アジア各国政府が資本規制を検討-「ホットマネー」の回復阻害懸念

アジア各国の政策担当者らは、 資産バブルの発生を煽り、自国通貨高を招く「ホットマネー(短期の 投機資金)」の流入を制限する資本規制を検討している。

インドや韓国、インドネシアの政府高官らは、株価や不動産など の資産価格上昇に拍車をかける資金が自国市場に大量に押し寄せるこ とを懸念している。台湾は先週、通貨上昇を見込んだ投機的な動きを 懸念して、外国人投資家による定期預金の預け入れを禁止した。

アジア産品への需要が回復する中で、同地域は過去最悪のリセッ ション(景気後退)から世界経済が立ち直る際のけん引役を担ってい る。政策担当者らは、通貨高が輸出回復を妨げ、資本流入を促進する ことを憂慮している。資本流入によって金融システムが不安定化し、 インフレが高進する恐れがあるからだ。

仏銀クレディ・アグリコルの投資銀行部門カリヨンで国際為替戦 略部門を率いるミチュル・コテッカ氏(香港在勤)は、「ここ数カ月 にわたってアジアの株式相場や不動産市場が他の国や地域の市場をし のぐ勢いであることを考えれば、ホットマネー流入に気を遣うのは当 然だ」と指摘。さらに「仮にアジアの中央銀行が懸案事項に対処する のであれば、同地域の通貨に重要な影響を及ぼし、これまでの急激な 通貨上昇のペースが落ちるか、あるいは歯止めがかかる可能性があ る」と指摘した。

ブルームバーグが調査対象とするアジアの10通貨のうち、イン ドネシア・ルピアや韓国ウォン、インド・ルピーを筆頭とする8通 貨が、対米ドルで上昇した。アジアの一部諸国で住宅価格が上がり続 け、同地域の株式相場は過去6カ月間、大幅上昇している。

次の世界危機の恐れ

香港の曽蔭権行政長官は11月13日、米連邦準備制度理事会 (FRB)による事実上のゼロ金利政策が投機的な資本の波を増幅さ せ、次の世界的危機を引き起こす可能性があると警告した。

インドのチャウラ財務次官は19日、外国からの投資が大幅増加 すれば資本流入を減速させる措置を講じる可能性があると発言した。 インドの経済紙エコノミック・タイムズは財務省当局者の話として、 政府が自国企業による外国からの資金借り入れ可能額に上限を設ける かもしれないと報じている。

一方、インドネシアのナスシオン上級副総裁は同日、短期債へ の外国資金流入を制限する選択肢を「真剣に」検討していると述べた。

韓国金融監督院(FSS)の金錘昶(キム・ジョンチャン)院長 も同日、ウォン高の原因となっている米ドルによるキャリートレード への対応策を協議する可能性があると指摘。同委員長はこの問題でど のような対策をとることができるかを政府の関係機関が話し合う予定 であると語った。

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