米国株:続落、割高感や半導体株の投資判断引き下げで

米株式相場は続落。これまでの 上昇は経済成長見通しに比べて行き過ぎていたとの懸念から、売りが 優勢になり、世界的な株安の流れを引き継いだ。バンク・オブ・アメ リカ(BOA)が半導体銘柄の投資判断を引き下げたことも悪材料。

先進23カ国の株式から成るMSCI世界指数は前日比1.7%安と、 今月最大の下げ。S&P500種株価指数は1.3%安の1094.90。イン テルやテキサス・インスツルメンツ(TI)が安い。ダウ工業株30種 平均は93.87ドル(0.9%)下落の10332.44ドル。

MSCI世界指数は過去8カ月に68%上昇、株価収益率(PE R)は7年ぶりの高水準にあり、来年の企業収益が25%伸びるとの予 想をすでに織り込んでいるとの見方が株安の背景にある。

経済協力開発機構(OECD)は19日発表した経済見通しで、来 年の加盟30カ国の成長率予想を1.9%と、従来予想の2倍に上方修正 した。一方、各国の政府債務の増大が成長の足かせとなるとの見通し を示した。

フィデュシャリー・トラストのファンドマネジャー、マイケル・ マレーニー氏は「相場が上げ一服となるのは完全に理にかなっている。 投資家心理は少し強気になり過ぎていた」と述べた。

14日に終わった1週間の新規失業保険申請件数が10カ月ぶり低 水準にとどまったものの、売りが優勢になった。フィラデルフィア連 銀が19日に発表した11月の同地区製造業景況指数は予想以上に上昇 した。

S&P500種の下落率は10月30日(2.8%安)以来で最大とな った。

半導体

インテルは4.1%安、TIは3.4%下げた。BOA傘下メリルリ ンチのアジア半導体調査責任者、ダニエル・ヘイラー氏は半導体の供 給増加を指摘し、業績が悪化する恐れがあるとして、インテルとTI の投資判断を「バイ(買い)」から「ニュートラル(中立)」にそれ ぞれ引き下げた。世界の半導体業界全体の判断も「ポジティブ」から 「ネガティブ」へ引き下げた。

S&P500種の半導体株指数は3.7%下落。全24産業グループ で最も下げた。

商品相場が下落

アルコアは3.9%安。ダウ平均の構成銘柄の中で下落率2位とな った。アルミや銅など金属相場が軒並み下げたことが背景にある。

コノコフィリップスは1.9%下落。原油相場が4日ぶりに反落し たことが売りを誘った。S&P500種のエネルギー株指数は2.1%下 落。全10セクター中で最も下げがきつい。情報技術(IT)株指数は

1.6%下げ、全体へのマイナス寄与度では最大となった。

銀行株

メレディス・ホイットニー・アドバイザリー・グループの創業者、 メレディス・ホイットニー氏の見解を嫌気し、銀行株が下げた。同氏 は19日、「銀行株は依然、ひどく割高だ」とし、政府による住宅ロー ン担保証券(MBS)の購入に依存していると指摘した。同氏は2007 年にシティグループの減配を予想して的中させたことで知られる。J Pモルガンとウェルズ・ファーゴはいずれも1.9%下落。S&P500 種の金融株指数は2%安。

MBSの評価損の影響で世界の金融機関が計上した損失は07年以 降、1兆7000億ドルに上っている。失業した住宅保有者がローンを 支払えず、住宅ローンの返済遅延が引き続き増加している。

全米抵当貸付銀行協会(MBA)の発表によると、連邦住宅局 (FHA)が保証する住宅ローンは6本につき1本の割合で支払いが 少なくも1カ月分は滞っており、7-9月(第3四半期)の差し押さ え率は3.32%に上昇した。両方とも少なくとも1979年以降で最高。

債券ファンド運用大手、米パシフィック・インベストメント・マ ネジメント(PIMCO)の共同最高投資責任者(CIO)、ビル・ グロス氏は19日、低金利が株式やリスクの高い債券で新たな資産バブ ルを作り出す恐れがあると指摘した。

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