中国勢がシンジケートローン市場のすき間参入、RBSやシティ縮小で

オーストラリア最大のビール会 社フォスターズ・グループは、今年に入るまで中国の銀行から借り入 れたことはなかった。それが今年は、中国銀行がフォスターズの借り 換えで5億ドル(約445億円)のシンジケートローン(協調融資)組 成に携わった。

フォスターズの財務担当者ピーター・コパニディス氏は、中国の 金融機関は「大量の流動性を供給している」と指摘。同国の世界最速 の経済成長と「非常に異なる預金ベース」を背景に、中国銀は「一部 の銀行が資本の制約を受けるなかで、貢献度を高めている」と評価し た。

ブルームバーグの集計データによると、中国銀と中国工商銀行が 日本を除くアジア太平洋地域で今年引き受けたシンジケートローンは 256億ドルと、全体の14.5%を占めた。昨年は4.9%にすぎなかっ た。米シティグループや英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・ グループ(RBS)など欧米の銀行が世界的な金融危機で多額の貸倒 損失を抱えて事業を縮小する中、中国勢が資金の出し手となっている。

中国勢の海外融資は始まったばかりであるものの、今年1-10 月の海外シンジケートローンの合計は49億ドルと、前年同期の30億 ドルを上回っており、世界で最も速い伸びだ。一方、欧米の銀行によ るアジア太平洋でのシェアは2009年に30%から14.3%に低下した。

融資奨励

中国国家外為管理局(SAFE)は国内銀行に対し、海外で人民 元建て融資を実行し、国内の消費者向け融資を縮小するよう奨励して いる。過度の国内融資は同国の株式相場や不動産価格の過熱を招きか ねないという懸念が背景にある。

中国の金融機関による国外企業への融資はまた、同国にとって米 国債を購入せずに2兆2700億ドルに上る外貨準備を投資する手段に もなる。米財務省によると、中国の米国債保有高は9月に7989億ド ルと、2002年の1000億ドル未満から急増した。温家宝首相は今月 12日、米国にとって最大の貸し手である中国が、世界の安定成長を回 復させる「責任を担っている」と述べていた。

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