TOPIXは8日ぶり上昇、金融や不動産反発-円高懸念し輸出は安い

東京株式相場は、TOPIXが8 営業日ぶりに反発した。銀行や証券、不動産など今週に入って下げが大 きかった業種が上昇。一方、為替の円高傾向や一部アナリストの格下げ を受けた米半導体関連株の下落を受け、トヨタ自動車や東芝など輸出関 連株は下げた。日経平均株価は終値で、7月17日以来の9500円割れ。

DIAMアセットマネジメントの平川康彦ファンドマネジャーは、 「きょうの金融株はテクニカルリバウンドに過ぎず、まだ悪材料は出尽 くさないだろう」と見ている。その上で、「増資を通じて無責任経営の つけを既存株主にまわす企業経営者、円高も止めようとせずスピード感 に欠ける無策の政権。日本市場は、船頭なく漂流する船のようだ」と話 した。

TOPIXの終値は前日比1.00ポイント(0.1%)高の838.71。日 経平均株価は51円79銭(0.5%)安の9497円68銭。東証1部の値上 がり銘柄数は829、値下がり銘柄数は708。

直近下げの目立った業種を中心に高くなった。業種別33指数で今 週に入ってからきのうまでの下落率が大きかった業種は、証券・商品先 物取引、その他金融、銀行、不動産、非鉄金属、鉄鋼。このうち証券・ 商品先物取引、その他金融、銀行、不動産がきょうの上昇率上位6業種 に入った。

東京市場はあすからの3連休を控え、「騰落レシオなどテクニカル 的には売られ過ぎのサインが出ている。いったん利益確定のための買い 戻しが目立った」と、立花証券の平野憲一執行役員は言う。DIAMア セットの平川氏によると、TOPIXの来期ベースのPER(株価収益 率)は14倍で、この水準からの下げは株価に徐々に割安感が出てくる という。新興3市場の指数もそろって上昇しており、これまでの急激な 下落基調に変化も出ている。

トヨタアセットマネジメント投資戦略部の浜崎優シニアストラテジ ストは「景気が底打ちして回復基調に入ってきているにもかかわらず、 ファンダメンタルズに投資家の目が行っていない」と指摘。海外はそれ が素直に市場に反映されているものの、日本では需給の悪化など悪い面 にばかり注目が集まっていると話していた。

全般は高安まちまち

もっとも、日経平均は心理的な節目9500円を割り込み、騰落業種 や個別銘柄全般は高安まちまちだった。株価が来年の企業収益の伸びを 織り込んでいるとの見方から、19日の米S&P500種株価指数は1.3% 安。株式相場の下落で外国為替市場では円高が進展、円は対ドルで10 月9日(88円36銭)以来の円高水準となったため、為替水準への警戒 から輸送用機器や精密機器、電気機器指数はそろって下げた。

立花証の平野氏によると、「米国は内需の低迷を輸出でカバーする ために流動性供給を続けているが、それは米国にとっては良いものの、 日本には為替の円高というマイナス要因」という。銀行など大型増資の 一部は海外投資家が購入するため、円高要因にもなると強調していた。

三菱ケミHは急反発、半導体関連下げ

個別の材料銘柄では、三菱レイヨン買収に関して会社側が増資を明 確に否定し、野村証券などが投資判断を引き上げた三菱ケミカルホール ディングスが8日ぶりに急反発。みずほ証券が会社予想は慎重とし、レ ーティングを上げたニチイ学館、主力の仲介事業の本格回復を評価して 三菱UFJ証券が投資判断を最上級に引き上げた住友不動産販売はそれ ぞれ急伸した。日本証券金融が制度信用取引による新規売りを20日約 定分から停止すると発表した日機装は8日ぶりの反発。

半面、メリルリンチが半導体の供給増加を理由に世界の半導体産業 の見通しを「ポジティブ(強含み)」から「ネガティブ(弱含み)」に 引き下げたことで、東京エレクトロンや東芝など半導体関連が下落。 2012年度の中期経営目標達成のハードルは高い、と大和証券SMBC が指摘したソニーは続落した。デリバティブ(金融派生商品)取引に関 連し、1000億円規模の支払いを新たに求められる可能性のあることが 分かった、と20日付の読売新聞朝刊が報じた日本航空も売られた。

新興市場は上昇

新興市場は上昇。ジャスダック指数の終値は前日比1.2%高の

45.35と続伸。東証マザーズ指数は4.7%高の384.46と14日ぶり反発し た。大証ヘラクレス指数は2.3%高の520.01と10日ぶり反発。

個別では、バークレイズ・キャピタル証券がソーシャルゲームの市 場が拡大しそうだと同関連株に対するスタンスを強気に変更するととも に、投資判断を引き上げたグリー、目標株価を引き上げたサイバーエー ジェントがそれぞれ大幅高。太陽電池向けシリコン結晶製造装置を中国 企業2社から90台受注したと発表したフェローテックは大幅続伸。

半面、09年11月期の連結純利益が従来予想を下回りそうだと発表 した毎日コムネットが急落。売買代金上位ではセブン銀行、フリービッ ト、日本風力開発が安い。

--取材協力:池田 亜希子 Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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