の日興コーディアル証券デット・シンジケート部担当者は 金利低下と事業仕分けが行われている中の起債について当初、国債+ 10bpから+12bpで需要調査を行い、最終的に+10bpで決まったと述べ た。事業仕分けの結果が都市機構の信用力に影響を与えるものではない ことも順調な販売につながったという。

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